2021年紅葉めぐり[その1]( 北ア 雷鳥平、 氷ノ山、 金剛山 )


  9月に入って直ぐだったか、キリンビールの布施社長が "心室細動" で急逝したというニュースが流れた。私の持病である冠攣縮型狭心症でも冠攣縮の発作が、ときに心室細動、すなわち "突然死" を誘発するというのが定説だ。

 ところが、昨夏に一ヶ月あたり40回も起きていた発作が昨秋以降に激減して、今年は7月2日の未明に起きたのを最後にピタリと止んでしまった。昨夏以降、自分なりに試してきた "発作予防対策" が功を奏したようだ。"ニトロ"を常に肌身離さず携行している "ニトロ爺" が少しばかり "ただのジジイ" に近づいて、この秋も何とか登山は継続できるようだ。  



【 北ア 雷鳥平   9/28(火)  室堂平→ 雷鳥平→ 新室堂乗越→ 室堂乗越→ カガミ谷乗越

 ほんの少し涼しくなった9月の半ば、ネット情報にあたっていると、紅葉したチングルマが深紅の絨毯のように "雷鳥平" のテント場周辺を覆っている美しい写真を見つけた(p1)。タイミングさえ合えばこんな紅葉に遭遇できるのか・・。で、あれば、この秋もう一度、雷鳥平に入ってみようか・・そんな気持ちが湧いてきた。

   
   
p1 雷鳥平の紅葉(ネットから)


< 富山 → 室堂 >
 9/27(月)、久しぶりに "特急サンダーバード" に乗る。富山駅近くのホテルに前泊して、翌朝富山電鉄の始発電車で立山駅へ。途中、2年前と同様に朝焼けの空に劔岳のシルエットを見つけて写真(p2)に収める。

  
    
p2 車窓からの劔岳


 "コロナ禍" の影響で始発ケーブルの運行時間が例年よりも1時間遅くなり、美女平に向かうケーブルカーは超満員だったが、美女平からは一転して空席もあるゆったり乗車のバスで室堂へ向かう。


< 室堂平 → 雷鳥平 >
 今年の北アの紅葉は例年に比べて数日早いというネット情報のとおり、2年ぶりの室堂平(p3)は、チングルマの草紅葉(p4)などで既に秋色だ。遊歩道を北方向に辿り、みくりが池(p5)を右手に眺めながら雷鳥平に向かう。地獄谷の噴煙と奥大日岳のツーショット(p6)は相変わらずの壮観だ。

  
              
p3   秋色の室堂平

      
    
p4 チングルマの草紅葉      p5 みくりが池      p6 地獄谷と奥大日岳


 やがて正面に白く輝いた雷鳥沢
(p7)が見えてくる。草紅葉が帯状に広がってカラフルだ。雷鳥平に降りてテント場に向かう途中の遊歩道(p8)の右手に見覚えのある景色が広がっているのに気がつく。ネット上で見つけたあの写真(p1)の風景だ。やっぱり、此処だった。素晴らしい眺めを暫し愉しんでから、テント場の管理棟を真ん中に置いて深紅の絨毯をカメラに収める(p9)
    
  
p7 雷鳥沢が見えてくる      p8 雷鳥平の遊歩道      p9 雷鳥平の深紅の草紅葉


 今回は深紅の草紅葉を楽しめたが、それでも紅葉のピークには未だ数日早かったようだ。  


< 雷鳥平 → 室堂乗越 → カガミ谷乗越 >
 雷鳥沢を渡って秋色の中を北に延びる木道(p10)を往き、新室堂乗越から奥大日岳を目指す。一頻り登って振り返ると立山連峰を背にした素晴らしい秋景色(p11)が広がる。奥大日岳に延びる稜線(p12)もすっかり秋色だ。

    
     
p10 木道を往く       p11 乗越手前からの眺望  p12 奥大日岳への稜線


 新室堂乗越で稜線に出て草紅葉が散在する登山道
(p13)を西に向かう。この辺りからの地獄谷の眺め(p14)も壮観だ。  室堂乗越が近づくと、南側の称名廊下の深い谷の向こうに天狗平が見えてくる(p15)。ここで振り返ると、北方向に剱岳の雄姿(p16)が鮮やかに望める。ダケカンバの黄色とのツーショット(p17)も美しい。

      
   
p13 稜線上の草紅葉      p14 地獄谷の噴煙      p15 天狗平の眺望

     
  
p16 乗越付近からの劔岳    p17 ダケカンバと劔岳


 カガミ谷乗越まで登ると南方向に絶景
(p18)が広がり、東方向には絶好のアングルで剱岳が眺められる。空腹感が尋常でないのに気がつき、腰を下ろせる岩棚を見つけて剱岳を眺めながら羊羹を頬張る。


                
p18     南方向の絶景


 ところが、東大谷側から突然に雲が湧いてきて剱岳の山塊を瞬く間に覆ってしまう
(p19)のだ。また、やられた・・と、思う間もなく剱岳は山頂付近までが雲に隠れ(p20)、今日の目的地の奥大日岳もガスの中に姿を消してしまう(p21)

        
    
p19 突然、雲が・・      p20 雲に隠れる劔岳     p21 奥大日岳も見えない


 2年前の山行と全く同じ状況だ。時刻もほぼ同じ。このガスを回避して奥大日岳の山頂から剱岳の完璧な姿を捉えるためには、遅くとも朝7時までに室堂を出発する必要がありそうだ。残念だが、今回はここで撤退して室堂平に戻ることにする。

 帰路も秋色は存分に楽しめたものの、室堂平に戻っても奥大日岳への稜線には雲が掛かったままだった
(p22)。"次回" は無いかも知れないが・・、日程をあと数日後ろ倒しして、紅葉のピークにまた訪れてみたいものだ。

     
      
p22 稜線に掛かる雲



【 急性胃炎で・・ 10/27(水)

 ノロウィルスにでもやられたのか・・10/27(水)夜 「大台ヶ原」山行のために前泊した大阪西成のホテルで突然、急性胃炎の症状が現れ、胃部の激痛が冠攣縮の発作まで誘発して、まさに七顚八倒の状態で一睡もできないまま、翌朝、無念の帰宅を余儀なくされる。

 結果、ホテル宿泊代金と併せて事前に購入していた近鉄の 「大台ヶ原探勝日帰り切符
(p23)」 を "おじゃん" にし、さらには体力を回復するまでにこの時季の貴重な6日間を失う羽目になる。

      
       
p23 大台ヶ原探勝日帰り切符



【 氷ノ山   11/5(金)  東尾根登山口→ 神大ヒュッテ→ 山頂→ 氷ノ山越→ 親水公園→ 東尾根登山口

 "急性胃炎" とその後遺症からの回復に手間取っている間にも秋は確実に深まっているようで、ネット情報によると氷ノ山の紅葉は既に "見頃" だという。冷え込みが続く11/5(金)早朝、自宅を出発し舞鶴自動車道を北に走る。

 この時季の氷ノ山は、ウィークデイでも大勢のハイカーが繰り出すので、福定親水公園から氷ノ山越に向かう人気の登山ルートは回避して昨秋と同様に東尾根登山口近くの駐車スペース
(p24)に車を置き東尾根から山頂を目指すことにする。
     
      
p25 東尾根駐車スペース


< 東尾根登山道 >
 登山口から30分弱歩き、東尾根休憩小屋(p25)の横を抜けた辺りから登山道周りは、一面の黄色(p26)(p27)になる。昨年に比べて入山が9日遅いためか、東尾根名物の "ドウダンツツジの紅葉"(p28)は、既にピークを過ぎている。


 
p25 東尾根休憩小屋    p26 ブナの紅葉(1)    p27 ブナの紅葉(2)    p28 ドウダンツツジの紅葉


 一ノ谷休憩所の手前辺りからは、落葉したブナ
(p29)が目立つようになる。神大ヒュッテ(p30)前を抜けて幅広の登山道(p31)を往くと、北側が開けて鉢伏山の方向に秋色の山肌(p32)が続く。


  
p29 落葉したブナ    p30 神大ヒュッテ     p31 幅広の登山道    p32 秋色の山肌


< 山頂 → 氷ノ山越 → 親水公園 >
 登山口から丁度2時間で今にも雨が降り出しそうな山頂(p33)に到着。今回は "雨は降らない" と確信して入山したが、氷ノ山の天気予報はあてにならないようだ。人影も疎らな山頂で、急ぎ昼食を済ませて下山に掛かる。

 仙石コースへの分岐をパスし、山頂から主稜線を北方向に35分ほど歩いた辺りから紅葉したブナの原生林
(p34)が現れてほっとする。幸運にも此処のブナは未だ落葉していないようだ。

        
     
p33 氷ノ山の山頂         p34 ブナの原生林


 氷ノ山越の避難小屋
(p35)の手前で、いよいよポツリポツリと降ってくるが、"一口の水" 辺りまで降りると、雨域から外れたようでガスってはいるが雨滴は落ちてこない。登山道周りは例年どおりの凄まじい紅葉(p36)(p37)(p38)だ。


p35 氷ノ山越の避難小屋   p36 ブナの紅葉(3)    p37 ブナの紅葉(4)    p38 ブナの紅葉(5)


 例年は、"一口の水" や "弘法の水" などの水場付近のブナの紅葉がピークを迎えているときには、さらに1時間近く下った地蔵小屋に近いエリアのブナは未だ見頃前なのだが、不思議なことに今年は、氷ノ山越から一面の "黄褐色" が延々と続いて、1時間強下った不動滝の展望ポイント辺りでもこの凄まじさ
(p39)だ。布滝の周囲の紅葉(p40)も今回が最も美しく感じる。

        
     
p39 不動滝付近の紅葉       p40 布滝と紅葉


 入山日程が遅れたことが幸いしたようで親水公園の紅葉
(p41)(p42)は今がピークだ。雨はすっかり上がって、東尾根登山口の駐車スペース(p43)に戻る頃には、青空が迎えてくれました。

      
   
p41 親水公園の紅葉(1)    p42 親水公園の紅葉(2)    p43 東尾根の駐車スペース


 休憩時間を含めて5時間40分の山行。この秋二度目の紅葉狩りは、まずまずの結果でした。これで "運" が変わってほしいものです。



【 金剛山   11/8(月)  金剛山登山口バス停→(千早本道)→山頂広場→(千早本道)→登山口バス停

 10月末に罹患したウィルス性急性胃炎の後遺症なのか・・、未だに胃部に鈍痛が残っている。暫く血液サラサラ薬の低用量アスピリンの服用を中断してみたが、なかなか改善しない。やむを得ず三年ぶりの "武奈ヶ岳" の紅葉狩り山行は諦めて、例年どおり金剛山の秋色を愉しむことにした。

 11/8(月)近鉄富田林駅から金剛バスに乗る。金剛登山口バス停で降りると、県道沿いのカエデ
(p44)は既に深紅だ。昨年と同様に、階段横のカエデ(p45)が綺麗に色づいた千早神社に参拝してから千早本道に戻る。

 11月に入って既に一週間が経過して、千早本道は四合目から五合目で早くも秋色
(p46)が目立ってくる。八合目からの秋色は例年どおりの美しさ(p47)(p48)(p49)(p50)だ。妙見谷側の山肌の秋色(p51)も華やかだ。


p44 県道沿いのカエデの紅葉  p45 千早神社の秋色    p46 5合目付近の紅葉   p47 8,9合目の紅葉(1)


 
p48 8,9合目の紅葉(2)   p49 8,9合目の紅葉(3)  p50 8,9合目の紅葉(4)   p51 妙見谷の秋色


 山頂広場の東側にある売店のカエデ
(p52)は、すでに紅葉のピークが過ぎて落葉が始まっている。13:00の山頂ライブカメラ映像(p53)に収まってから、広場のベンチで昼食とする。

        
     
p52 売店横のカエデ        p53 山頂ライブカメラ映像


 この時季にしてはハイカーの数は極端に少なく、ノンビリした山行が愉しめました。



                   Top Page

inserted by FC2 system