清水山[363m]/行者山[349.2m]
        
所在地:兵庫県三田市   地形図:1/25000 藍本     ルートMAP 


< イントロ >

  12/12、二十数年ぶりに宝塚から東六甲縦走路を歩いて有馬温泉に降りたが、近所の書店でわざわざ購入しておいた六甲山系の1:25000地形図を
自宅に置き忘れて、岩倉山、譲葉山、太平山の山頂を踏み損なってしまった。週末に再度トライするつもりだが、今日(12/14)は体が鈍らないよ
うに近場の山に入ることにして慶佐次盛一氏の「北摂の山(下)西武編」で紹介されている清水山[きよみずさん](p1)(注)と、その東隣の四等三
角点がある行者山[ぎょうじゃやま](p1)に上がることにする。ネット情報によると山麓の八王子神社の境内に駐車できるスペースがあるようだ
が、清水山と行者山だけでは歩行距離が短すぎるので、西側にある有馬富士公園の駐車場に車を停めて、ここから歩くことにする。

(注) 日本山名辞典(三省堂)には、この清水山と行者山のいずれも山名の記載が無いので、ここでは「北摂の山」で使用されている名称を用いる。   
     
                           p1  県道37号沿いからの清水山/行者山


 日時:2011年12月14日(水)     天候:晴れ

 コース: 有馬富士公園 → 八王子 → 役行者 → 清水山頂 → 八王子 →  溜め池  → 行者山頂 →  八王子  → 有馬富士公園

       駐車場     神社   の祠         神社                  神社     駐車場

              10:35       11:10     12:00      12:25     13:00   13:20/13:35   13:43    14:05/14:25     15:05

 



< アクセス >

 有馬富士公園の駐車場(p2)に車を置いて、公園内の遊歩道を北上し、福島大池の東端から農道を通って県道37号(三田後川上線)に出る。県道
を北方向に進むと前方に清水山、行者山が見えてくる(p1)。志手原の交差点(p3)から県道37号をそのまま木器の方向(北東方向)に400mほど歩くと、
左手に「長尾山法導院」と彫られた石柱(p4)がある。石柱の後方の道路脇には石灯籠が建っている。ここで左折し、畑の中を八王子神社に向かう
舗装道路(p5)を進む。3分ほど歩いて八王子神社の石段(p6)の前に到着。石段を上がり正面の本殿に参拝する。境内の広いスペース(p7)は、ゲート
ボール場としても使われるというが、確かにネット情報にあるように、隅の方であれば車を停めても迷惑にはならないようだ。

         
   
p2  有馬富士公園の駐車場      p3 志手原交差点      p4 県道37号沿いの石柱     p5 八王子神社への舗装道路  

  
  p6  八王子神社の灯籠と石段     p7 境内の広いスペース


< 山行 >

■ 清水山の前峰へ

 前述の「北摂の山」では、八王子神社の東側にある法導院の前から清水山と行者山を分割するように北方に延びている作業道から左に折れて山
に入り、清水山の前峰(地形図では標高340m弱。以下「前峰」という)にある役行者を祀る祠への旧参道を進むルートをとっているが、このルー
トは途中で踏跡が不明瞭になり、結局、薮コキとなるらしい。この「北摂の山」には、「・・枝を分けつつ役行者の祠の前に出る。左側からはっ
きりした参道が上がって来ていたが、一体どこが入り口なのだろうか。・・」というくだりがある。おそらく八王子神社の裏手(清水山の南側)
にこの参道の入り口があるのでは・・と考えて、神社前から石垣に沿って、御神木と思われるヒノキの大木を右手に見ながら西方向に進む狭い
(p8)を進んでみる。

 薄暗いヒノキの樹林帯を50mほど進むと、左側に竹林が現れた辺り(前峰から南方向に延びる尾根の末端部近く)に右手の山側に入る踏み跡(p9)
がある。ここで右に折れて踏み跡を進む。枯れ葉が堆積した踏み跡は、どす黒い大きな糞や、明らかに獣のものと思える足跡が散在している。
イノシシだろうか・・。

 踏み跡は八王子神社の本殿の裏手(p10)
まで延びたところで不明瞭になる。残置テープ(p11)があるが、ここから先は「薮コキ」になりそうだ。
あたりはヒノキ林で薄暗い。「薮コキ」せざるを得ないのであれば、周囲が明るく、現在位置も把握し易い尾根筋を歩く方がましだろうと考え、
引き返して前峰から南方向に延びる尾根に取りつく。


     
 p8 八王子神社の石垣沿いの道    p9 山側に延びる踏み跡     p10 八王子神社の裏手        p11 残置テープ
 

  明るい尾根筋の自然林のヤブ(p12)の中を一頻り進むと高度260mの平坦部(p13)に出る。尾根筋を外さないように北方向に進むと、残置テープ
(p14)があり、踏み跡が前峰方向に続いている。テープを追って踏み跡を辿ると、右手下から明瞭な踏み跡(p15)が上がってきており、辺りの木枝
には幼稚園児が描いたと思われる可愛らしい木製の表示板(p16)が幾つか掛けられている。ここで踏み跡が「やま」と書かれた矢印型表示板(p17)
が指す左手方向と「もみじぐみ」の表示板(p18)が掛けられた直進方向(尾根筋方向)の二手に分かれている。尾根筋方向を選択して直進するこ
とにする。

    
     p12 自然林のヤブ      p13 前峰の南側の小ピーク   p14 残置テープと踏み跡     p15 右手下からの踏み跡
 
   
    p16 可愛らしい表示板       p17 矢印型表示板      p18 「もみじぐみ」の表示板


 やがて踏み跡は不明瞭(p19)になる。右手の木枝の間から有馬富士(p20)、背中方向に三田市街を眺めながら尾根筋をさらに進むと役行者の祠
(p21)の前に出る。「北摂の山」に記述されているとおり、祠の東方向からしっかりした参道(p22)が上ってきている。この参道は祠の前を通っ
て北北東の方向に下っている。


     
        p19  ヤブ         p20  有馬富士         p21 役行者の祠         p22  参道


■ 前峰

 参道の入り口が何処なのかの探索は下山時に行うことにして、祠の裏側に回り、再び尾根筋を北上する。直ぐに平坦な前峰の山頂に到達する。
辺りは一面のヤブ(p23)であるが、木枝の間から北東方向に大船山や烏ヶ岳、北側には清水山の山頂(p24)が見える。山頂を目指して北方向に進む
と再び残置テープとしっかりした踏み跡(p24)が現れ、なだらかな尾根筋を気持ち良く歩いて距離を稼ぐ。

       
    p23  前峰の山頂付近のヤブ     p24 前峰山頂からの清水山      p25 清水山への踏み跡


■ 清水山頂

 上り勾配が厳しくなると再び踏み跡が不明瞭になる。木枝をかき分けながら進むと清水山の広くなだらかな山頂付近に到達する。ヤブの中の木
枝に巻かれたこの赤テープ(p26)の辺りが山頂と思われるが、表示板などは掛けられていない。雑木に隠れて眺望は、ほとんど無く。木枝の間に
僅かに開けた北西方向に東本庄から虚空蔵山方面(p27)が見える。

     
     p26 清水山の山頂付近      p27 山頂から北西方向を望む               


■ 参道の入り口探し 
 歩いて来たルートを役行者の祠(p28)の前まで戻り、「入り口」を見つけるため参道を南東方向に下る。参道(p29)は、しっかり造成されている
が枯れ葉が堆積して滑りやすい。まず左手参道脇に御柱が置かれており、さらに下ると今度は石組みの祠(p30)があり、右側に「平清盛大神」、
左側に「鎮西八郎為朝大神」と彫られた石柱が立てられている。保元の乱で敵味方に分かれて戦った二人を大神として祀っている・・・何とも不
可思議な祠だが、真新しい榊やペットボトルの水が供えられおり、日常的に参拝されているようだ。

 5分ほど下ると木組みの祠(p31)があり、東側方向には木枝の間から羽束山が見える。さらに下ると、赤子を抱いた柔和な表情をした石座像(p32)
の前に出る。この下が参道の入り口になるはずだが・・、その入り口(p33)は、何と「法導院」の住職さんの住宅の中庭だった。このまま降りる
わけにはいかない。西側(右手)に回って薮コキをして八王子神社の裏手に回り、最初に歩いた踏み跡(p10)を辿って八王子神社の前(南側)に
出る。結局、祠に到達できる立派な参道は存在するが、この参道には法導院の敷地(中庭)を通らなければ正規ルートでのアクセスができないと
いうことが分かった。

           
           p28  役行者の祠          p29  参道            p30 石組みの祠

           

           p31  木組みの祠          p32  座像           p33 参道の入り口


■ 行者山へ

 次の目標の行者山を目指す。八王子神社の東側の道路を法導院に向かって進む。法導院の前(p34)を抜け、さらに東側(p35)に進んで、北上する。
舗装道路は、背丈ほどもあるササが繁る作業道(p36)に変わるが、そのまま進むと、歩き易い作業道(p37)になる。左手道路脇の木枝にピンクとブ
ルーのリボン(p38a)が結ばれており、踏み跡(p38b)が左手の山側に続いている。ここが「北摂の山」で紹介されている役行者の祠への旧参道の入
り口らしい。


 右手にこれから登る行者山を眺めながら作業道を北上する。左手道路脇に遺棄されている1970年代製と思われるクリーム色のトヨタカローラ
(p39)の横を抜けてさらに進むと、作業道の右手に溜め池(p40)が現れる。ここは、行者山の山頂から北西に延びる尾根の端部に近い。ここで遅い
昼食とする。

               
     p34   法導院        p35 法導院前を抜ける道路    p36 ササで覆われた作業道      p37  作業道  

    
      p38a  赤いリボン       p38b 旧参道の入り口       p39 道端の遺棄車輌        p40  溜め池

 

■ 行者山頂

 溜め池の土手を東方向に進んで排水口(p41)のコンクリートを越えると、土手の脇の木枝にピンクのリボン(p42)が結ばれている。その後方にある
コナラの木幹(p43)の右側から山に突入する。


  木枝・木幹に巻かれた色テープ(p44)を追いながら東方向に踏み跡を進む。山頂が近づくにつれて踏み跡(p45)は一層明瞭になる。溜め池から10分
弱で、あっけなく四等三角点(p46)が埋まる行者山の山頂に到達する。


  山頂にはハイカーが残した三角点表示板(p47)が木枝に留められている。雑木に囲まれて眺望はほとんど無し。木枝の間から北東方向に烏ヶ岳、
大船山(p48)が、西側には清水山(p49)の山肌が見える。


    
     p41  排水口        p42 登山口のリボン        p43  登山口         p44  色テープ


    
      p45  踏み跡          p46  三角点        p47 三角点表示板     p48 大船山(右)と烏ヶ岳(左) 


< エピローグ >

 踏み跡探しが楽しい?・・自然林のヤブ山です。低山で、山深くもなく、現在位置を容易に把握できるので、ヤブコキの経験を積むのに適した
山かも知れません。


  行者山を下山後に、再度、八王子神社の裏手から参道にアクセスするルートを探っていると、怪しい奴と思われたのか?・・、法導院のファミ
リメンバーの一人と思われるお婆さんから「どこに行きなさる?」と声を掛けられました。これ幸いと、祠までのルートを訊ねてみると、役行者
の祠に至るあの立派な参道は法導院さんの私有地(私道)で、参道の保守も法導院さんが行っている由。(・・ということは清水山の地権者も法
導院さんなのでしょうか・・?) 一般のハイカーは、法導院の前から東側を抜けて北上する作業道を進んで、「北摂の山」で紹介されている役
行者の祠への「旧参道」の入り口(p38b)から山に入って欲しいとのお話でした。「それより、この山はイノシシが多いので気をつけて・・」と注
意喚起いただきました。



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