「居直り・・」 班目(まだらめ)委員長のデタラメは続く  2012.2.17        



 福島第一原発事故の経緯・原因の究明と再発防止対策の提言を目的に国会に設置された「東京電力福島原子力発電所事故調査委員会(委員長:黒川清 元日本学術会議会長)」の第4回会合が15日に開催され、原子力安全委員会の班目春樹委員長と寺坂信昭前原子力安全・保安院長に対するヒアリングが行われた。
http://www.youtube.com/watch?v=cMNdveZSj0k

班目委員長は、ヒアリングの冒頭で、原子力安全委員会が自ら策定した原発の「安全審査指針」類について「津波に対して十分な記載がない」ことや「全交流電源喪失について、解説の中で長時間のそういうものは考えなくてよい」と書いたことなどをあげて「瑕疵があったことは、認めざるを得ない」と語って陳謝した。典型的な政府の御用学者で「原発の守護神」として君臨してきたこの人物が、その忌まわしい過去を葬り去って、いよいよ贖罪の道を歩む気持ちになったか・・・と思った瞬間、同じ人物の口から次の言葉が発せられた。「本来、安全確保の一義的責任は、あくまで電力会社にあります。従って、電力会社は、国がどういう基準を示そうと、その基準をはるかに超える安全性を目指さなければいけないんです。それなのに、それをしないですむ理由として(原子力)安全委員会が作っているような安全審査指針類が使われているとしたら大変、心外だと思います・・」 安全指針の不備を棚にあげて、電力会社に責任を転嫁しようとするとんでもない居直り発言である。国が示した安全基準をクリアすれば、安全性が確保できると考えるのは世の中の常識である。安全指針の瑕疵を認めざるを得ない状況に追い込まれた班目委員長の破れかぶれの逃げ口上ともとれるが、元々この人物は「国としての安全指針を策定する」という自らの責任の重大さを全く認識していない希代の無責任男なのかもしれない。

原発事故発生後、班目委員長は菅元首相の傍らにあって、助言を行ってきたと言われている。野村修也委員が「・・もう少し助言すべき点があったのではないか? お気づきの点があれば・・」と質問すると、「私が助言していた場所は、・・固定電話が2回線しかなくて、携帯電話も通じない場所で、情報がほとんど入ってこないんです。そういう場で、できる助言というのは、もう限界だったのではないか・・。実際問題として、あの頃、一週間以上ほとんど寝てませんので、記憶がほとんどすっ飛んでしまっています。どういう助言をしたのかと言うのも、正確には覚えていないというのが実情で・・」と得意の逃げ口上。確かに一週間ほとんど睡眠時間が取れなかったかもしれないが、野村委員が質問しているのは、震災発生直後の3/11夕刻〜3/12の約1日間の出来事なのだ。記憶を喪失するほどの睡眠不足であるはずがない。「忘れた」と嘘をついているとしか思えない。その後の「ベントや海水注入の判断に至る経緯」に関する質問にも、「・・記憶がほとんど生のかたちで残っていない・・」、「これもほとんど記憶がないのですが・・」と繰り返す。「想定外」を唱和して責任逃れした他の御用学者たちとも相通ずる典型的な責任回避行動だ。

極めつけは、桜井委員の「SPEEDIは予測のためのもの・・住民の避難の範囲、方向の参考資料とするためのシステムですね・・」の質問に対する回答だ。班目委員長は「建前上、そういう(予測のためのシステムという)ことになっていた。不可能だと私は思いますが・・」と今頃になって、巨額の税金をつぎ込んで開発したSPEEDIの存在目的まで否定してしまう。「(原子力)安全委員会でまさに逆算して現状に合うように一生懸命、入力データを調整してみたら、たまたま現象が説明できるという図だけを先に示してしまったものですから、あれ(SPEEDI)があれば、逃げる方向を間違えないですんだという風に、皆さんが思っていらっしゃるとしたら、これははっきり間違いです。・・」とまで言い切って居直ってしまう。

「私は事務系(東京大学経済学部卒の意味のようです・・)なので・・」という理由で、重大な意思決定の場であった官邸から逃亡したことを告白した寺坂信昭前原子力安全・保安院長は、昨年8月に院長を辞職しているが、不思議なことに班目春樹氏は、原子力安全委員会の委員長の職に留まったままである。委員会が改選される3月末を目途に、班目氏は今回の事故を反映しての「安全審査指針」類の見直し・改定に大忙しだという。この希代の無責任委員長に安全指針の見直しまで任せてしまう無能政府には、呆れるばかりです。

 さらに面白いことに、15日のこの事故調査委員会のヒアリングを記事にした「読売新聞」は、班目委員長の発言に対しては一切の批判を封印しています。「原発Go、Go」の読売新聞としては、間違っても「原発の守護神」を批判することなど出来ないのでしょうね。アハ。


                            

  相変わらずのデタラメ委員長      敵前逃亡の保安院長


  関連記事: 原発の守護神 班目(まだらめ)委員長のデタラメ (福島第一原発事故)
       懲りない班目(まだらめ)委員長のデタラメ?(東日本大震災)



                     トップページに戻る






  
  







































inserted by FC2 system