羽束三山[羽束山(524m)  宰相ケ岳(500.5m) 甚五郎山(413m)

所在地:兵庫県三田市      地形図:1/25000 木津、武田尾        ルートMAP               
 



<イントロ>


 昨日(10/26)、オホーツク海に移動した三つの低気圧が大陸に陣取った高気圧と呼応して日本列島にこの秋初めて本格的な冬型の気圧配置をもたらし、木枯らし1号が吹いた。一昨日に比べて気温が10℃近く下がった今朝は、小雨がパラつき六甲山にも雲がかかっているが、久しぶりに見通しは良い。予報では昼近くには日差しもあるということなので、急遽、自宅近くから毎日のように眺めている羽束三山[羽束山、宰相ケ岳(地元では「さんしょう山」と呼ぶ)、甚五郎山](p1)に登ってみることにする。羽束山は、三田市域では虚空蔵山と並んで御来光登山で人気の山である。20年以上前に子どもたちと一緒に登ったことがあるが、展望岩の存在に気が付かず展望の楽しみを味わうことなく下山した失敗経験がある。インターネットに山歩き愛好家の皆さんが提供されている羽束三山の山行情報をザット眺めて、前回と同じく香下寺から山に入ることにする。  

 
時 : 2010年10月27日(水)     天候 : 曇り、時々晴れ

コース :三田市香下

     香下寺  →  六丁峠  →  甚五郎山頂  →  羽束山展望岩/観音堂  →  宰相ケ岳山頂  →  香下寺

    11:10      11:25     11:31/11:35       11:50/12:40          13:10/13:25       13:55



<アクセス>

 国道176号線の三輪交差点から県道37号に入り、城山公園、三田中央病院の前を抜けて有馬富士公園口の交差点で右折し、県道68号(川西三田線)を東に進む。三田市のリサイクルセンターへの入り口を過ぎて、暫く進むと左手に「羽束山」「香下寺」の表示があり、左折する。舗装された細い道を北上し、終点の香下寺の駐車場(p2)に車を停めさせていただく。

    
p1 自宅近くの公園横からの羽束三山    p2 香下寺の駐車スペース
  左から宰相ケ岳、羽束山、甚五郎山
   


<ゴーイングアップ/トップ 甚五郎山>


 香下寺の正面にエンジンをかけたままの車が置かれており、中年のご夫婦が車から出てこられたので、てっきりお寺のご家族と思い「ここに駐車させてもらっていいですか・・」と声をかけると、「どうぞ、どうぞ」との答え。「私らはいつもそこに停めて登ってるんです」 どうもこの近所の方らしく、脳梗塞の後遺症のある奥さんのリハビリのために、以前からよく歩いていたこの羽束山にいらした由。ひとしきり脳梗塞のリハビリ談義を交わしてから出発する。

 羽束山の登山口は、香下寺の東側の道路脇で「羽束山登山口」の矢印表示があり、お寺の心遣いか沢山の杖が置かれている(p3)。植樹された杉林の中の歴史を感じさせる幅広のしっかりした道を歩く。下では北風が強かったが、ここはほとんど無風である。15分ほどで、木枝に六丁峠の表示(p4)があるお地蔵さんの前に出る。

 右手後方に分岐する道があり、甚五郎山への登山道と分かる。何度か倒れ木の下をくぐりながら5分ほど歩くと、やや太い二本のコナラに挟まれ、岩が置かれた10平米ほどの広さの山頂(p5)に出る。登山したグループが架けたらしい「甚五郎山」の表示板が木枝に揺れている。眺望はほとんど無い。

 六丁峠から羽束山登山道へ戻る。樹齢が優に200年を超えると思われる松や杉の大木がそこかしこに立ち並ぶ厳かな雰囲気の道を進むと山頂が近い。

        
   p3 羽束山登山口          p4 六丁峠の道標          p5 甚五郎山頂

    
<トップ 羽束山>

 観音堂がある山頂広場の手前の左手に「羽束神社展望台」の表示がある。南北に長い広場の先に南側がオープンになった岩場があり展望の解説板が置かれている(p6)。展望台には誰もいない。天気予報どおり陽が差してきて、南側から北西方向に雄大な展望が開ける。南側は有馬富士ゴルフ場から三田市街、その後方の団地群、六甲山系、丹生山系、雄岡に雌岡、その後方には淡路島が微かに見える(p7)。西側には有馬富士、城ケ岡、金毘羅山、加茂山(p8)。北西方向には、千丈寺山、その左手後方に白髪岳と松尾山(p9)。遠くに虚空蔵山、西光寺山、西寺山、とんがり山。そして西光寺山の左手後方には笠形山(p10)がうっすらと顔を出している。

 空気が澄んで淡路まで遠望できたことに満足して昼飯とする。(このとき羽束山が三田市域では虚空蔵山と並んで御来光登山で人気の山であることを完全に失念していて、展望岩を左手を進むと東側の展望が開けることに全く気が付かなかった。またしても大失敗)


       
   p6 羽束山展望台            p7 丹生山系(左)、雄岡/雌岡(中央) p8 有馬富士、城ケ岡、金毘羅山、
                                     加茂山 (中央右側)
    
p9 千丈寺山(中央右)と白髪岳/   p10 笠形山(中央後方にうっすら)
  松尾山(中央後方)


<ゴーイングダウン 羽束山>


 羽束山頂の観音堂(p11)を正面にして左手に「木器バス停」と表示がある小さな道標があり、その支柱部分に「宰相ケ岳」の表示がある。念のため観音堂の裏側に道らしきものが無いことを確認してから道標に従って進む。良く踏まれたしっかりした道を「宰相ケ岳」と「羽束山」の間の鞍部に向かって一気に下る。途中、岩場もあるが年季の入ったロープが助けてくれる。前方の木立の間に姿を現した宰相ケ岳がどんどん近づいてくる。

  
  p11 羽束山頂の観音堂


<ゴーイングアップ 宰相ケ岳>

 鞍部には、登山道が十字に交差した分岐があるが、「宰相ケ岳から香下寺P」と表示された板が一枚、宰相ケ岳側の登山道の木枝に掛けられているだけで他に道標は無い。右手方向に下りると「木器(こうずき)」、左手方向の沢筋をたどると「香下寺」と判断できる。宰相ケ岳への登山道は、雑木林の中の比較的良く踏まれた道をひとしきり登ったあと、人ひとりがやっと抜けられる踏み跡を辿る尾根筋のだらだら歩きになるが、そこかしこの木枝にテープが巻かれていて迷うことは無い。道は山頂近くで急登になる。


<トップ 宰相ケ岳>

 羽束山の観音堂から30分ほどで宰相ケ岳の山頂に到達する。山頂は雑木に囲まれた十数平米ほどの空間で三等三角点とその表示柱がある(p12)。雑木に阻まれて眺望はないが、香下寺への降り口の表示に従って進むと西側の有馬富士方向の展望が開ける。木枝の間から白髪岳(p13)と松尾山が遠望できる。

       
p12 宰相ケ岳山頂、三角点       p13 木立の間からの白髪岳と松尾山
   (手前)と表示柱


<ゴーイングダウン 宰相ケ岳>

 宰相ケ岳山頂から香下寺へは、登ってきた道を鞍部まで引き返して沢筋を下る1/25000の地形図に記載されているルートと、山頂から南方向に延びる尾根筋を下るルートがある。明るく展望もありそうな尾根筋を下ることにする。木枝に巻かれたテープに誘導されながら進むと左側に岩場があり、薮を払いながら顔を出すと南側の眺望が開けている。下山ルートは途中で左手方向の木枝に「赤テープ」、右手方向に「青/白テープ」が巻かれて、テープが誘導する方向が分岐する箇所がある。どちらのルートを選択すべきか迷うが、テープに小さな文字が書かれており「赤テープ」は「尾根コース」、「青テープ」は「急坂コース」と読める。赤の「尾根」を選択して進む。左手方向に羽束山の山容が現れる。赤テープを辿って尾根筋を外さないように進んで行くと、香下寺の上側にある溜め池の横を通る農道に飛び出した。眼下に香下寺の墓地と駐車場が見える(p14)。溜め池の横を抜けて香下寺へ下りる。


p14 農道から見た香下寺の墓地


<エピローグ>

 駐車場に戻ると車が2台増えていた。隣りの車ではザックを助手席に置いて中年のハイカーが弁当を食べている。羽束山はウィークデイの午後でも入山する登山者がいる人気のある山のようです。



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