テレビのリモコンの修理(押しボタンスイッチの不具合)
(シャープ AQUAS GA765WJSA)

2016.7.17   




<プロローグ>

 長梅雨のジメジメ陽気が続く最中に、購入して8年目を迎えるシャープ製テレビ(AQUOS 亀山モデル)のリモコン(GA765WJSA) [p1] が、ボタンスイッチを押しても反応せず、チャンネルの切り替えができなくなってしまった。特に数字ボタンの1、4、8、10 と選局 スイッチの片方(V側)、色ボタンの「赤」などの調子がすこぶる悪い。

    
     p1 リモコン
    (GA765WJSA)


 押しボタンスイッチのゴム製の押し込み部の先端に塗布しているカーボンと基板の配線パターンの間の電気的な接触不良によるものだろうと推定し、とりあえず分解してスイッチの接点部と基板をクリーニングすることにした。



<リモコンの分解>

 リモコンのケースの外回りを観察すると、ネジはリモコンの背面に配置されているバッテリー収容部の一箇所(p2)だけである。したがって、このリモコンは実質的にプラスチック製のケースに設けた「爪」だけで留められているようだ。

       
         p2 ネジの位置


 これは厄介なことになりそうだ・・。下手をすると分解しても、元どおりの状態に戻らないかも知れないし、機能的には回復しても外観は無残な状態になる可能性もありそうだ。

 とりあえず、ネットにあたってリモコンを新規に購入した場合の費用をチェックする。このリモコンはすでに製造が終了しており、同一品は中古品しか存在せず価格はアマゾンで約¥5,000、シャープ純正の新品の後継機であれば¥3,480である。また「純正」に拘らなければオーム電機などから送料込みで¥2,000程度で販売されているので、最悪(分解修理に失敗しても)ネットで購入すればよいとの判断で、分解に着手することにする。

 まずバッテリー収容部のネジを取り外して
(p3) から、ケースに設けた「爪」部を覆っている黒いプラスチック製の帯(p4)を除去します。この帯はケースの「爪」部が挿入される部分が□(四画)状に設けられた一体成形加工品なので、壊さなければ取り外しが不可能と判断して、ミニサイズのマイナスドライバーの先端を帯とケースの間に挿入して(p4)、バリバリと帯を壊しながら外していく。

          
       p3  ネジを外す         p4  プラスチック製の帯を外す 


 帯を取り外したら、ケースの「爪」部にマイナスドライバーの先端を挿入して(p5)、ケースの下半分を上半分から下方に引っ張るようにして「爪」部による嵌合を外していきます。(この作業は少々厄介です) このときドライバーの先端が基板にあたって基板に搭載された部品や配線パターンを傷つけないように注意する。

     
      p5  爪部の嵌合を外す


<クリーニング>

 「爪」部による嵌合をすべて外して、さらにケースの上半分を取ると、ゴム製の押しボタン部(p6)が現れる。茶褐色の綿埃(p7)が堆積して、かなり汚れているので、百円ショップのアルコール紙や綿棒などで汚れを除去する。

               
     p6 押しボタン部          p7  堆積した埃


 次に押しボタン部をめくりあげると、スイッチ基板の配線パターン(p8)が現れる。パターンの表面はカーボン粉で汚れているので、これもアルコール紙などで清掃します。

      
      p8 基板の配線パターン


 さらにボタン部裏側のカーボンを塗布した接点部の表面(p9)を観察すると、1、4、8などの使用頻度の高いボタンの接点部には、基板の配線パターン(p8)の形状に対応した線状の模様がくっきりと残っているので、これもクリーニングする。

      
       p9  接点部の表面



<接点部にアルミ箔を被せる>

 接点部のカーボンが、かなり落ちてしまっているようなので、裏側に粘着材が塗布されたアルミテープ(p10)の小片(p11)を作って使用頻度が高い接点部に貼り付ける(p12)

            
      p10  アルミテープ          p11 小片に切断       p12 接点部に貼り付ける



<再組み立て>

 押しボタン部とスイッチ基板を再度、組み合わせてからケースの上半分と下半分を嵌合する。マイナスドライバーの先端でうまく嵌まるように補助しながらケースの上半分から下方に押圧を加えて嵌合させる。帯を取り外した部分は、とりあえず粘着テープを貼っておきます(p13)。これで完了とします。

      
       p13 帯部に粘着テープを貼る



<機能チェック>

 接点部に貼ったアルミ箔の裏側の粘着材の影響か・・当初は接点の電気的接触が不安定ですが、時間を経るにつれて電気的安定度が増して、修理した翌日には新品同様の感触でスムーズにチャンネルの切り替えができるようになりました。当面はこのリモコンで問題なく対応できそうです。(修理時間は写真撮影時間を含めて1時間強、費用は手持ちの材料を使いましたのでゼロです)





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