粟鹿山(962.3m)   所在地:兵庫県朝来市/丹波市   地形図:1/25000 矢名瀬    ルートMAP 



< イントロ >


 来月、朝来市近辺の「兵庫50山」の幾つかを歩く計画なので、事前調査を兼ねて播州の山並みまで見渡せるという丹但国境にある一等三角点の山「粟鹿山」(p1)に登ることにする。ゴールデンウィーク初日で交通混雑が予想されるが、明日から天候は下り坂の予報が出ているので今日出掛けることにする。今日は善次郎が大好きだった昭和天皇の誕生日。何かご加護があるかも知れない。

  
   p1 粟鹿神社前からの粟鹿山


日時:2011年4月29日(金)[祝日:昭和の日]   天候:曇り → 晴れ

コース:朝来市 山東  →  登山口  →  水場   →    林道       展望台   →   山頂    駐車場

        農村広場駐車場   11:05     11:50   11:55/12:05    12:30/12:35  13:15/15:00  16:35
    10:45

    
 

< アクセス >

■ 登山口近くの当勝神社へ

舞鶴・若狭自動車道を北上し、春日から北近畿豊岡自動車道に入り、遠坂トンネルを抜けて山東ICで降りる。降り口で左折して北近畿自動車道の南側の国道275号に出て西へ向かって直ぐ、道路左手の粟鹿神社を見て左折する。前方に無線塔のある粟鹿山の山頂(p1)が見える。粟鹿神社の前を通り「西宮市立山東少年自然の家」の道標に従って南下する。当勝神社(赤い鳥居あり)の西側にある「山東農村広場」の野球場の脇に立派な駐車場(p2)がある。ガイドブック(注)によると登山口にも駐車場があるようだが、様子が皆目分からないので、車はここに停めることにする。この駐車場には清潔な水洗トイレと飲料の自販機も設置されている。
(注)ふるさと兵庫50山(兵庫県山岳連盟)

■ 登山口へ

当勝神社の東側に回り「西宮市立山東少年自然の家」に向かう。道路わきには鮮やかなピンク色の八重桜が咲き誇る。宿泊している児童の賑やかな声が聞こえる「少年自然の家」の横(西隣)を抜けて勾配のある舗装道路を登山口に向かう。「少年自然の家」の裏手(南端)から道路は「林道滝の口線」と呼ぶ舗装された立派な林道に変わり、「雌滝、雄滝」の道標に従って進む。林道は普通車2台がすれ違える幅長がある。獣避けの門扉(p3)があり、通り抜けて閉める。道路左側に「さんとうビレッジライフ」のログハウスやキャンプ場が見える。農村広場の駐車場から20分ほどで粟鹿川の清流にかかる橋を渡り登山口に到着する。登山口の手前の道路脇(p4)には駐車スペースが4区画分整備されている。6〜7台は駐車できそうだ。連休のはずの今日だが、車は1台も停められていない。駐車場横のログハウス風のトイレには「使用禁止」の表示があり閉鎖されている。

          
 p2 山東農村広場の駐車場       p3 林道と猪鹿避けの門扉   p4 登山口付近(右手建屋奥が登山口、
                                     左道路脇などに駐車場がある)                                    


< ゴーインングアップ >


■ ヒノキ樹林帯を水場へ

トイレ横の道路脇に粟鹿山頂への道標(p5)があり、ここから山に入る。道標の横に山崩れが頻発している「与布土奥山林道」が立入禁止である旨の表示板が置かれている。ヒノキ樹林帯の中の登山道を進む。湿度が高く直ぐに汗が噴き出す。空は今にも降り出しそうな雲行きだが、風が涼しく汗ばんだ体に心地よい。道は良く踏まれており、落葉が堆積して地面が見えないところでも、木幹や木枝に黄色や赤のテープが巻かれていて(p6)不安は無い。西側が開け、辺りは暫し自然林に変わる。獣避けのゲートを抜けて15分ほど歩くと前方に砂防ダムのコンクリートが現れ、ダムの伏流水が流れ出た水場(p7)がある。汗で濡れた額に冷水が心地よい。

    
  
   p5 登山口の道標       p6 登山道(木幹にテープあり)      p7 堰堤と水場

■ 展望台へ

さらに勾配のきつい登山道を5分ほど登ると工事中の林道(p8)に出る。厚い雲が何時の間にか消え去り、陽が差してくる。林道を横切り反対側の道路沿いに設けられた階段道を上がる。再びヒノキ林の中を進む。登山道は、そこかしこでV字型(p9)に深く掘り込まれているが、堆積した落葉が絨毯のように作用して歩きにくさを軽減してくれる。やがて登山道の左側が自然林に変わり空が明るくなる。左手登山道脇に白い花弁を残したヤマザクラの大木がある。林道から20分ほどでNTT管理道に出る。ガードレールに「展望台」の表示板が取り付けられており、東側にコンクリート造りの展望台(p9)があり、北東方向の展望が開けている。表示板には「ながめがいいぞ!」と書かれているが、木枝が伸び過ぎて眺望はイマイチ。

    
   p8 工事中の林道        p9 V字型に掘れた登山道         p10 展望台 


■ NTT道路を山頂へ

初夏を思わせる陽射しの中、NTT道路を山頂に向かう。単調な登りで飽きてくるが、丹波、福知山方面の眺望に救われる。山頂に電波塔がある岩屋山(p11)が左手に見え、パラグライダーが陽光にキラキラと光る。展望台からノンビリ歩いて35分ほどで山頂下に設けられているトイレ建屋に到着。山頂(p12)までもう一息。

     
       p11 岩屋山         p12 山頂に向かうNTT管理道路


< トップ >

 
粟鹿山頂は、既設の電波塔の建屋とその東側に新たに建設中の建屋に挟まれた小高い場所にある。一等三角点(p13)と山頂表示のほか、登山グループが残したと思われる登頂記念の石が沢山並べられている。北側は木立が伐採されて素晴らしい眺望が開け、山東地区から和田山方面が一望できる(p14)。南側は木枝や電波塔に引き込まれた送電線が視界を一部遮る。コンパスを出すとアンテナからの電磁波の影響か? 磁針が異様な動きをみせているので、山頂直下の道路わきの草の上で昼食とする。ここからは南方向にも素晴らしい展望が開けて播州方面の山並みが遠望できる。突然、人の気配がして振り返ると、マウンテンバイクに乗った中年男性が上がってくる。「竜野から130km走って来た」と元気な声。凄い人がいる。
       
   p13 山頂表示と一等等三角点    p14 朝来市山東地区(旧 山東町)方面


  草の上に5万分の一の地形図を広げて、目に入る山の同定作業を楽しむ。西側には朝来山(p15)その後方に薄っすらと須留ケ峰。南西方向の眼下には、山頂付近に反射板がある青倉山(p16)、後方には笠杉山から段ケ峰の稜線が望める。残念ながら黒川や多々良木のダム湖は見えない。南方向には三国ケ岳や千ケ峰(p17)、その右側後方には笠形山(p18)が確認できる。トイレ建屋横の電波塔の下からは、南東から東方向を眺望できる。白く光る福知山市街の右手の五台山(p19)や鷹取山は、ここから眺めると美しいピラミッド型である。気が付くと、何時の間にか15:00になっており、下山することにする。

      
p15 朝来山(手前)と須留ケ峰(後方)  p16 青倉山(中央)と段ケ峰方面(後方) p17 千ケ峰(右)と三国ケ岳(左前)

   
   p18 笠形山(中央)      p19 五台山(左)から五大山(右)への稜線 


<ゴーイングダウン>


  山頂からNTT道路を下る途中で、単独行のシニアのハイカーとすれ違う。結局、山中で遭遇したのは、自転車お父さんとこのハイカーの二人だけだった。


<エピローグ>

 粟鹿山は稜線付近まで植林帯で、さらに舗装されたNTT管理道路を山頂まで2kmも歩く単調さのためか、それとも山頂に林立するアンテナのためか、ネット上では評判があまり良くないようです。しかし、三田市中心部から高速道路を使って1時間ほどで到達できるアクセスの容易さに加えて山頂付近からの眺望の素晴らしさは、この欠点を相殺して余りあると感じました。連休中でもハイカーが極めて少ないことも私にとっては大きな魅力です。

 帰途、遠坂トンネルでの事故で春日に向かう北近畿豊岡自動車道は大渋滞でしたが、料金所の係員さんが料金ゲート横の道路を開放して遠坂峠越えのルートに車を誘導してくれたおかげで、無事に帰宅できました。これも「昭和の日」のご加護でしょうか?
 



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