最悪の事態 頑張って・・(東日本大震災)
                                                  2011.3.15



 今朝、福島第一原発二号機の原子炉格納容器の底部付近で爆発があり、圧力抑制室の圧力が下がっており、格納室に何らかの損傷が生じて冷却水が外部に漏出している可能性が取り沙汰される深刻な事態が生じている。一方、津波から生き延びた人々が収容されている多数の避難所では、食料、水、暖房具など命をつなぐのに必要な物資さえ決定的に不足しており、一部の避難所では、自治体の対策本部への通信の手段さえ失ったままだという。

 私は地震発生後、菅首相が国民向けにメッセージを発するテレビ画面を眺めながら、この人物が未曾有の国難に日本のリーダとして対処することなど到底できないだろうと感じる一方で、何とか土壇場で能力以上のものを発揮して欲しいと願いました。

 ところが、地震四日目の交通機関の大混乱と二転三転した計画停電による混乱の後になって、地震発生以降のリーダの無能ぶりが報道で明らかになってきました。原発事故では、情報伝達が最重要だというのに、読売新聞によると、一号機の爆発の後、菅首相は東電の技術者を官邸に呼びつけて説明させ、「これから記者会見なのに、これじゃ説明できないじゃないか!」と怒鳴りつけたという。首相は、予定した記者会見を延期し、結局、記者団の前に姿を現したのは爆発から5時間後だったという。政府関係者は「首相が東電の技術者を、ことあるごとに呼びつけてどなるので、現場対応の邪魔になっている」と嘆いている由。菅首相は、さらに避難所の視察まで希望したが、さすがにこれは枝野官房長官が止めたらしい。

 テレビ画面には、津波で九死に一生を得た南三陸町長が避難所で、「食料、水がありません」と涙ながらに訴える姿が大写しされている。放送記者がアクセスできる避難所に何故、救援物資を届けることができないのか、全く理解ができない。救援部隊全体の指揮をとっているのは一体誰なのか? 防災担当大臣なのか? 国交大臣なのか? それとも原発問題でパニックになっている菅首相なのか?

 菅首相は、今度は、東電に出向いて政府と東電が一体となった原発事故の対策本部を組織し、自らが総指揮をとるとまで宣言する。原発を潰すつもりで政府が当初から毅然とした対応をとっていれば、こんな状況に追い込まれるのは防げたとの報道もある。こんな最悪の状況下で、このリーダが指揮を執るという。何と言う不運。

この記事を打ち込んでいる最中に、今度は使用済み核燃料を内包した四号機に火災が生じており、三号機と四号機の間で400ミリシーベルトの極めて高い放射線量を計測したというニュースが流れる。テレビ解説者は、チェルノブイリの状況にまでは至っていないが、四つの原子炉が同時に問題を生じる世界的にも初めての極めて重大な状況であると説明する。最悪の事態。(M改)


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