こんな不公平は断じて許せない
(国民年金「3号→1号」の切り替え手続き忘れの救済措置)
               2011.2.19
 
 



  私は6年前に30余年勤続した某メーカを退社しました。配偶者のN子は私の退職と同時に国民年金の3号被保険者(所謂、サラリーマンの妻)から1号被保険者に切り替わり、毎月13,580円(2005年当時)〜15,100円(2010年)の保険料の納付を続け、この6年間総額で100万円以上の保険料を国に納入しました。

 どうせ長生きはできないのだから・・とN子は、年金保険料の納付には積極的ではありませんでしたが、納付は国民の義務でもあると諭して、夫婦揃って納付を続けてきました。ところが、2/2付の朝日新聞の社説「主婦の年金 ―― この不公平は許されない」や2/17付読売新聞の「未納救済か、負担の公平か」の見出しの記事を読んで怒りがこみ上げてきました。

 
夫が退職して厚生年金や共済年金を脱退すれば、妻は保険料の納付を必要としない3号被保険者の資格を失い、自ら保険料を納付しなければならない1号被保険者となるわけですが、自ら届け出なければならないこの切り替えの手続きを怠り、記録上3号のままになっていて、保険料を払っていない人が、数十万人から100万人に上るというのです。(注)

 この人たちは、従来の扱いでは「未納」で処理されるため将来、無年金となる人も出てくる由で、厚労省はこの救済のために時効が適用されない過去2年分について納付するなど特定の条件を満たせば、過去の未納分を納付したものとみなす措置をこの1月から取り始めたとのこと。この救済策では、本来、数百万円の保険料を払わなければならない人でも、僅か30余万円の支払いで全額納付したと認められてしまうのです。「真面目に保険料を納めた人間は阿呆だよ」と言わんばかりの措置です。それどころか、この救済措置が開始される前に正直に、1号に切り替わった旨、届け出た人は未納のままとなり救済されません。

 
この救済策は、長妻昭前厚労相時代に厚労省が検討を始め、年金問題で同省が設置した回復委員会に諮っただけで、十分な議論もなされないまま運用開始されたようです。国民に対する3号から1号への切り替えの手続きのPRが十分でなかったという負い目もあって、厚労省は、本来、国会で議論しなければならないこの重要な案件を省内の身内だけで決めてしまったのでしょう。未納とされた場合に加入期間不足で無年金となる恐れがある人には、未納の期間を加入期間とみなす措置をとるだけで十分です。払っていない保険料まで払ったとみなすことは、正直者がバカをみる措置であって断じて許すことはできません。
(注)妻の収入が増えて夫の被扶養者で無くなった場合や離婚などをして3号の資格を失った人も含んでいます。

 年頭の施政方針演説で菅首相が発した言葉を覚えていますか? 『私が掲げる国づくりの理念、それは・・・・、そして「不条理をただす政治」の3つです』と確かに言いました。これが不条理でなくして、何を不条理と言うのでしょうか? 今に始まったことではありませんが、言うこととやることの落差が激しすぎるのが、この菅政権です。こんな連中に日本を任せておくわけにはいきません。
・・・興奮してきましたので、ここで止めます。
 


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