やはり無能だった菅政権(東北関東大震災)          2011.3.17   



 東北関東大震災発生から七日目、被災地への救援物資の輸送は燃料不足で滞り、食料・飲料・防寒具・暖房が決定的に不足した避難所の高齢被災者の中には次々に亡くなる人が出てきている。小さな避難所は未だ自治体の対策本部との通信もできない状態にあり、危機的状況にある避難所は、ファクシミリが使える場所まで人を送ってNHKなどの報道機関に助けを求めている。

  この六日間、震災復興の司令塔であるはずの政府から被災地への物流確保に関する方針や指示は全く伝えられていない。昨日になって、自治体の救援物資については、米軍と自衛隊が一括して合同で輸送する体勢ができたが、これは経団連の米倉会長が交渉に動いて実現したものだという。米倉会長は、燃料を積んだタンクローリーが事前に許可証を取得していないために高速道路を走行できない状態になっていることを痛烈に批判し、昨日の夕方になって警察庁が、ようやく高速道路の検問所で許可証を発行できるようにしたという。政府が本来やるべきことが全て民間まかせで、民間からの批判・苦情があって初めて政府が動く、完全に後手後手の状況になっている。被災者の受け入れなど日本全国の各自治体から個別の提案や申し出が次々に出ている一方で、政府による震災復興活動の全体方針は未だ出ていない。

政府は原発事故処理に忙殺されているというが、パフォーマンスが先行する素人集団の政府から有効な指示が出るはずは無く、事故の状況は悪化するばかりである。朝日新聞によれば、管首相の口からは「私は原子力に詳しいんだ」とあきれた言葉まで飛び出しているという。ドイツ政府は、日本政府の事故対応に不信感を持ち、被災地に入っていたドイツの救援チームを帰国させ、チェルノブイリの前科があるロシアからすら、「政府と東電が最初から海水注入の処置を決断していればこのような状況に至らずにすんだ。これは人災である」との評価が出ているという。昨日まで日本政府の対応を信じると発言していた米国も、原発から半径90km以内に立ち入らないよう米軍に指示を出した由。


  政府の緊急災害対策本部は地震発生以来11回の会議を開いたが、政府広報担当の枝野官房長官から具体的な対策が説明されたことは一度も無い。阪神大震災では、政府の対策本部の小沢潔国土庁長官が怠慢を理由に更迭されたが、この管政権では、各省庁の動きがバラバラで、責任の所在も明確でなく、更迭すべき人間すら決められないだろう。与野党が参加した震災対策合同会議が発足したが、細野首相補佐官も松本防災担当大臣も原発問題の処理を理由に20〜30分で退席してしまったという。対策会議を仕切らなければならないキーマンが、他の問題処理と掛け持ちで会議に出て来るなど、完全に狂っているとしか言いようが無い。

 
原発事故処理が重要であることは言うまでも無い。管首相が原発問題を統括するというのであれば、救援・復興活動を仕切る司令塔を早急に設けるべきであるが、政府には、その気配すら見えない。せっかく助かった命をこの無能の政権にあずけなければならない被災者は、まさに不運である。未曾有の天災の後に、こんな人災が待っていようとは思ってもいなかったはずである。無能だからといって、この政権が自ら降りるはずは無く、私たちもこの政権と運命を共にせざるを得ない・・。まさに天を仰ぐ心境である。

 




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