六甲山 黒岩谷西尾根(兵庫県神戸市)           ルートMAP


 【 山行日時/ルート 】 

   日時:2022年3月7日(月)   天候:曇り

   ルート: 東おたふく山 → 土樋割峠 → 住吉川沿い黒岩谷 → 一軒茶屋     
        バス停           西尾根ルート入口      
         10:57      11:20      11:24      12:07

   山行時間: 約1時間10分(休憩時間等を含む)



【 プロローグ 】
 昭文社の山と高原地図「六甲・摩耶」(2021年版)を見ると、黒岩谷の西側の尾根に沿って土樋割峠の西側から一軒茶屋まで黒色の細い線(p0 赤色←)が延びているのに気がつく。ネットにあたってみると、この線は黒岩谷西尾根ルートと呼ばれる登山道の由で、住吉川沿いから一軒茶屋への最短ルートらしい。

     
      
p0 黒岩谷西尾根ルート


 相変わらずの冷え込みで六甲の主稜線付近は雪が降る懸念もあるが、昨秋から続けている神戸側から主稜線への登山ルート巡りの12回目として3/7(月)にこの "黒岩谷西尾根" を歩いてみることにした。

 ネット情報によると、上り勾配が厳しく危険ポイントもあるルートの由。疲労が蓄積した状態での登攀は回避したいので、芦屋川駅からバスを使って "東おたくふく山登山口" に移動し、東側から住吉川沿いにアクセスすることにする。



【 東おたふく山登山口バス停 → 住吉川沿い 】
 阪急芦屋川駅から芦屋ハイランド行きのバスに乗り、東おたふく山登山口バス停(p1)で降りる。バス停横で身支度をしてから、蛇谷沿いを西方向に延びる緩い上り勾配の林道(p2)を往く。25分弱歩いて、丁度体が温まった頃に土樋割峠(p3)に到着する。土樋割峠から西方向に林道を下ると住吉川沿いに出る。

        
 
p1 東おたふく山登山口バス停    p2 上り勾配の林道       p3 土樋割峠の道標
  


【 黒岩谷西尾根 】
 黒岩谷西尾根ルートの入口は、そのまま西方向に住吉川を渡ったところ(p4)のはずだ。ネット情報によると、入口付近の木幹に「イノシシの絵柄の入った注意表示」が架けられているというが、該当するものが無い。

 尾根側の木立に入って"踏み跡"を探すと、直ぐに西方向に延びるしっかりした山道
(p5)が見つかる。山道は時計回りの急勾配のササ道(p6)になり、さらに右手眼下に黒岩谷を見下しながら左にカーブする立派な登山道(p7)になる。


 
p4 住吉川を渡渉する    p5 山道が見つかる    p6 急勾配のササ道    p7 立派な登山道


 急勾配の露岩道
(p8)をよじ登り、両脇が落ちた幅の狭い尾根(p9)(p10)を渡り、少しばかりガレた岩道(p11)を四つん這いになって登る。"ワイルド" だとか "野趣に富んだ" とか形容して余裕を見せたいところだが・・・、古希を優に越えたジジイにとっては刺激十分だ。
 
 
p8 急勾配の露岩道     p9 狭い尾根道(1)    p10 狭い尾根道(2)    p11 ガレた岩道


 ネットで有名な「約20cm幅の巨岩の切れ目」の通過ポイントは、マシンで切削したと思われる「幅が50cmを超える切れ目
(p12)」に変わっていて余裕で通過できる。ほんと、感謝だ。

 右側が切れ落ちた尾根道
(p13)を慎重に抜け、さらに急傾斜の岩道(p14)を往く。次は角が鋭く露出した岩壁(p15)の登攀だ。四つん這いになり、地べたを這うように延びている木枝に掴まって体重を支えながら登る。

       
 
p12 岩の切れ目を往く  p13 右手が崖      p14 急傾斜の岩道     p15 岩壁を登攀


 再び現れた岩道
(p16)を登り切ると右手が開けて、二週間前に山頂を踏んだ蛇谷北山の山頂付近(p17)が眺められる。標高830m辺りの平坦道(p18)で一息いれると、左側に黄色と黒の "お助けトラロープ" が垂れたガレ場(p19)が現れる。傾斜はそれほど急ではなく、ロープに頼らずに登り切れる。

    
  
p16 岩道を登る   p17 蛇谷北山の山頂付近   p18 平坦道で一息    p19 ガレ場(ロープ有)


 次の "白いお助けロープ" のガレ場
(p20)もロープの助けを借りずに登り切る。ロープは太い松の木幹にしっかり結ばれて、さらに金属ワイヤをグルグル巻きにして補強されている(p21)。有り難いことです。

 二つのガレ場越えが終わると登山道はササ道
(p22)になる。左手が開けて西おたふく山の電波塔(p23)が見える。

 木組みの階段道の木材が朽ち果て、鉄製のアンカーボルトだけが残された一画
(p24)(p25)が前方に現れる。右手が谷なので気を抜かずに通過する。

       
 
p20 ガレ場(ロープ有)   p21 ロープの固定箇所    p22 ササ道になる  p23 西おたふく山の電波塔

     
  
p24 崩れた階段道(I)  p25 崩れた階段道(II)


 ここからは綺麗に苅られたササ道
(p26)を往く。7分ほどで前方に六甲最高峰のアンテナ塔と一軒茶屋の建屋(p27)が見えて、七曲りルートの終点の直ぐ北側(p28)に飛び出す。

 一軒茶屋付近
(p29)は強い北風に小雪が舞う生憎の天候。滅茶苦茶に腹が減っていることに気がつきウインドブレーカを着込んでの昼食とする。凍えそうな手で握り飯を喰らいながら、少しばかりだが不思議な満足感を覚える。

    
   
p26 ササ道    p27 電波塔と一軒茶屋   p28 一軒茶屋の横に出る   p29 一軒茶屋の石碑



【 エピローグ 】
 現時点ではジジイハイカーにとっても歩くのが楽しいルートです。"慎重さ" を求められるポイントが次々に現れ、これを一つづつクリアしていくことでジジイなりの小さな達成感も味わえます。

 滑落事故も起きているルートですから当然に安全最優先の心構えでの対応が必要で、個人的には「上り」で使う方が適当なルートだと思います。

 心ある皆さんがこの登山ルートの維持整備に努めて下さっていることに感謝すると同時に異常気象による登山道の損傷がこれ以上進まないことを切に祈りたいと思います。



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