偏向報道満載 読売新聞の暴走は続く          2012.2.29           



 「増税Go! Go!」、「原発Go! Go!」、そして「ハシズム反対(反橋下)」の三つ揃いの偏向報道を続ける読売新聞の暴走が止まらない。野田政権の「税と社会保障の一体改革」の矛盾が国会で散々に叩かれ、これをテレビのニュースショー番組が、毎日のように面白おかしく報道し続けた先月末以降、読売新聞の紙面から消費増税擁護の記事がパッタリと姿を消した。国会であれだけ不合理を指摘されていながら、野田政権は一体改革の素案を修正することなく、そのまま大綱として閣議決定してしまった。さすがの読売新聞も政府の消費増税論に愛想を尽かしたか・・と思った矢先の24日、読売新聞朝刊の一面トップには「消費税25% 育児保障」、「スウェーデン 大学まで無料」、「高負担も納得」の大見出しが躍った。コラム「税と安心」を新設して、消費税(付加価値税)率原則25%のスウェーデンを社会保障の理想郷として描き、日本もスウェーデン型の高負担、高保障の福祉国家を目指すべきだと誘導する。増税Go! Go!の偏向報道の復活である。

 私の小・中学校時代、先進福祉国家を目指す当時の国々にとっての手本とされていたのは「揺りかごから墓場まで」と形容された英国型の社会保障制度であった。その20年後、経済成長した日本が我が世の春を謳歌している最中にサッチャー英首相は、経済破綻寸前となった往時の理想の福祉国家英国を再生するために、小さな政府を目指しての形振り構わぬ政策運営を続けていた。充実した福祉制度は、国家の経済的繁栄があって初めて実現・維持できるという見本を英国は示した。スウェーデンが社会保障の理想郷として、今日の国際社会で光りを放っているのは、良好な経済状態を維持できているからに他ならない。単に消費税率が高いからではないことは自明だ。ところが読売新聞は、消費税率を上げさえすれば、夢の高福祉国家が実現できるかのような詭弁を使って国民を騙そうとする。まるで小学生の作文である。

 現在、日本の消費税率は5%(国税4%、地方税1%)であるが、そのうちの国税分4%だけで国税収入全体の20%以上を占めている。スウェーデンは、消費税率原則25%と税率は高いが、国税全体に占める消費税の割合は、22%程度に過ぎない。スウェーデン以外の西欧型の福祉国家と呼ばれる国々での消費税の税収比率も軒並み25%程度である。従って、税収全体に占める消費税収の比率から見れば、日本の消費税率は、すでに十分に高い水準にあるといえる。これには、二つの理由がある。一つは、景気低迷によって日本の法人税収が極端に落ち込んでいること。もう一つは、原則25%の消費税率とは言っても、スウェーデンでは、公共交通機関に対する税率が6%、食料品などの生活必需品は12%であるなど、原則から逸脱する品目が多く、「25%」という数字が与える印象ほど、税収は大きくならないことである。野田政権の思惑どおり、現状の経済情勢の下で消費税率をさらに上げれば、消費税に極端に依存する歪んだ税収構造になり、低所得者層の負担は一層大きくなる。読売新聞のコラム「税と安心」では、これらの事実には一切触れず、子どもの未来のために・・、世代間格差縮小のために・・消費税率アップが不可欠だと欺瞞に溢れた文章で畳み掛ける。

 
  世論調査によると、国民の65%は「増税やむなし」と考えている。読売新聞がスウェーデンの福祉制度を持ち出して詭弁を弄するまでもなく、大多数の国民は、不必要な財政支出の削減と併せて、増税が不可欠であることを理解している。ところが、今、消費税率を引き上げることには、55%の国民が反対している。理由は唯一つ、民主党政権にこれほど重大な政治的決定を任せるわけにはいかないと考えているからである。「現下の経済情勢でも消費増税のタイミングとしては適当である」などと財務官僚に躍らされて抜けぬけと語る財務省広報係長の安住淳に国民は「ノー」を突きつけているのである。読売新聞がその紙面を埋めて喧伝すべきは、消費増税の必要性ではなく、民主党政権の速やかな終焉である。

 29日の読売新聞朝刊は、電気料金値上げ問題に関連して「価格転嫁できない7割」、「東電値上げ 景気に重荷」の見出しを躍らせる。読売新聞は、消費増税論議では、おくびにも出さなかった価格転嫁できない中小企業の悩みや景気後退への懸念をこんなところで持ち出してくる。電気料金値上げで日本経済は大変なことになる・・だから、速やかに原発を稼働させなければ・・・というストーリ展開を狙う読売新聞の厭らしい魂胆が透けてみえますね。アハ。


           
     読売新聞の増税キャンペーン記事    消費増税大賛成の偏向記事       「電気料金値上げ反対」記事と思わ
                                     せて、実は原発Go! Go!
 

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