オーストラリア(キュランダ観光鉄道でケアンズへ、シドニーちょっぴり漫歩)                       
                                                                 2007.7.12−17
 
 


< イントロ >

 2006年のカナダとフランス行きで「時差」の煩わしさを味わったせいか、N子も私も今度は時差の無い国へ行ってみたいとの思いが強く、すんなり次の目的地を「オーストラリア」と決め、JTB旅物語の「スペシャル ケアンズ・シドニー 6日間」にエントリーしました。ツアー名称の頭に「スペシャル」という形容詞が付いているのは、カンタス航空の日本就航60周年記念の特別価格で提供されているという意味で、私たちに相応しい?格安のツアーです。

  関空を夜出発し、翌朝、ケアンズに到着。ケアンズに2.5日滞在した後、空路でシドニーに移動して2.0日間滞在するスケジュールです。フリータイムは、格安ツアーらしく、ケアンズでの1.5日とシドニーでの0.5日の計2.0日間も設定されていますが、ケアンズでの「グリーン島観光」、シドニーでの「ブルーマウンテン観光」と「シドニー湾ナイトクルーズディナー」のオプショナルツアーに大奮発したので、二日目のケアンズでの半日と、ケアンズからシドニーへの移動日となる四日目の夜の二回が自由行動を楽しめる時間帯のようです。さて、今回の首尾は?
 
    
 


< ケアンズ >

■ ツアーコースから外れてキュランダ観光鉄道でケアンズへ・・

 カンタス航空114便の夜間フライトで翌早朝にケアンズに到着。朝食後、バスで世界自然遺産の熱帯雨林の街、キュランダに向かう。熱帯雨林(p1)と街中を散策した後、バスでホテルに向かうスケジュールだが、午後はフリータイムなのでバスに乗らずにキュランダ観光鉄道の列車でケアンズに戻る単独行動をとることにして、添乗員さんに相談する。OKはしてもらったが、「自己責任で行動します」という誓約書にサインする羽目になる。
 
 駅(p2)で昼食代わりのフライドポテトを摘みながら列車を待っていると同じツアーメンバーのご婦人二人のチームとご夫婦のチームもやって来る。どうやら3チームが単独行の誓約書を書いたようです。列車は全車指定席で、駅員のお父さんが、乗客のチームごとに向かい合わせのワンボックス席を丸まる一つ割り当ててくれた。10両を越える長い列車(p3)は、熱帯雨林のジャングルの中をゆっくりと進む。

      
 p1 熱帯雨林とスカイレータ   p2 キュランダ駅のホーム      p3 熱帯雨林を進む長い列車

 最初の見所はバロン・フォールズ駅から眺めるバロン滝です。列車から降りて滝を眺める・・が、ガイドブックに紹介されているダイナミックな水量の雄大な滝の景観は、そこには有りませんでした(p4)。そうです。今は7月、ここケアンズは乾季のピークだからです。この季節は、滝の水量は確かに貧弱ですが、昼は乾燥して暖かく、夜も涼しく過ごしやすいので、シニアの旅行には最適の季節のようです。

 懐かしいレトロ調の座席(p5)に腰掛けて、窓の外に延々と続く熱帯雨林を眺めているせいか?・・それとも夜間移動の機内で十分に睡眠が取れなかったためか?・・いつの間にか居眠りを始めてしまう。ストーニー・クリーク峡谷の橋脚上から眺められるストーニー・クリーク滝(p6)の手前で、車掌さんのアナウンスで目が覚める。滝を横にして列車は一時停止してくれる。この滝の水は何とか有りましたね。やがて海まで望めるパノラマが広がり、私の地元にある有馬富士に良く似た山容の山々を眺めながら・・、さらにサトウキビ畑の中を進むと、列車はケアンズ駅に到着する。

    

  p4 水枯れのバロン滝        p5 レトロ調の座席     p6 ストーニー・クリーク滝

■ キュランダ観光鉄道の魅力とは・・・?
 ガイドブックによると、ケアンズの街中の Shields St. とLake St. の交差点にある City Place の近くにタクシー乗り場があるらしいので、駅から City Placeまで、例のごとくスーパー探しをしながら歩くことにする。City Place の直ぐ近くに手ごろなスーパーを見つけ、満足してタクシーに乗り込む。

 私たちのホテル(メルキュールホテル・ハーバーサイド)に向かう途中、タクシードライバーのお兄さんにキュランダ鉄道でケアンズに戻ったと話すと「景色を見てたのか? それとも居眠りをしてたのか?」と訊かれる。「ほとんど寝ていた」と応えると、お兄さん、ガハハと笑って「それがキュランダ鉄道の魅力だ・・」と言う。私たちは、鉄道のもう一つの魅力を十分に堪能してしまったようです。City Place からは、ホテルの無料のバスも出ていたのですが、それを知ったのは、ホテルでの夕食時でした。

 ツアー3日目は、ケアンズの東側の沖合いにあるグリーン島の「昼食付き一日観光ツアー」に参加する。島に向かう船に乗るまでは、現地のガイドさんが付くが、後はフリー。島を歩いて一周し、ミニ水族館やワニ園(p7)を見て、グラスボトムボートで世界自然遺産のグレート・バリア・リーフの珊瑚礁(p8)を泳ぐ魚群(p9)を観賞するという定番のお楽しみコースでノンビリしてから、ホテルに戻る。夕食は付いていないので、ホテルのバスで City Place に出て Orchid Plaza での中華バイキングで満腹になる。

    

   p7 ワニ園で・・         p8 沖合いの珊瑚礁        p9 珊瑚礁を泳ぐ魚群


< シドニー >


 ■ シドニーちょっぴり漫歩・・・ シドニー水族館へ

ツアー4日目は、昼一番のカンタス航空機でシドニーへ移動。シドニーでの宿泊は、歓楽街として有名なキングス・クロスにあるザ・クレスト・ホテルです。さすがにホテル直近の一帯には猥雑ムードのお店はないようです。日暮れ時にホテルに到着。予定どおり「シドニー水族館」に行くことにしてホテルの横にあるシティ・レール(City Rail)のキングス・クロス駅に行く。

 ケアンズからシドニーへの道中で、キュランダ観光鉄道でもご一緒した冒険大好きのご婦人二人組から『歴史探索の道として知られているマックスフォーリ通りの古い建物が夜間ライトアップされて綺麗なので、ここに行くんだと若い女性チームが話していた』という情報提供があったので、先ずマックスフォーリ通りに行ってみることにして、駅の券売窓口でマーチン・プレイス駅までの片道切符を購入する。駅のホームでは、シドニータワー(p10)に行くというツアー仲間の別のご婦人二人組に遭遇する。皆さん、行動力旺盛のようです。

 マーチン・プレイス駅で降りて、マックスフォーリ通りへ向かう。華やかなライトアップショーを期待していたが、日曜日のせいか? 人通りはほとんど無く、ライトアップされている建物(p11)も少ないので、とりあえず「行ってみた」という実績に満足して駅に戻ることにする。ところが、地下にあるマーチン・プレイス駅へ降りる階段が見つからない。ウロウロしていると、May I help you? という声がして、メガネをかけたニコニコ笑顔の中国系と思われるご婦人が現れる。駅への道を失ったと話すと、階段の位置を親切に教えてくれる。助かりました。

 駅に到着すると今度は、券売窓口が、すでに閉まっている。自動券売機があるが、生憎、高額の豪ドル紙幣しか持っていない。駅員に相談しようと、窓口近くでウロウロしていると、黒いコートを着た、映画マトリクスのキアヌ・リーブス風の若い白人男性が近づいてきて、何か言おうとしている・・が、言葉を発しない。しかし、助けてやろうという雰囲気なので、切符が買えないと伝えると、直ぐに券売機の使い方を教えてくれる。いや、使える紙幣を持ち合わせていないので買えないんだと話すと、駅の事務所に入って、駅員に相談をしてくれる。降りる駅(タウンホール駅)で事情を話して運賃を払えばよいと言う。

 一緒にシティ方面に向かう電車に乗ると、この男性「自分は、JETプログラムで日本の千葉に1年いた」と言う。初めて会ったときに言葉が出なかったのは、私たちが一見して日本人と分かったので、日本語で「どうしたのか?」と言おうとしていたらしい。これからシドニー水族館に行くところだと話すと、タウンホール駅で降りてからの道順を一生懸命、教えてくれる。日本に良い思い出があって、懐かしく感じてくれているのか? それとも私たちが、余程、頼りなく見えるのか・・? 別れ際まで、迷子にならないようにと心を配ってくれた。

 そのお陰もあって、タウンホール駅からは、地図を見ながら一発で水族館に到着できたが、水族館の裏側に出てしまったようで、現地の人と思われる家族連れに入り口の位置を教えてもらう。水族館では、サメ(p12)のいる大水槽の前で、金沢で英語教師をしていたという赤ちゃん連れのアメリカ国籍の女性に流暢な日本語で話しかけられ、一頻り日本の思い出話を聞かせてもらいました。日本滞在中にシンガポール国籍の男性と知り合って結婚し、現在はシドニーに住んでいるという。

 ツアー仲間の例の冒険好きのご婦人二人組とも水族館で遭遇し、スーパー探しをしながらホテルまで一緒に帰ることにする。このお二人のシドニーで道に迷ったときの対処方法は「大きなホテルか、店舗に入ること」だそうです。通訳を兼ねて現地で働いている日本人スタッフが必ずいるので、日本語で道を尋ねることができると話していました。日本人と中国人の見極めが難しいと思うのですが・・、勘で分かっちゃうらしいです。さすが、冒険派ですね。


    
 p10 シドニー・タワー    p11 ライトアップされた教会    p12 シドニー水族館のサメ

■ シドニーちょっぴり漫歩・・・ メトロ・モノレールに乗る
 ツアー5日目は、午前中はバスでシドニー周遊(p13)、フリータイムが設定されている午後はオプショナルツアーでブルーマウンテン(p14)への半日観光。さらに夜は、同じくオプションのシドニー湾のクルーズ・ディナーと予定が満杯。しかし、どうしてもメトロ・モノレールに乗ってみたいので、ブルーマウンテンからの帰途、ツアー定番の日本人経営のお店に立ち寄ったときに、セールストークの間に抜け出すことを計画する。幸い、夕方以降はフリータイムのため、ショッピングは希望者だけでシティにあるお店の前で解散ということになる。早速、シティ・レールのウインヤード駅からタウンホール駅に出て、メトロ・モノレールのギャラリーズ・ビクトリア駅に行く。駅員さんに聞くと、20分もあれば、余裕で一周できるというので、8人掛けのボックス席(p15)を占領して、反時計回りで一周する。乗り心地もまずまずで、高いところから眺める黄昏れ時のシドニーもなかなかの風情でした。
 

      
p13 ハーバー・ブリッジとオペラハウス  p14 スリー・シスターズの奇岩    p15 モノレールの座席


< エピローグ >

 熱帯に属するケアンズはもちろんですが、真冬のシドニーも暖かく、ベストの上に薄いナイロンのジャケットを羽織るだけで過ごせました。乾季ゆえに?・・雨にも会わず、カラッとした、気持ちの良い天候の毎日でした。現地の皆さんは総じて旅行者には親切で、気分を害する状況に至ったことは全く無し。日本に縁を持つ人たちに次々に遭遇したのも、親日家が多い所以でしょうか・・? 日本として、大事につき合っていかなければならない国であると感じました。



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