ダイヤモンドトレールを歩く #1  
( 平石峠→ 岩橋山[659m]→ 大和葛城山[959m]→ 水越峠 )
     ルートMAP



   日時:2019年 5月11日(土) 9:25 〜 14:15     天候:晴れ

   ルート: 平石バス停 →   平石峠   → 岩橋山 → 岩橋峠 → 持尾辻
          9:25    10:00/10:10  10:55   11:00   11:35

         → 北尾根ルート分岐 → 大和葛城山(昼食)/ツツジ園 → 水越峠バス停
             12:20         12:50/13:30        14:15

   所要時間(昼食・休憩時間を含む):約4時間50分


< プロローグ >
 "ダイトレ歩き" の第1回目は、『平石(ひらいわ)峠からダイトレを南に辿って「岩橋山」を越え、長い稜線を歩いて
「大和葛城山」に北側からアクセスする。さらに見頃になったツツジを愉しんだあと南側の水越峠に降りる』ルート
(p1)に決めた。"平石峠から岩橋山への上り" と "葛城山への長い上り"、さらに "葛城山から水越峠への激下り" が今回のルートの難所になりそうだ。

   
         
p1  平石峠から大和葛城山への山稜(河南町神山付近から撮影)


 問題は「平石峠」へのアクセス方法だが、東側の近鉄南大阪線磐城駅を起点にするルートは歩行時間が長く、しかも歩道が整備されていない国道166号沿いを歩く必要がある。西側の平石(ひらいし)を起点に府道704号で平石峠にアクセスするルートは平石へのバス便が極端に少ないことがネックになるが、土曜日/休日であれば、午前中の比較的早い時間帯に近鉄富田林駅前からバスが出るのでこれを利用することにする。



< 平石(ひらいし)バス停 → 平石(ひらいわ)峠 >
 雨の心配がない5/11(土)、近鉄富田林駅9:05発平石行きの金剛バス(p2)に乗車する。乗客は私一人だ。途中のバス停で70代と思える女性が一人乗降する。20分ほどで平石バス停(p3)に到着。若い運転手さんにお礼を言ってから、バスが走ってきた府道704号(p4)を東方向に歩き始める。バス停の直ぐ東側の道路沿いにトイレがある。覗いてみると、和式(汲み取り型)だが清潔にメインテされている。

 黄金週間が明けて未だ1週間もたっていないが、今日の大阪市内は最高気温が30℃を越え真夏日になるとの予報が出ている。アスファルト舗装の道路
(p5)に早くも強烈な陽射しが降り注ぐ。

  
p2 平石行きのバスに乗車   p3 平石バス停     p4 府道704号を東進  p5 陽射しの厳しい道路


 5分ほどで右手に岩橋峠への分岐
(p6)があるが、パスして直進(高貴寺方向に進む)する。バス停から8分ほどでY字型の分岐(p7)に出る。府道704号は右手方向に進むことになるが、分岐には「幅員狭小につき車両通行不可」の看板と併せて
「竹内河南線 崩壊により通行止」の看板が置かれている
(p8)。歩行者は通れるはずなので看板を無視して右手に折れ、狭いコンクリート道(p9)を進む。

     
 
p6 岩橋峠への分岐   p7 分岐で右に進む     p8 通行止めの看板    p9 狭い舗装道路


 左手に水道施設を眺め、分岐から5分ほどで小さな三叉路
(p10)に出る。道端の道標(p11)に従って左手のコンクリート道を進む(小さな橋を渡る)。道路脇に木立が迫って漸く太陽の直射が避けられるようになる。

 昨夏の台風での崩落ポイントを左手に見ながら進むと、ネットで有名な「府道704号」の標識
(p12)に出くわす。この辺りから道は益々狭くなり、台風による倒木の処理が未だ完了していない一画(p13)を通過する。

   
p10 左へ進んで橋を渡る   p11 分岐の道標    p12 府道704号の標識   p13 未処理の倒木


 府道とは名ばかりの狭い"山道"
(p14)を進むと、左右の両側を斜面で挟まれたスペース(p15)に出る。右手方向に階段道があり、その登り口の足下に「平石峠」と彫られたダイトレのプレート(p16)が埋め込まれている。左手に立つ標識(p17)には「岩橋山1.5km」の表示がある。ここが平岩峠だ。平石バス停からノンビリ歩きで35分。ここで好物の "どら焼き" と "キットカット" でエネルギー補給する。

   
  
p14「山道」を往く    p15  平石峠      p16 ダイトレのプレート    p17 岩橋山1.7kmの道標



< 平石峠 → 岩橋山 >
 今回のルートの第一関門である標高差約270mの「岩橋山への上り」は、階段(p18)また階段(p19)の繰り返しになる。一般的な(階段道ではない)つづら折れの上り勾配の登山道であれば、これから待ち受ける "試練" を知らないままハイカーは第一歩を踏み出すことができるが、直線的に延びる長い階段道は足腰が弱った爺ハイカーにとっては残酷だ。ほんの数十秒か数分後に自らがどんな状況に追い込まれるかが、下から眺めただけで大方想像がついてしまうからだ。腰や膝に爆弾を抱えている場合には、歩き出す前に気持ちが萎えてしまうだろう。今日は先が長い。こんな所でくたばってしまう訳にはいかない。とにかく "立ちんぼ休み" の頻度を増やしてゆっくり登ることにする。

 登り始めて5分。早くも背中は汗でぐっしょりだ。時折、目が覚めるような新緑
(p20)が現れるとホッとする。下ってくるハイカーと繰り返しすれ違う一方で、トレイルランシューズを履いた超軽装の韋駄天ハイカーに追い抜かれる。やがて上り勾配が緩やかになる。平石峠から20分弱で前方が開けて岩橋山(p21)の山塊が見える。山頂はまだまだ先のようだ。

      
  
p18 階段道(1)    p19 階段道(2)    p20 新緑に遭遇     p21 岩橋山の山塊


 「岩橋山0.8km」の標識をパスし、再びスギ・ヒノキの植林帯の階段道
(p22)の登りを繰り返していると、"突然に" という感じで、目の前に木製のベンチが置かれたスペース(p23)が現れる。足下に「岩橋山」と表示されたプレート(p24)が埋め込まれており、隣りには三等三角点(p25)の石柱が突き出ている。どうやら岩橋山の山頂に到着したようだ。周囲は木立に囲まれて展望は全く無い。平石峠から "立ちんぼ休み時間" を含めて43分を要した。今日も我が心臓は問題なく動いてくれているようだ。

     
 
p22 植林帯の階段道   p23 岩橋山の山頂    p24 ダイトレプレート「岩橋山」   p25 三等三角点



< 岩橋山 → 持尾辻 >
 岩橋山の山頂からは、長い階段道(p26)を一気に下り、5分ほどで「葛城山5.1km」の標識(p27)が立つ岩橋峠まで降りる。苦労して貯め込んだ "上りの預金" を全て使い果たしてしまったように思えるが、下ったのは標高差で僅か80mほどだ。ここからは、緩い上り勾配の階段道(p28)を登り、送電線の鉄塔(p29)の横を抜ける。

      
 
p26 下りの階段道   p27 葛城山5.1kmの標識   p28 階段道(3)     p29 鉄塔の横を抜ける


 比較的歩き易い起伏の緩やかな山道
(p30)を行くと、鉄塔から20分ほどで「←布施城址」の道標が立つ分岐(布施城址分岐)に至る。岩橋山山頂からは、丁度30分である。さらに登山道がU字型に深く掘れた一画(p31)もあるダラダラの上り勾配の山道を10分ほど進むと、複数のベンチが置かれたスペース(p32)に出る。道標の足下に「持尾辻」の表示があるプレート(p33)が埋められている。ここがダイトレのチェックポイントのひとつ「持尾辻」である。岩橋山からは、丁度40分だ。

  
 
p30 起伏の少ない山道   p31 U字型の山道    p32  持尾辻     p33 持尾辻のダイトレプレート 



< 持尾辻 → 大和葛城山 >
 ここからはスギ・ヒノキの植林帯を抜ける穏やかな勾配の山道(p34)を往く。国土地理院の地形図によると、この辺りの稜線は凸凹(アップ・ダウン)が激しいように思えるが、実際の登山道は稜線の東側を巻くように延びて、上り勾配は緩やかで歩き易い。大阪市街は30℃近くになっているはずだが、標高約600〜700mの登山道周りは木立で陽光が遮られ、涼しい風も吹いてまずまずの居心地だ。

 持尾辻から15分弱歩くと、スギ木立の中にトイレ建屋
(p35)が忽然として現れる。バイオ式(土壌処理型)で、設置されて8年というが比較的良くメインテされている。この辺りの登山道は狭い稜線(p36)を進んだり、左手が崖の山道(p37)になったりと楽しい。
  
 
p34 勾配の緩い山道    p35 トイレ建屋      p36 狭い稜線     p37 左手が崖の山道 


 近鉄忍海駅への分岐
(p38)を過ぎると、いよいよ葛城山への長い上り(p39)が始まる。北尾根コースへの分岐(p40)辺りからは、上り勾配が益々厳しくなる(p41)。「ダイトレ歩き」のハイカーに、近鉄御所駅側からツツジ園を目指して北尾根コースを登ってきたハイカーの皆さんが加わって登山道は一遍に賑やかになる。

    
p38 忍海駅への分岐の道標   p39 階段道(4)   p40 北尾根コースへの道標   p41 階段道(5)


 時刻は12:30を回って猛烈な空腹感に襲われるが昼食休憩に使えそうな登山道脇のベンチはすでに "占拠" されている。やむを得ず一個14kcalの "ブドウ糖タブレット" を繰り返し頬張りながら長い階段道
(p42)を進む。「腹減った〜」という状態で、アンテナ塔(p43)の横を抜けて葛城山の山頂東側のトイレ(p44)前に出る。持尾辻から1時間15分、平石峠からは休憩時間を含めて2時間40分である。東側に回って展望テラスから春霞の大和平野(p45)を眺めて一息つく。

    
  
p42 階段道(6)    p43 アンテナ塔    p44 山頂東側のトイレ   p45 春霞の大和平野



< 大和葛城山 山頂/ツツジ園 >
 トイレ前からツツジ園方向は人だらけで、周辺のベンチは満杯。仕方なく山頂へ向かう登山道の右手の木立に入って、笹藪に腰を下ろしての昼食とする。辺りはブヨの勢力圏。ハッカ油のスプレーを自宅に置き忘れてきたことに気がつくも後の祭りで、食事中に左手の甲と左手首裏側に手痛い "二発" を食らってしまう。

 昼食後、人の群れの中を葛城山頂
(p46)(p47)に移動する。ここで「人を避ける」のと「ブヨによる刺痕の腫れ」で頭が一杯になり、ダイトレプレート「葛城山」の写真を撮ることを完全に失念する大失敗を犯してしまう。

 山頂から南側へ進んで大混雑のツツジ園に降りる。今日(5/11)のツツジ園の状況はこのとおり
(p48)(p49)、まずまずの開花状況だが満開は来週後半になりそうだ。

   
  
p46 葛城山頂のモニュメント   p47 山頂からツツジ園へ     p48  見頃になったツツジ

   
             
p49  2019/5/11 の大和葛城山ツツジ園



< ツツジ園 → 水越峠 >
 水越峠へのルートは「水越峠1.7km」のダイトレ道標から下り(p50)が始まる。直ぐに東方向が開けて大和平野とその後方に音羽三山から龍門岳に延びる山稜が鮮やかに見える(p51)。葛城山東側の展望デッキに比べてこのポイントの方が足下近くの展望が優れている。

  新緑にツツジの赤が映える気持ちの良い一画
(p52)を下る。「水越峠への激下り」ルートを歩くのはこれが二度目だが階段道は段差が大きく、岩や木の根などの突起物も多いので転倒しないように、また古傷の左膝を痛めないように慎重に下る。
  
 
p50 水越峠への下山口       p51 大和平野を望む         p52 新緑とツツジ


 下山途中で脚を負傷?したメンバーを抱えた5〜7名の学生グループに遭遇し、今一度、気を引き締める。階段道
(p53)の激下りが終わると、石段道(p54)の下りに変わる。登山道脇に水路が現れる(p55)と峠が近い。ツツジ園から丁度35分で国道309号の峠道(p56)に合流する。
  
 
p53 下りの階段道     p54 下りの石段道     p55 水路が現れる  p56 309号の峠道が見える 
 

 合流ポイントから下り方向の左手に金剛山に向かうダイトレの登山口ゲート
(p57)があり、道路を挟んでその反対側(北側、即ち山側)の道路沿いに「水越峠」のダイトレプレート(p58)が埋められている。ここからは309号の峠道(p59)を歩いて、水越峠のダイトレ出口から5分強でバス停(p60)に到着する。出発点の平石バス停から昼食・休憩時間を含めて4時間50分を要した。14:55水越峠発のバスには40分ほどの余裕を持って到着できた。


p57 金剛山へのダイトレ登山口 p58 ダイトレプレート「水越峠」  p59 国道309号峠道    p60 水越峠バス停


 バス待ちをしていると千早赤坂村と富田林市の救急隊の車
(p61)が上がって来る。事故に遭った先ほどの学生グループの関係者が救急車の出動を要請したらしい。今回は、たまたま若者だったが・・。2017年の山岳遭難者数は3,111人。その約60%が50歳以上(60歳以上が45%)で、死者・行方不明者の60%近くが単独行の登山者だという。改めてこの数字を肝に銘じなければと思う。
           


< エピローグ >
 登山道、道標ともに整備状況は素晴らしく、さすが「ダイトレ」と感じました。ツツジの季節に葛城山の山頂周辺が大混雑するのがこのルートの難点ですが、美しく華麗な "赤" に染まった山肌を眺めれば、人嫌いのハイカーさんの不満も解消できると思います。「水越峠への激下り」は、爺ハイカーには厄介です。慎重の上にも慎重に・・。


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