震災二ヶ月、無能政府に蹂躙され続ける被災地と日本(菅無能政権と東日本大震災)        

                                                                    2011.5.11
 
 



 東日本大震災発生から二ヶ月。建設が完了した仮設住宅は、阪神大震災時の僅か五分の一に過ぎず、未だに11万人もの被災者が劣悪な条件下の避難所での生活を強いられており、被災地の大部分は未だにガレキが覆っている。1400兆円を超える国民金融資産を保有する国家でも無能政府に指揮権を渡せばこのザマだ。建設用地や建築資材の入手が難しいとか、ガレキの処理場所が確保できないとか、うまくいかない言い訳ばかりが聞こえてくるが、原発事故処理と違って、仮設住宅建設もガレキ処理も力付くで何とでもなる案件だ。政府が本腰で取り組んでいないがゆえのこの体たらくである。「命を守りたい」、「国民の生活が第一」などと嘘八百を平気で並べ立てる一方で、被災者を思いやる気持ちなど更々無く、自らの政治生命の維持しか頭に無いこの無能政権の恐ろしさに国民もようやく気が付いたことだろう。


 国会を閉会するとは言語道断!

  菅首相は10日の記者会見で第二次補正予算案の提出時期を「白紙」と述べ、秋の臨時国会に先送りする動きを見せている。復興活動の推進や、震災後一気に沈滞した経済活動の再興のためにも対策に切れ目が生じることは絶対に避けなければならない。二次補正予算案の国会審議を先送りするなど断じて許されない。復興の財源はどうするか、4K問題にどう始末をつけるのか、新しいエネルギー政策は・・、国会で議論しなければならない問題は山積している。国会は常時開かれていて当然である。この無能政権の延命のために国会を会期どおりに閉じるなど言語道断である。


 パフォーマンスは好い加減にせよ!

 菅首相は6日、浜岡原発の全面停止を突然言い出した。5日に同原発を視察した海江田経産相は、5月半ばを目処に対策が十分かどうか判断すると述べていたが、その翌日に中部電力に停止を要請する唐突さだ。原発を止めたときの電力供給や経済活動への影響を吟味することもなく、閣議にも諮らず、当事者の中部電力にはもちろんのこと、国家戦略大臣の玄葉光一郎氏にも一言の相談も無かったという。本人は政治主導だと息巻いているらしいが・・。その上、停止の理由は単に浜岡が地震発生の確率が極めて高いからだとし、他の原発は止めなくて良いと言い出す始末。技術論的な根拠については全く語らない。これが東工大卒の理系宰相の政治手法かと思うと情けないが、パフォーマンスだけが優先し、それがもたらす結果に対する熟慮や当事者の心情を思いやる気持ちが微塵もないこの男にとっては、当然のプロセスなのだろう。諫早湾排水門訴訟で当事者の長崎県に一言の挨拶もなしに上告を見送ったときと全く同じやり方だ。日本人的な精神を大事にしたいと思う人間にとっては、全く我慢のならない男である。


 まるで漫画!

【校庭の土壌汚染】つい先日まで、土壌汚染された校庭の表土を除去する必要はないと主張していた文科省は、10日になって実験で証明できたからという理由で、深さ10cmまで表土を削って、その下部の20cmの土と入れ替えると放射線量を90%減らせるという処置案を福島県教育委員会に通知したという。校庭の表土から高い放射線量が観測されたとして福島県が表土の除去作業を始めたのは3週間も前のことである。県が勝手にやったことだからんと知らん振りを決め込んだものの市民団体などから糾弾され、今頃になって、それも当たり前の結論を示してくる。小役人たちの頭は、いかにして責任回避をするかで一杯なのである。

【一時帰宅】この暑さの中で通気性のない防護服と二重の手袋を着用させられ、僅か2時間に制限された滞在で、70cmのポリ袋に入るだけの荷物しか持ち帰ることができなかったという川内村住民の一時帰宅は、まさに漫画の世界であった。原子力安全委員会が4月25日に発表したSPEEDIによる3/12〜4/24の積算データでも川内村の放射線量の積算値は1ミリシーベルト以下であり、防護服を着用する必要など全くないことは明らかだった。案の定、帰着した被災者の被爆量は最大の人でも10マイクロシーベルトで、少ない人は僅か1マイクロシーベルトだった。表土からの放射線量が10マイクロシーベルトもある福島市の児童公園を立ち入り禁止の処置もとらずに放っておいた役人どもが、今度は汚染もされていない地域に入る被災者に対してこの仰々しさ、しかも被災者に「自己責任において帰宅する」旨の同意書へのサインまで求めたという。トップの薄情は、末端の小役人にも伝染するのだろう。



【東電と政府による一号機原子炉の穴隠し】
原子炉を水棺にするために注水を続けていた一号機の格納容器の水位があがらないと11日報道(5/12付読売新聞)されていたが、今日12日になって東電は、原子炉の圧力容器に穴が開いていて注入した水が格納容器に漏れ出していると発表した。(NHKニュース) ということは、圧力容器にも、そして格納容器にも穴があいており、原子炉に注入した水が格納容器の外部に漏れ出しているということだ。水漏れが無いことを確認して開始した水棺作業のはずだが・・、東電は蓄えた水量が増えて水圧が高くなったため漏水などの新たな事象が生じたという説明をするのだろう。しかし、原子炉に注水を続けても原子炉内の燃料棒が露出したままになっているという報道は、事故発生以来、長期に渡って繰り返されてきた。原子炉に穴が開いているのではないかという疑念は、素人の私でも感じていた。何故、今頃になって「穴が・・」と言い出すのだろうか? 私の推理はこうだ。先月17日に東電が発表した原子炉の安定化に向けての工程表は、1ケ月単位で見直すことになっている。どういう訳か、うまい具合に見直しの時期が迫っているのだ。東電としては、ここで最も健全性が高いと想定していた一号機について「原子炉の穴」を公表すれば、6〜9ケ月と大見得を切った工程表を大きく後ろ倒しできる。政府は国による東電支援策を取引材料にして東電を意のままに動かし、工程遅れを含めて全ての責任を東電に押し付けられる。国民を騙し続ける無能政府と東電のふしだらな関係が見えてくる。私には工程が月毎に後ろ倒しになり。最後には、チェルノブイリの二の舞の「石棺」案が出てくるような気がしてならないのだが・・。何せ、無能なトップの名代として、この原発問題を仕切っているのは、自らの下半身の燃料棒を制御することも出来ないあの男なのだから。




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