晩秋のパリ(高速郊外地下鉄線でヴェルサイユ宮殿へ、晩秋のパリの街歩き)                       
                                                                    2006.11.18/19
 
 


< イントロ >

 「10万円ポッキリ」のカナダ旅行で西欧旅行の楽しさを知ったN子は、次は欧州に行きたいらしい。10年ほど前に仕事で出張したことがあるフランスなら雰囲気も分かっているので・・、というおかしな理由で読売旅行の「世界遺産モン・サン・ミッシェルとパリ6日間」にエントリーする。紅葉が楽しめるベストシーズンから少しずれており、庶民価格で提供されているツアーである。パリからモン・サン・ミッシェル修道院(p1)にバスを使ってピストンした後、パリに2日間滞在する。このうち1日半がフリータイムで、ヴェルサイユ宮殿とフォンテーヌブロー城(p2)へのそれぞれ半日ツアーがオプションで選択できる。私たち(といってもN子と二人だけですが・・)は、ヴェルサイユ宮殿には自力で行くことにして、フォンテーヌブロー城へのオプショナルツアーだけを申し込む。残る半日は、パリの街歩きで楽しむことにした。さて、どんな展開になることやら・・。

   
 p1 モン・サン・ミッシェル修道院    p2 フォンテーヌブロー城    
 


< PER[高速郊外地下鉄線]でヴェルサイユ宮殿へ            >

◆ パリ市内観光

 滞在するホテルは、ロンシャン競馬場があるブローニュの森の南側にある地下鉄9号線 Port de St-Cloud駅から歩いて5分ほどのホテル・メルキュール(Mercure)。集合住宅が並ぶ閑静な一画で、辺りは治安も良いらしく、駅の近くにはコンビニ風の店舗もある。パリ2日目の団体での市街観光での収穫は、以前からの「何故、宗教画がやたらに多いのか?」という疑問にガイドさんが答えてくれたこと。いわく「昔は文盲率が著しく高かった。つまり庶民のほとんどが字を読めなかった。故に、神に対する信仰の尊さを教える手段として絵画が重要視された」とのこと。ルーブル(p3)を始めパリの美術館が宗教画で溢れている理由が何となく理解できた。一方、市街観光での損失は、ノートルダム寺院(p4)界隈でのN子による「メガネの紛失」です。団体行動中ですから、個人の過失によるアクシデントで、皆さんに迷惑を掛けるのは御法度なのですが・・、添乗員さん(蒼井優にそっくりの)が一緒に探してくれました。本当に感謝です。ご迷惑をお掛けしました。

  

 p3 ミロのヴィーナス像     p4 ノートルダム寺院

エスカルゴ
 午後からはフリータイム。昼食はサン・マルタン門(Porte St-Martin)近くのレストラン(le saulnier )でエスカルゴ(p5)。殻から取り出すための専用治具が用意されているが、うまく使えず、いつのまにか手づかみでホークを突っ込む野蛮な行動をとっていました。


    p4 エスカルゴ

 
◆ サン・ミッシェル・ノートルダム駅へ
 ここで解散。私たちはヴェルサイユ宮殿に行く計画で、一番近い「東駅(Gare de L
est)」まで歩き、地下鉄4号線でサン・ミッシェル(St-Michel)駅に出て、PER(高速郊外地下鉄)のサン・ミッシェル・ノートルダム(St-Michel Nort-Dame)駅からC5号線でヴェルサイユに向かう算段です。

 
 パリの地下鉄は10年前のビジネス出張時に何度か乗っているが、この東駅は、雰囲気が違う。ホームで電車を待つ人たちが何と全員、黒人である。過去に黒人のエンジニアと仕事をしたこともあり、偏見は持ち合わせていないつもりだが、過剰なまでに緊張している自分に気が付く。

 地下鉄でサン・ミッシェル駅へ向かう途上で、紛失したメガネが気になり、サン・ミッシェル駅の手前のノートルダム寺院の西側にあるシテ(Cite)駅で降りて、もう一度、メガネを探してみることにする。午前中の行動を思い出しながらメガネを落とす可能性のある数箇所のポイントで探してみるが、手掛かりは全く無し。諦めることにする。PERのノートルダム駅は、セーヌ河を隔てた対岸にあり、歩いても数分である。


◆ 切符の購入

今日の夕食は、パリ高島屋の近くの中華料理店で摂ることになっており、集合場所は、午前中にトイレ休憩を兼ねて立ち寄った高島屋の前である。もう一度、このノートルダム駅に戻ってきてから地下鉄に乗り換えて高島屋近くのオペラ(opera)駅まで行くことにして、駅の窓口で、出発前に自宅で準備した何枚かの手書きのメモのうち「Un aller-retour pour Versailles Rive Gauche, sil vous plait.(ヴェルサイユ・リヴ・ゴーシュ駅行きの往復切符をください)」を取り出す。窓口の下側に開いた僅かな隙間からメモとユーロ札を差し出し、担当者がこちらを見たタイミングで、N子と自分を指差しながらTwo!と言う。うまく通じたようだ。言葉の通じない国では、この方法での意思疎通が一番手っ取り早い。

 PERのC5号線は、C7号線と途中まで一緒なので、ホームにあるモニターの行き先表示を注意深く確認する。ここで何と、C7号線にもVersailles という単語を含む駅があることに気が付く。路線図を見ると、確かにVersailles Chantiersという駅がある。とにかく終点が、Versailles R.G. の列車に乗ることにして電車を待つ。

◆ ヴェルサイユ宮殿へ
 30〜40分ほどでヴェルサイユ駅に到着。ここまでは順調。ところが、ここから約1km、歩いて10〜15分のヴェルサイユ宮殿までの間で迷子になってしまったのです。理由は単純、ヴェルサイユ宮殿の近くには、私たちが下車した Versailles R.G.駅のほかに、もう一つ Versailles R.D.駅(ヴェルサイユ・リヴ・ドロワット駅)が800mほど北側にあったためです。ガイドブック(ワールドガイドフランス 07 版 JTBパブリッシング \1600 2006年11月1日発行)にあるヴェルサイユ宮殿周辺の地図(163p)で現在地を確認する際に、この二つの駅を取り違えた。つまり、Versailles R.D.駅を、私たちが下車したVersailles R.G.駅と誤認識してしまったのが原因。ガイドブックに不備は無く、完全に私の不注意と思い込みによるものでした。

 1時間近く彷徨したあげく、道すがらカマンベールチーズなんぞを買い込んでしまって・・。
ヴェルサイユ宮殿(p6)に到着したのは、3時半過ぎ。受付で、毎度のことですが、中国人と間違えられて? 英語版のオーディオガイドを渡されてしまう(日本語版のガイドも存在すると知ったのは翌日のことです)。早足で宮殿内と庭園を一回りすると、もう夕暮れ。集合場所の高島屋近くのオペラ駅に到着したときには、すでに真っ暗で、ライトアップされたオペラ座(p7)が幻想的でした。
 

   
p6 夕暮れ真近のヴェルサイユ宮殿   p7 ライトアップされたオペラ座

 ツアー仲間には、かなりの高齢の方もいらしたので、ここに全員集合するのは難しいのでは?といらぬ心配をしていたが、やはり添乗員さんは、大変な苦労をされていたようです。

夕食の中華料理を頂きながら本日の失敗談を披露すると、若い女性のチームが明日、ヴェルサイユにトライしてみると話していました。


< パリの街歩き >

◆ シャンゼリゼ通り から 凱旋門へ
 パリの3日目は、郊外にあるフォンテーヌブロー城へ。今年は暖かく、紅葉が遅れているためか、11月も半ばを過ぎているというのにバスの車窓からは素晴らしい秋色(p8)が楽しめる。フランス史について貧弱な知識しか持たない私たちにとっては、この城の由緒や経緯は皆目理解できず、唯、その荘厳さ、美しさに感嘆するばかり。パリに戻ると、高島屋の前で解散してフリータイムとなる。

 パリには何度も来ているというシニアのご夫婦の勧めもあって、まずオペラ座の内部を見物してから、定番のシャンゼリゼ通りのウォーキングを楽しむことにする。地下鉄1号線のルーズベルト駅で降りて、凱旋門に向かって歩き始める。途中、お腹がすいたので、通りに面したクイック・バーガーのお店に入って、コーラ、ポテト付きのフィッシュバーガーセット(6ユーロ)を注文して遅い昼食とする。両隣りのテーブルは、中国人らしい。10年前に来たときは、アジア系の旅行者は、日本人ばかりだったが・・。凱旋門(p9)のエレベータは修理中らしく、階段を徒歩で屋上に。晩秋のシャンゼリゼ(p10) にN子も大満足の様子。
    

    p8 バスの外は秋色         p9 凱旋門        p10 凱旋門上からのシャンゼリゼ


◆ セーヌ河畔
 ホテルの夕食まで、まだ時間があるのでセーヌ河クルーズの遊覧船に乗ることにして、ノートルダム寺院の対岸にあるバトービュスの乗船場に向かう。最終便の出航時間には、間に合ったが満席で乗船券を購入できず。この計画は頓挫。セーヌ河沿いの散策を楽しんでからホテルに戻ることにする。 


 夕食はホテルで。不思議なことにこのツアーは、旅程の半分がフリータイムなのに全夕食付きなのです。人見知り癖のある私にとって、初対面の皆さんと一つのテーブルで食事をするのは、苦痛が伴いますが・・、余程のグルメ人でない限り、このフランスでメニューを見ながら注文して、自分が期待した内容の料理を手に入れるのは至難の業ですから、短期旅行者にとって食事付きのツアーは有り難いものです。



< エピローグ >

 ヴェルサイユ行きにトライした若い女性二人のチームは、ホテルから一番近いPERのJavel駅に向かったのですが、Javel駅は駅員が居ない無人駅だったので、仰天したそうです。その後の顛末については聞いていませんが、楽しい一日になったことでしょう。

 景観維持のためにさまざまな制約を課しているパリは、それに相応しい美しさを保っていることを再認識したフリータイムでした。



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