古賀茂明を加えた「狂気の三点セット」    2015.1.27    



 二日続きの猛烈な寒波が漸く緩んだ20日、イスラム国に拘束された湯川遙菜さんとジャーナリストの後藤健二さんの画像が動画投稿サイトにアップされ、イスラム国が日本政府に対して身代金の支払いを要求する事件が勃発した。丁度、中東諸国を歴訪中の安倍首相がイスラム国対応の非軍事支援金2億ドルの拠出を表明した直後であり、安倍嫌いの一部の三文週刊誌や孫崎亨などの反日評論家が早速、「安倍外交がテロを誘発した」と世論を煽ったが、さすがに大手メディアは、日頃から徹底的に安倍政権を批判している朝日新聞や毎日新聞を含めて「テロに対抗するためには、日本が一枚岩になる必要がある」という最低限の常識を理解しているようで、今日27日に至るまで社説などでの直接の安倍批判は自粛している。民主党や共産党などの野党も、「徳永エリ」や「池内さおり」などの跳ね上がり女議員や「桜井充」などの幼稚園議員はいたものの、党としてイスラム国の非道を早々と非難し、日本政府への連帯の意思を示している。


 ところが、23日夜のテレビ朝日の「報道ステーション」にコメンテータとして登場した元通産官僚の古賀茂明氏の発言を聴いて仰天した。(古賀氏の発言内容はyoutubeで確認できます) 


 『安倍さんは・・わざわざ現地に行って「私はイスラム国を批判しますよ」・・「イスラム国と戦う周辺国に2億ドル出しますよ」なんていうまるで、いかにもイスラム国に宣戦布告するようなことを言ってしまった・・』と、イスラム国の卑劣さを非難することもせず、いきなり事件の原因は安倍首相にあると言い出すのだ。さらに「安倍さんは、・・イスラム国と戦っている有志連合の仲間に入れて欲しいと願っている」・・「日本というのは・・アメリカやイギリスと一緒なんだ・・そういうふうに(イスラム国に)思われてしまいつつある」と続け、あげくは「安倍さんはそういう印象を与えちゃったかもしれないけれども、違うんですよ」とイスラム国に弁解しようと言い出す。「私だったら、I am not Abeというプラカードを掲げて、日本人は違いますよ」とデモ行進をやるとまで言い切るのだ。この男(古賀茂明)が安倍嫌いであることは、よく知られたところだが、いつの間にかイスラム国のシンパに成り下がってしまったようだ。

 さらに驚くべきことに、それを聴いた古館キャスターが「有志連合が空爆をして、関係の無い女性、あるいは子どもが多く犠牲になっているが・・その数すら伝わってこない・・」とイスラム国の非道に怒るどころか、逆に有志連合の空爆を非難するのだ。そして、「それを伝える立場の後藤さんが、今人質になっていることをどう捉えるかということが大事なところだと思うんです」と訳の分からない言葉でこのテーマを締めくくってしまうのだ。


 極悪非道のイスラム国に対して世界が怒っているその瞬間に、当事国である日本のテレビ局のニュースキャスターとコメンテータが、毅然としてイスラム国と対峙しようとする日本政府の首脳を愚弄し、あげくはイスラム国に対して奇妙な連帯の感情まで示すのだから呆れてしまう。これでは、イスラム国を批判する国々を混乱に陥れようと企むイスラム国の罠にまんまと嵌まるだけだ。古賀茂明は、官僚だった当時と同じく「自爆テロ」で周囲を混乱させるしか能が無いようだ。


 私はかって民主党の仙石や枝野に楯突く通産官僚の古賀茂明を小気味良い男と評価していた時期があった。しかしこの男が大阪市の顧問になり、原発問題や東電問題に関して発言し始めた頃から、この男を過大評価していた自分の愚かさに気がつき、この人物に対する興味は失せた。


 27日、近くのイオンモールに買い物に出かけ、食材を買い込むN子を待つ合間に、いつものように喜久屋書店の店内を徘徊していると、この男の近著である「国家の暴走 安倍政権の世論操作術」(角川書店)が目にとまった。この本は、安倍晋三は、日本を戦争をする国に変えようと企む極悪人であると定義して、安倍政権の政策を徹底的に批判し、安倍首相に同調して右傾化する若者たちを覚醒させようと意図しているようだ。ところが、現実路線をとる安倍政権の政策を真っ向から批判しようとするが故か、この男の論理は、荒唐無稽な領域にまで飛躍してしまうのだ。パラパラと本をめくっていくと、「特定機密保護法で勝手気ままに戦争が決められる」、「産業構造の変化で日本は『戦争なしでは経済がもたない国』になる」、「基本的人権の制限で国家総動員体制が復活」、「徴兵制導入で『赤メール』が届く日」、「核武装で総仕上げ、列強の仲間入り」・・と、およそ東大出の元高級官僚が書いたものとは思えない知性の欠片も感じられない衝撃的な言葉が次々に目に入るのだ。まるで狂人の夢想のようだ。「これは凄いぞ」と思わず声が出てしまう。いったん帰宅してから、近所のスーパーの専門店街にある小さな書店に繰り出して、再び立ち読みを続ける。


 この男は、驚くべきことに、政府の「産めよ増やせよ」の少子化対策は、自衛官のリクルートを円滑に進めるためだと解説するのだ。そして、少子化で兵士の数が足りなくなれば政府は徴兵制を導入するとまで言い切る。その論理構成は吐き気を催すほど低俗だ。安倍政権の施策をわざわざ「13」個に集約し、「戦争をするための13本の矢」と名付けて「13」だから不吉だとこじつける。「13」が呪われているのだったら、「13日の金曜日」に生まれた私は立つ瀬がない。この男はさらに宣う。「紛争の抑止力となるのは軍事力ではなく国際世論だ」、「日本の領土だと国際社会が疑いもなく認めているところを、他国がいきなり攻め取ることなど今の時代にはあり得ない。そんなことは国際社会が絶対に認めない。国連軍に『取り返してくれ』と要請するまでもない」と、今や泡沫政党になり下がった社会民主党が一昔前に呪文のように唱えていた文言を繰り返すのだ。さらに実質的に中国の手中に完全に墜ちてしまった南シナ海の状況を知っていながら「中国は軍隊を出して相手を攻撃することはなく、国際的に非難の砲火を浴びないぎりぎりの歯止めは掛けている」と、とんでもない中国擁護の論陣を張るのだ。こんな支離滅裂で幼稚な論理構成に騙されるほど今時の若者は愚鈍ではないだろう。


 私の元通産官僚としての古賀茂明くんの評価は、ネット上のこの一文 
http://kashino.tumblr.com/post/33137549448と同じです。こんな破廉恥な男が通産官僚として日本を動かしていたのかと思うと、今更ながら背筋が寒くなります。茂明くんは「安倍憎し」が昂じて、今や福島瑞穂、辻元清美と並ぶ反日の大夢想家に変身してしまったようです。「国家の暴走」で、彼は「日本版NSC」、「特定秘密保護法」、「集団的自衛権」を「恐怖の三点セット」と名付けて、いまだに自身のツイッターでその拡散を企ているようですが、私にとっては、福島瑞穂、辻元清美、そして古賀茂明の「狂気の三点セット」の方がはるかに恐ろしく感じられますよ。ウギャ。



 < 狂気の三点セット >

                      
           瑞穂            清美           茂明




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