来日岳(566.7m)  所在地:兵庫県豊岡市      地図:1/25000 城崎           ルートMAP         


<イントロ>
 
 私の車に搭載しているトヨタAZエンジン(2400cc)は、中国広州の「広汽トヨタエンジン」社製で欠陥エンジンとしてネット上でも話題になっているが、トヨタはリコールを実施せずに保証期間(無償修理期間)を5年から9年に延長する処置だけをとっている。新車購入から4年半を経たこの夏、走行中に油圧警告灯が点灯して「エンジンオイルの異常消費」というこの欠陥エンジンの典型的不具合症状が現れた。ディーラーは「オイル交換して、暫くオイル消費量をモニターしたい」と言う。とにかく長距離を走ってデータを出し、早くケリをつけたいので昨週に続いて但馬地域の兵庫50山に登ることにする。まず10/13に城崎の一等三角点の山「来日岳」に向かう。ネット情報によると、山頂東側の円山川沿いにある全但バスの「来日バス停」近くに駐車スペースがあるようだが、西側にある「紅葉平」の紅葉を楽しみたいので、城崎温泉に車を停めて、来日まで移動して山に入り、山頂を踏んでから林道を経て城崎温泉に降りるコースを歩くことにする。

日時 : 2012年10月13日(土)     天候 : 晴れ

コース :城崎温泉 → 来日バス停 →  中間点 → 来日岳山頂 →  紅葉平 →  大師山 → 温泉寺 → 駐車場

     駐車場   登山道入口    

     9:35     9:55/10:00  11:10  11:50/12:30    13:00    13:50   14:10     14:25



<アクセス>


 舞鶴道から北近畿豊岡自動車道を北に走る。朝来から国道9号、国道312号を走って、円山川沿いの県道3号を北上すると、前方に来日岳(p1)の優美な姿が現れる。JR城崎温泉駅の北側を西方向に折れて、

温泉街に入り「おおたに川(p2)」沿いを走って、西側の奥の城崎ロープウェーの南側にあるガソリンスタンドが経営する駐車場に車を停める(注1)。城崎温泉駅まで歩き、駅前からタクシーで「来日バス停」(p3)まで移動する。

(注1) 駐車料金が滅茶苦茶に高いので覚悟が必要。[最初の2Hr \800。以降は30分毎に\100]

(注2) 駅からバス停までは2kmほど。楽に歩ける距離だが、交通量が多すぎて安全確保が面倒なのでタクシーを使う。


        
   p1 県道3号線からの来日岳     p2  おおたに川と温泉街       p3  来日バス停


<ゴーイングアップ>


■ 駐車スペース

 バス停の直ぐ北側の県道から西側に少し入ったところに駐車スペースがあり、ハイカーのものと思われる京都ナンバーの軽自動車が1台停められている。さらにネット情報で紹介されていたバス停から北に50mほど歩いた左手道路沿いの待避スペース(p4)を確認する。確かに広さは十分だが、安倍晋三さんの「美しい日本」の信奉者である私としては、交通量が激しいこの県道の待避スペースに半日も車を停めるわけにはいかない。

  
    p4  待避スペース

山頂へ
 バス停の北側の「いらっしゃいませ城崎温泉」の大看板(p5)の下に「来日岳西登山口 この先50m」と標示した木製の看板(p6)が立てられている。山頂まで「健脚で1時間40分」と表示されている。この看板の前を抜けて用水路沿いの道(p7)を進み、JR線の線路を潜る。さらに進むと、右手に獣避けフェンスが設置されていて「登山道→」の看板(p8)が立っている。ここが登山口である。左手の石地蔵に道中の安全を祈願して登山道に入る。


 いきなりスギ林の中の急登になる。道は朱色がかった粘土質だが、よく乾いているため歩き易い。やがて登山道の左手がヒノキ、右手が自然林になり、さらに進むと岩が露出した自然林に囲まれた道になる。「天望」と表示された展望ポイント(p9)に出て、松の木枝の間から円山川や豊岡市街が見渡せる(p10)

      
   p5 県道沿いの城崎温泉の看板     p6 登山口を示す道標       p7 JR線の線路を潜る


      
     p8  登山口の道標          p9  天望         p10 「天望」からの円山川


 大きな露岩(p11)の間を抜けると、枝木の間から来日岳の山頂(p12)が見えてくる。左手後方の木枝の間からは、西床尾山の山頂付近の三角錐と東床尾山が望める(p13)。「304mの頭」(p14)を過ぎて、登山道は緩やかな下り(p15)になり、鞍部の中間点(p16)に至る。

      
   p11 露岩の間を抜ける        p12  来日岳の山頂          p13  床尾山

          
    p14 「304mの頭」の標識      p15  なだらかな登山道      p16 「中間点」の標識


 暫くなだらかな道が続いた後、長い登りに入る。山頂が大きく前方に現れる。登山道の幅が広がり、僅かに色づいた自然林の中の抜ける気持ちの良い道(p17)になる。登山道の傾斜は益々厳しくなる。単独行のシニアのハイカーに追いつく。至近距離で挨拶する。獣と間違えたのか「オー!」と絶叫されてしまう。来日のバス停の近くに停めてあった京都ナンバー車のハイカーのようだ。自然林にブナ(p18)が混じってくると、山頂が近い。「あと10分」の表示板(p19)に励まされて、ブナの大木が林立する一画を抜けると、登山道の真ん中に置かれた小さな石地蔵の向こう側に山頂の建屋の一部が見えて、目映いほどの陽光が降り注ぐ山頂下に飛び出す。来日のバス停から休憩を含めて1時間50分である。

      
   p17 自然林に囲まれた登山道     p18 ブナが混じる自然林      p19 「あと10分」の標識



<トップ>


 山頂下では林道を車で上がってきたと思われるご夫婦らしい二人が昼食を摂っている。NHK KissFMのアンテナ建屋(p20)の裏を通って、こんもり突き出た山頂に向かう。山頂には、一等三角点(p21)と木柱の山頂表示(p22)が設置されている。

      
    p20  アンテナ建屋         p21  一等三角点         p22  山頂表示  


 アンテナの南側に降りると、東から南西方向に素晴らしい眺望が開ける(p23)。南側眼下に円山川と豊岡市街、その奥には床尾山を背にした出石市街、右方向に目を移すと、うっすらと須留ヶ峰。アンテナの東側(p24)に移動すると、南西側は但馬妙見山まで遠望できる。ガイドブック(「兵庫県の山」山と渓谷社)では「山頂から但馬中央山脈の三川山、蘇武岳・・ 南西には氷ノ山も遠望できる」と記載されているが、どこから眺めたのだろうか?

 木陰で缶ビールを開けて昼食とする。昼食中に車が2台上がってくる。路面状態の良い舗装された林道で、この素晴らしい展望に簡単にアクセスできるのだから、この山が人気を集めるのは当然かも知れない。



    
         p23   山頂から南東方向を望む            p24 三角点のある山頂部分


<ゴーイングダウン>

紅葉平へ

  山頂から舗装された林道を西に向かう。林道が最初に大きく左折するポイントで、直進すると建屋の向こう側に三川山(p25)が望める。さらに林道を下ると西側が開けるポイント(p26)に出て、但馬中央山脈の但馬妙見山、蘇武岳、三川山が遠望できる。両脇が自然林の気持ちの良い林道(p26a)を一気に下る。

  
     p25   三川山                p26  林道から南西→西方向を望む

  
      p26a  林道



「通行止め」の表示が置かれた分岐(p27)が現れる。舗装されていない林道が北方向に延びている。地形図を確認すると、これが紅葉平に降りる林道に間違いないようだが、道標は置かれていない。右に折れて、この林道(p28)を進む。10分ほど歩くと辺りに色づき始めたカエデ(p29)が目立つようになり、紅葉平付近を歩いていることが分かる。最盛期には素晴らしい秋色が楽しめそうだ。紅葉平からさらに10分ほどで、大師山への分岐(p30)となる三叉路(p31)に出て、斜め右方向に進む。


       
      p27  分岐          p28 紅葉平への林道       p29  色づき始めたカエデ

      
    p30  分岐の道標        p31  NTT林道への分岐


紅葉平から温泉寺へ
  ここからは長いNTT林道(p32)を30分ほど歩く。大師山頂のロープウェー駅の100mほど手前で城崎の温泉街が見下ろせる展望ポイント(p33)があり、その先に温泉寺へ降りる参道の入り口(p34)がある。木組みの階段道を下り、幅の広い良く整備された参道を進むと20分ほどで、城崎温泉を開いた道智上人が開創した温泉寺(p35)に到着する。ここからは、石段などが続く温泉寺の参道を10分ほど下って、温泉街の西の山裾にある温泉寺の薬師堂の裏手に出る。山門(p36)の近くでは若い皆さんが明日(10/14)からの城崎秋まつりで運行する「檀尻」の準備に忙しい。車を停めた駐車場へは5分ほどだ。

      
        p32  NTT林道          p33  城崎の温泉街       p34  温泉寺への分岐

    
    p35 温泉寺の多宝塔      p36 温泉寺の山門に向かう参道
  


<エピローグ>

 好いコースです。来日バス停から山頂に至る登山道は、80%以上が自然林に囲まれ、山頂近くはブナも混じった広葉樹に覆われており、気持ち良く歩くことができます。山頂からの眺望も格別です。下りの林道歩きは少々退屈ですが、紅葉のピーク時には「紅葉平」で素晴らしい秋色を楽しめると思います。温泉好きの皆さんにとっては、下山後の一風呂も格別でしょう。




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