三田市は「震災がれき」を受け入れよう!!       2012.3.21    



■「どじょう」が漸く動いた 
 昨年9月の所信表明演説で「震災復興と経済再生が最優先」と大法螺(おおぼら)を吹いておきながら、頭の中は「消費増税」オンリーだった野田首相が、11日に『被災三県を除く全都道府県に「震災がれき」の受け入れを文書で正式に要請する』ことを表明した。『がれき処理』活動を被災地の経済振興の足掛かりにしようというアイデアも打ち出せず、さらには『がれき処理』の安全性について国民を説得できずに放射線デマゴーグたちに格好の攻撃材料を与えてしまうなど、無策無能の醜態を晒し続けてきた野田政権が「震災後1年も経つのに・・」の世論の大批判に晒されるのを恐れてか、漸く、前を向く気になったらしい。18日には、細野環境大臣から神奈川県の黒岩知事に対して『がれき処理』に必要な経費負担についても国が責任を持つとの回答が手渡されて、国の支援が得られる見通しがついたためか、報道によると19日までに香川県や北九州市、大牟田市、島田市など地方の県議会、市議会が震災がれきの受け入れ決議を採択し始めているという。

 ■ 世界に恥を晒して

 野田首相の全都道府県に対する「がれき処理」要請についての意思表明は、12日付のAFP電で世界に発信された。(全文を別掲) AFPは「岩手、宮城の『がれき』は放射能汚染されておらず、焼却処理しても人間の健康に危険はないという政府の説明にも関わらず、汚染されているかも知れないという恐怖心を抱く住民たちの強い反対によって『がれき処理』への協力を申し出た自治体は、ほんの一握りにすぎない」と伝えた。英紙ザ・テレグラフのDanielle Demetriou記者も同様に「政府の安全である旨の説明にも関わらず、放射能汚染を懸念する住民の強い反対によって多くの自治体が、津波による『がれき』の一切の受け入れを拒否している」と発信している(別掲)。さらに12日付の米ワシントンポスト紙は、鎌倉市在住の元同紙記者Paul Blustein氏の寄稿文を掲載した(抜粋部分を別掲)。記事は「住民の多くが放射能汚染の恐怖に駆られて暴走し、大抵の自治体は津波が残した大量の『がれき』の受け入れを拒否している・・・農業や漁業に携わる地域の人々が風評被害(根拠のない流言による経済損失・・)を被る恐れがあるという理由で、たとえ放射線量がゼロであっても行政は『がれき』の受け入れを拒否している・・」と、狂気に溢れた日本の実情を紹介し、その文末は「so much kizuna(絆はもうたくさんだ)」という言葉で結ばれている。木下黄太などに代表される放射線デマゴーグや「西のカナリア」、「光の日々」などの放射線アレルギー症の患者たちの常軌を逸した発言や行動によって、地方議会や自治体の行政担当者が有らぬ方向に振り回されている恥ずかしい日本の姿が連日、世界に向かって発信されているのである。
             
       放射線デマゴーグ        「光の日々」の「O(オー)嬢」の過激なアジテーション文


 17日付毎日新聞によると関西広域連合の専門家会議(座長、山本孝夫
大阪大大学院教授)は「『がれき』は1キロ当たりの放射線セシウムが100ベクレル以下、焼却灰は同2000ベクレル以下」という『がれき』の受け入れ基準を承認した。100ベクレル/kg」は、原子炉等規制法で放射性廃棄物かどうかを区別する目安の基準とされている数値で、この数値を超えないものは、放射性廃棄物ではなく、廃棄せずにリサイクルすることも可能だとする基準値であり、「2000ベクレル/kg」も政府が示した基準「8000ベクレル/kg」をはるかに下回り、通常の方法で埋設処理しても全く問題がない安全サイドに大きく踏み込んだ基準である。この基準は25日の広域連合委員会で了承される見込みだというが、実際に受け入れるかどうかは各市町村の判断に任されるようだ。


■ 三田市は率先して「がれき」受け入れを宣言せよ!!
 私の地元の三田市のホームページにアクセスすると、「東北大震災支援情報」というバナーが記事のトップに現れ、三田市が東北支援に熱心に取り組んでいるかのように読み取れる一方で、『がれき』受け入れに関しては、「
東日本大震災で発生した『がれき』は被災地の復興の妨げとなっていることは認識していますが、放射能汚染の恐れがある災害廃棄物の受入れに際し、処理施設における放射性物質の挙動など、技術的な知見が十分に示されていない状況であり、さらに焼却灰等の受入れ先である最終処分場(海面埋立)での処分方法等が、具体的に示されていない現状ですので、受入れを検討できる状況ではございません」というつれない文言を並べている。(19日現在の掲示を別掲) 「『がれき』は全て放射能汚染されている」と言うとんでもない認識の下での文言である。住民からの反対の声を恐れたのか・・、『がれき』は門前払いとする魂胆のようだ。「技術的な知見が十分に示されていない」状況であるならば、静岡県の市町村のように焼却実験をやってみれば良いではないか・・? 面倒なことには関わりたくないという役人根性が丸見えである。三田市も、まさに「 so much 」である。

 静岡県の島田市は、焼却実験を実施した上で前出の関西広域連合が承認した受け入れ基準と同一条件での『がれき』の受け入れを決めた。風評被害を懸念していた静岡茶の栽培農家も市に協力を申し出ているという。素晴らしい決断である。16日付の毎日新聞によると島田市のゴミ焼却施設には1日48トンの余力があり、このうち約20トンを『がれき』処理にあてるという。三田市の資料( http://www.city.sanda.lg.jp/gomi/documents/data1.pdf )によると、三田市クリーンセンターには2基の焼却炉があり、処理能力はそれぞれ105トン/日で、総計210トン/日である。年間の焼却量は平成17年度で34,754トン、1日当たり95トンであるから少なく見積もっても焼却炉1基分(105トン/日)の余剰能力がある。つまり、関西広域連合の受け入れ基準に従って、岩手県又は宮城県から100ベクレル以下/kgの放射性廃棄物にあたらない通常の焼却ゴミと同等の『がれき』を1日あたり数十トン受け入れ、焼却して、いつも通りの方法で埋めて処理することが十分に可能なのだ。

 兵庫県や近隣の自治体の動きを待つのではなく、三田市が率先して『がれき』受け入れを宣言し、まずは焼却実験(試験焼却)に踏み出すべきでしょう。「育児放棄の保護者」や「睡眠剤投与の看護師」など不名誉な事件でしか世間の話題にならない三田市民に、市議会の英断によって明るい希望を与えて欲しいものです。12日に『がれき』受け入れを決議した北九州市議会のケースでは、3日間で400件を超える電話が市に寄せられ、大半が反対意見だった(3/16付毎日新聞)ようです。こんなニュースを聞いたら議員の皆さんも怖じ気づいてしまうでしょうかね・・? 三田市議会議員がどこまで「絆」の精神を持ち合わせているか、じっくり観察させてもらいましょうね。アハ。



  関連記事:放射線アレルギー症患者の請願が市議会を動かす(三田市議会の震災がれきの受け入れ是非論議)
         放射線アレルギー症患者の「ごり押し」が通る危険な日本
                        三田市議会、「震災がれき」受け入れ決議案を否決(2012.3.27)


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3/12付AFP通信

Noda urges all of Japan to help with disposal of tsunami debris

TOKYO —

The whole of Japan must redouble efforts to help rid tsunami-hit communities of the millions of tons of waste generated by last year’s disaster, Prime Minister Yoshihiko Noda said Sunday.

As the country marked the first anniversary of the tragedy that claimed more than 19,000 lives, Noda urged areas outside of the disaster zone to pitch in to help dispose of the rubble.

“Today is a day of mourning as well as a day to renew our resolve to rebuild,” he told a press conference just hours after the country observed a minute’s silence at the exact moment the tsunami-causing quake struck last year.

“I urge the entire public to recognize that we are all directly involved in reconstruction.”

The monster tsunami crushed whole communities along Japan’s northeast coast, leaving behind 22.5 million tons of debris, including splintered houses and wrecked cars, most of which remains piled up in the region.

Only a handful of municipalities outside the disaster zone have offered to help process the debris, amid stiff public opposition from residents who fear it could be contaminated by radiation.

The tsunami knocked out cooling systems at the Fukushima Daiichi nuclear plant, sending reactors into meltdown and shooting toxic isotopes into the atmosphere.

The government insists debris in Iwate and Miyagi, north of Fukushima, is virtually radiation free and does not pose a risk to human health when incinerated or processed.

“The world lavished praise on the spirit of the Japanese for helping one another in the aftermath of the disaster,” Noda said. “That Japanese psyche is being tested again. The processing of debris is a symbol of that.”

Tokyo has offered to largely offset any costs local governments incur in accepting the waste.

Noda said he will be asking private companies, such as cement and paper producers, to help out with the task.

© 2012 AFP

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3/12 ザ・テレグラフ紙から抜粋

By Danielle Demetriou, Tokyo

How the disaster unfolded

Shortly after the nation’s remembrance of the first anniversary of the disaster, Yoshihiko Noda, the prime minister, urged local government authorities across Japan to accept and help safely dispose of the accumulated 22.5 million tons of debris.

The issue is causing growing concern in Japan, with dozens of regions refusing to accept any of the tsunami-generated rubbish due to stiff opposition from residents concerned about radiation contamination. In the meantime, mountains of cleared-up debris – including broken houses, smashed cars, splintered trees – are accumulating across the worst-hit prefectures Miyagi, Iwate and Fukushima, despite government reassurances that it poses no radiation threat to human health.

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3/12 ワシントンポスト紙 Paul Blustein氏の寄稿文から抜粋

Large segments of the population are so petrified, and so militant in their fear, that most local governments outside Tohoku are refusing to accept for burial some of the millions of tons of

rubble left by the tsunami. (And I’m talkingabout the remnants of smashed buildings and vehicles in other prefectures, not junk from the nuclear plant’s vicinity.)

In a town near where I live, officials rejected the debris, saying that even if the radiation emissions were zero, local farmers and fishermen might suffer from huu hyou higai — financial losses due to baseless rumors — just as many Tohoku producers are already. So much for kizuna.

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<三田市ホームページから抜粋>

東日本大震災で発生した災害廃棄物の処理について

  みなさまから、多く問い合わせのある内容について回答します。

     Q.  東日本大震災で発生した災害廃棄物は三田市で受け入れるのでしょうか?

    .  現時点の受入れ予定はございません。

 東日本大震災で発生したがれきは被災地の復興の妨げとなっていることは認識していますが、放射能汚染の恐れがある災害廃棄物の受入れに際し、処理施設における放射性物質の挙動など、技術的な知見が十分に示されていない状況であり、さらに焼却灰等の受入れ先である最終処分場(海面埋立)での処分方法等が、具体的に示されていない現状ですので、受入れを検討できる状況ではございません。

 また、この問題は本市のみで対応できる問題でもないと考えておりますので、他市や国・県の動向を注視し、今後、近隣市町とも連携を図りながら検討を行っていきます。

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