虚空蔵山[592 m] 所在地:兵庫県三田市/篠山市  地形図:1/25000 藍本     ルートMAP 


     
    日時:2011年11月22日(火)     天候:晴れ

    コース: JR藍本駅 →(裏参道)→ 虚空蔵堂 → 陶の郷分岐 → 山頂/北側露岩 → 虚空蔵堂 → (表参道)→ JR藍本駅

                12:05           13:00      13:30    13:45/14:15      14:45                    15:30



< イントロ >


  深山を歩いた昨日に続いて今日も大気が澄んで見通しがかなり良いので、昨秋以来一年ぶりに藍本の虚空蔵山(p1)に登って山頂からの大展望を楽しむことにする。今回は定番の「陶の郷」からではなく、JR藍本駅から慶佐次盛一氏の「北摂の山(下)西武編」で紹介されている裏参道を経て虚空蔵堂まで上がり、下山は表参道を歩いて藍本駅に戻ることにする。
         

< アクセス > 

 三田駅北側の駐車場に車を止めてJR福知山線で藍本駅まで移動する計画だったが、三田駅の駐車場が満杯のため車で藍本まで走ることにする。藍本駅の東側の駐車場(p2)に「一時専用」の駐車スペース(p3)が存在するのを見逃してしまい、駅の西側を彷徨。結局、違法駐車とならない適当な駐車スペースを見つけることができず、となりの草野駅まで走る羽目になる。草野駅の東側にある公民館の駐車場(p4)に止めさせてもらうことにして、公民館で集会中のお婆さんに駐車許可を得ようと挨拶するも「わしゃ、むらんこと(村のこと)は、なんも知らん」と突き放されてしまう。やむなく、無許可でここ(公民館)に車を置いて藍本駅まで電車で移動する。

   
   p1 三田市街からの虚空蔵山      p2 藍本駅東側の駐車場     p3 一時利用者用の駐車区画    p4 草野公民館の駐車場
     

< ゴーイングアップ >

裏参道から虚空蔵堂へ
  
JR藍本駅の西側には、近畿自然歩道の案内板と併せて、表参道から虚空蔵堂を経て、虚空蔵山頂に至るルート(p5)を示した駅近郊の案内図板(不思議なことにこの地図は下方が「北」なのです)が置かれている。まず藍本駅西側の集落に沿って南北に延びる狭い舗装道路(p6)を北に進む。前方には舞鶴若狭自動車道の高架が見える。5分ほど歩くと右手道路端に、白いペンキが禿げかかった古い木柱があり、「虚空蔵山登山口」と表示されている(p7)。ここが裏参道の入り口である。この小さな三叉路を左折する。

         
        p5 駅前の案内板のルート図     p6 裏参道登山口への舗装道路      p7 登山口の表示板     


 民家の間を延びる狭い舗装道路(p8)を進み、左手の墓地の横を抜けると、前方に舞鶴若狭自動車道の高架が見えて(p9)、小さな十字路(p10)に出る。ここで左折する。直ぐに前方にフェンスが現れ、分岐がある(p11)。ネット情報では「フェンスに小さな私製プレートが掛けられていて、右手に進む」とあったが、辺りには何もない。とにかくフェンスに沿って右方向に進む。

       
   p8  裏参道への舗装道路     p9 舞鶴若狭自動車道の高架      p10  十字路           p11  分岐


 舞鶴若狭自動車道の高架を潜って、自動車道と並行して延びるフェンスに沿った道(p12)を南進すると、ヒノキの植林帯を抜ける浅くU字型に掘れた登山道(p13)に変わる。道は勾配の緩い沢筋を延びており、かなり湿っていて、U字が一層深く掘れてくる(p14)。やがて辺りが雑木林に変わると、「火の用心」と書かれた関電巡視路の赤い矢印表示板がある分岐(p15)に出る。

    

  p12 フェンス沿いの登山道     p13 植林帯を抜ける登山道   p14 U字型に深く掘れた登山道    p15 酒滴岩への分岐


 左から合流する道は酒滴岩から上ってきているらしい。木幹に巻かれた赤テープに従って直進する。自然林に覆われた登山道(p16)を、山腹を巻くように進み、さらに明るい急勾配の岩混じりの道を登ると、左手の秋色に染まった谷を挟んで南側に送電線の鉄塔が見えてくる。登山道は、雰囲気の良い秋色の自然林を抜けるなだらかな道(p17)に変わり、再び関電の巡視路標識が立つ分岐(p18)がある。左に進むと巡視路のようなので、右手に進む。ここから道は下りになり、先程の谷に流れ込む沢に架かる金属パイプ製の橋(p19)を渡る。前出の慶佐次盛一氏の「北摂の山」では「丸木橋」とあったが、架け替えられたようだ。

              
   p16 山腹を巻く登山道     p17 秋色の谷に沿った登山道    p18 関電巡視路への分岐      p19 金属パイプ製の橋

 
 さらに進むと、近畿自然歩道の道標(p20)がある三叉路に出て、表参道と合流したことが分かる。右に折れて幅の広い立派な参道を進み、石段(p21)を上がると、古色を帯びた虚空蔵堂の本堂(p22)が静かに佇んでいる。「北摂の山」によると虚空蔵堂は聖徳太子の建立とされ、本尊の虚空蔵菩薩は智恵と福徳を授ける仏であるという。本堂に参拝して道中の安全を祈願した後、ベンチ(p23)が置かれた南側のテラスから三田市街や六甲山方面(p24)を眺めながら一息つく。

          

     p20 近畿自然歩道の道標       p21 虚空蔵堂への石段         p22 虚空蔵堂の本堂

      
    p23 ベンチが置かれたテラス     p24 三田市街、六甲山を望む


■ 山頂へ

 本堂に向かって右手奥に「山頂まであと800m」と表示した標柱(p25)があり、ここから再び山道に入る。勾配が急な山道を登り切って、道が平坦になったところに役行者像を祀る小さな祠(p26)がある。なだらかな道は再び急登になり、山頂から南東に延びる稜線の道(p27)に変わる。さらに急登を上がると「山頂まで0.3km、陶の郷まで0.8km」の道標(p28)があり、陶の郷からの登山道と合流する。ここからは何度も歩いた道である。大汗をかいて10分ほどで、山頂の南側にある展望ポイントの丹波岩(p29)に到着する。午後から登り始めたためか、ここまで山中で誰とも遭遇していない。岩上で南側の眺望を楽しみながら呼吸を整えて、山頂に向かう。

         
    p25 山頂への登山道入り口       p26 役行者像を祀った祠         p27 稜線の登山道
 
         

     p28 陶の郷への分岐の道標      p29 展望ポイントの丹波岩


< トップ >


 一年ぶりの山頂(p30)にも、ハイカーの姿は無し。虚空蔵山にはウィークデイを含めて過去、十数回登っているが、山頂付近でハイカーと遭遇しなかったのは今回が初めてだ。国土地理院の地形図では、山頂は標高592mと表示されているが、何故か「標高596.0m」と読みとれる古い朽ちた木製の山頂表示板(p31)が岩の上に置かれている。

 期待していた通りの素晴らしい見通しだ。南は三木の雄岡山/雌岡山(p32)から瀬戸内海・淡路島、東側は南丹波・北摂の山々から京都西山(p33)(p34)、西側は笠形山(p35)、千ヶ峰(p36)から竜ヶ岳・三国岳(p37)まで見渡すことができる。独り占めの大展望を楽しみながら遅い昼食とする。


      
    
 p30 山頂の露岩         p31 朽ちた山頂表示板       p32 雄岡山/雌岡山と淡路島

   
  
                  p33  北東から南東方向を望む

  
                   p34  南東方向を望む

      
    p35 笠形山(中央後方)               p36  西から北西方向を望む

  
                    p37  北西方向を望む


 昼食後、山頂から稜線道を北に少し歩いた露岩上で北側の展望を楽しむ。白髪岳、松尾山(p38)の右手に多紀連山(p39)が鮮やかに望める。

    

  p38 白髪岳(左)と松尾山(右)            p39  多紀連山の一部


< ゴーイングダウン >

表参道を下る
 下山は虚空蔵堂から表参道を行く。虚空蔵堂から石段を下って、裏参道への分岐の三叉路(p40)で左折せずに直進する。道標には藍本駅まで2.5kmと表示されている。ヒノキと自然林が混在した一画のU字型に掘れた道(p41)を抜けると、右手が谷の自然林の道に変わる。谷側にはロープを使った手すりも設けられている(p42)。岩を敷いた良く整備された道(p43)を進み、さらに沢沿い(p44)を下ると、舗装道に変わり、前方の下り坂の向こう側に舞鶴若狭自動車道が現れる(p45)。自動車道に沿って南北に延びる舗装道路に出ると、道路脇に「虚空蔵山登山道」と表示された石柱(p46)が立っていて、ここが表参道の登山口であることが分かる。虚空蔵堂から僅か20分である。

    
   p40 虚空蔵堂下の分岐      p41 U字型に掘れた登山道   p42 手すりが設けられた登山道    p43 岩が敷かれた登山道

   
     p44 沢沿いの登山道       p45 表参道の出口近く       p46 表参道の入り口


JR藍本駅へ
 自動車道沿いの舗装道路を北上し、ガード(p47)を潜って自動車道の東側に出る。ネット情報で「車を自動車道のガード下に停めた」とあるのはこの辺りを指しているようだ。貯水池(p48)の横を抜けて、見通しの良い田んぼの中の舗装道路(p49)を進むと、JR藍本駅の西側を南北方向に走る舗装道路に出る。藍本駅に向かって北上すると、途中に酒滴(さかたれ)神社(p50)がある。神社前でしゃがんで靴紐の緩みを直していると、目の前に微かに緑青がついた古い十円玉が落ちているのに気がつく。御利益を期待して、お守り代わりにポケットに納める。結局、下山路でもハイカーとの遭遇は無し。静かな晩秋の山行を楽しむことが出来ました。

    
 p47 舞鶴若狭自動車道のガード   p48 貯水池横の舗装道路     p49 田園風景の中を抜ける道     p50  酒滴神社



< エピローグ >


 何度登っても山頂からの眺望は格別で、飽きることがありません。裏参道/表参道から山頂へのルートは、陶の郷からの楽々登山に比べて、体力面での刺激も加わって一層、山行が楽しくなるようです。

  



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