日名倉山[1047.4m] 所在地:兵庫県宍粟市/佐用町  地形図:1/25000 千草   ルートMAP 



< イントロ >


  先週末(10/7)に雪彦山の鉾立山から岡山県との県境付近に位置する山々を眺めたが、山容や位置関係が今一つ頭に入らないので、兵庫県宍粟市と岡山県美作市の市境にある一等三角点の山、日名倉山(p1)に登ってみることにする。ガイドブック(注1)で紹介されている温泉施設「エーガイヤちくさ」に車を置いて、日名倉神社から山に入ってピストンすることにする。 (注1)兵庫県の山(山と渓谷社)


 日時:2011年10月12日(木)    天候:晴れ

 コース: エーガイヤちくさ → 日名倉神社 → 林道終点 → 奥海越  →  山頂   → エーガイヤちくさ

      駐車場                                   駐車場

         10:35      10:55     11:45    12:25    13:25/14:15      16:05



< アクセス >

 西宮北ICから中国自動車道を西進する。段ヶ峰を歩いた一昨日(10/10)と同様に晴れてはいるものの見通しは良くない。山崎ICで降りて、県道53号を西に走り、佐用町の下三河から県道72号に入って千種川沿いに北上する。宍粟市千種町西山の室橋東詰で左折し、国道429号に入り、千種川を渡って道路左手の千種川側にある公営の温泉施設「エーガイヤちくさ」の駐車場(p2)に車を停める。「エーガイヤちくさ」は昼近くまでは高齢者のデイ・サービスに使われているようで一般客の入場は出来ないが、南側に併設されているゲート・ボール場のトイレ(水洗の清潔なトイレです)が使用できる。「エーガイヤちくさ」の西側には笛石山から後山への稜線(p3)が鮮やかに見える。

          
  p1 千種町河呂からの日名倉山    p2 「エーガイヤちくさ」の駐車場  p3「エーガイヤちくさ」西側からの後山                                 

< ゴーイングアップ >

■ 日名倉神社へ

国道429号沿いにいったん南に下ってからU字型に北方向に向かって歩く。「エーガイヤちくさ」から10分ほど歩いた左手道路脇に、木板に「日名倉山登山道 ←日名倉神社」と書いた道標(p4)がある。ここで国道429号から分かれて、左手の舗装道路の坂道を道標の矢印方向に登る。民家の間を抜けて、開けたエリアに出ると右手に日名倉神社(p5)の鳥居が見える。神社の脇には日名倉山頂まで4,610mと表示した石柱(p6a)が置かれている。石柱の奥にはトイレも設置されている。神社に参拝して道中の無事をお願いする。

                
       p3 日名倉神社への道標        p5  日名倉神社         p6a 日名倉神社の道標


■ 林道歩き
 神社にの左側を延びる林道(舗装道路)を進むと、「日名倉神社登山口」と表示した道標(p6b)がある。ここから西方向に延びる林道(p7)を進む。植林帯に入ったところに獣避けゲート(p8)がある。ここを通過すると植林帯の中の長い林道歩きが始まる。

       
     p6b  登山口の道標        p7  舗装された林道         p8  獣避けゲート


  
林道(p9)は沢筋の植林帯を抜けて西に延びている。道幅は狭く、林道脇の待避スペースも少ない。その上コンクリート舗装されていない区間もあり路面状態はかなり悪い。駐車が可能と思われるスペースがいくつかあるが、さすがに駐車車両は無い。

日名倉神社から40分ほど歩く。「山頂まで2,800m」の表示板(p10)を過ぎると林道終点に到着し、ここから山道(p11)に入る。

         
   p9  植林帯を通る林道          p10  道標         p11 林道終点からの登山道



■ 奥海越へ
 沢筋の登山道は、スギの植林帯を通り、さらに沢に出てゴロゴロ石(p12)の上を歩く。木幹や木枝に赤ペンキ(p13)や赤テープの目印があるので不安は感じない。拾った木枝でクモの巣を払いながら進む。どうやらこの山も私が今日初めての登山者のようだ。沢がどんどん狭くなり、シダが群生した一画(p14)を抜ける。沢が消えたところで、千種町から上がってきた林道(p15)に出る。北側が開けて三室山(p16)の山頂が見える。

       
   p12 ゴロゴロ岩が転がる登山道     p13  木幹の赤ペンキ      p14 シダが群生する登山道

     
    p15 奥海越へ向かう林道     p16 北側に見える三室山(右後方)


 ここからは日名倉山への道標(p17)に従って林道(p15)を南に進む。一頻り歩くと道標が複数設置されたポイントがあり、「日名倉山登山口」の道標(p18a)もある。道標(p18b)が日名倉山を示す方向(北方向)は、植林帯の急登であるので、地形図から、ここが国土地理院の地形図やガイドブックに記されている「奥海越」であることが分かるが、不思議なことに、このポイントに設置されている道標には、ここが「奥海越」であることを示す表示が全く存在しない。山頂までは、まだ1,500mあるようだ(p19)

       

  p17 林道出合の日名倉山への道標   p18a 奥海越の登山口を示す道標  p18b 奥海越の日名倉山への道標

  
   p19 山頂まで 1,500mの道標 
  

■ 山頂へ
 薄暗い植林帯を抜ける尾根筋の道(p20)(p21)をひたすら登ると、「ようやく」という感じで、自然林に囲まれた稜線道(p22)に出る。

       

    p20 植林帯を抜ける登山道           p21   植林帯の急登       p22 自然林に囲まれた登山道
 

南北が開けているはずだが、背丈以上に伸びたススキ(p23)や灌木に阻まれて展望はきかない。ススキとシダが群生する一画に「一ノ丸」の石柱(p24)があり、ススキの穂の向こう側に「二ノ丸」のトップが見える(p25)


       
  p23 ススキとシダが群生する登山道      p24   一ノ丸の石柱         p25  二ノ丸の山頂


少し下って、上り返すとススキの原の中に「二ノ丸」の石柱(p27)がある。ススキなどに隠れて展望は無い。少し進むと西側に山頂(三ノ丸)(p28)が見えてくる。再び下って、上り返す。一息いれながら振り返ると東方向に笠形山(p29)がうっすらと見える。

       

  p27 ススキに囲まれた二ノ丸の石柱   p28 日名倉山頂(三ノ丸)     p29 笠形山(最後方にうっすら)


< トップ >
      

 山頂広場(p30)には、小さな祠、一等三角点(p31)、山頂表示(p32)のほかベンチも設置されている。さらに驚くべきことに山頂には岡山県と表示された石柱(p33)まで置かれている。県境に位置する山であることを再認識する。山頂には誰もいないと確信していたが、何故かシニアのハイカーが二人先着していてベンチで昼食を摂っている。

       
       p30 山頂広場          p31  一等三角点         p32  山頂表示
 
  
    p33 岡山県と記された石柱
 


 見通しは午後になっても相変わらず良くないが、北側には、後山と船木山の稜線(p34)、その右手後方(北東方向)に三室山(p35)、さらに稜線を右に辿ると植松山(p36)が見える(p37)

               
    p34 後山(中央)と船木山(左)    p35  三室山(後方中央)       p36  植松山(中央左)
  
        
               p37  日名倉山頂から北方から東方向を望む          


 三室山と後山を間近に見ることができたことに満足して昼食とする。むすび飯を頬張っていると、先着していたハイカーから「兵庫県からですか?」、「あっち側から上がるのはきついでしょ・・」、「3時間かかるかな?」と声を掛けられる。「私らは岡山県ですよ。こっちの方が楽ですよ」と言う。このとき初めて、岡山県側から上がるルートがあったことに気がつく。ガイドブック(注1)にも確かに書いてあったことを思い出す。さらにご夫婦と思える年輩のお二人が現れる。「あれが後山ですよね」、「さっき登ってきたところで・・」とのお話。このお二人、ザックどころかペットボトルの類いさえ持っていない。携行品はカメラだけのようで、後山をバックに記念撮影。当然にシャッター係を仰せつかってしまう。
(注1)兵庫県の山(山と渓谷社)


 このご夫婦、大荷物を背負って出発する私を見て、「兵庫県側から上がってきた・・? そりゃ大変じゃ・・」とご夫婦で顔を見合わせている。岡山県側のベルピール自然公園に車を停めれば、20分ほどで山頂に到達できることを知ったのは、帰宅後のことでした。

 帰路、千種川沿いを車で北上しながら日名倉山の写真が撮れるポイントを探す。千種町河呂集落で一ノ丸、二ノ丸、山頂(三ノ丸)の各々のピークが並んだ日名倉山の山容を眺められるポイントを見つけて写真に収める(p1)  


< エピローグ >

 
 植林帯の中の長い林道歩き、ゴロゴロ石の沢道、薄暗いスギの植林帯を抜ける急登、ススキなどの草木で視界を阻まれる稜線道・・・等々、このコースは気持ちの良い山歩きは、ほとんど望めません。試練の道中の結果、「山頂の独り占め」ができるならまだしも、山頂には岡山県側のベルピール自然公園から遊歩道をルンルン気分で上がってきた皆さんが待っています。山行訓練で登るのなら話は別ですが、山頂からの眺望が楽しみの登山であれば、岡山県側から登ることを強くお薦めします。



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