三室山[1358m]    所在地:兵庫県宍粟市  地形図:1/25000 西河内    ルートMAP     



< イントロ >


  先日(10/12)の日名倉山の山行では見通しが悪く「氷ノ山」を南方向から眺めることが出来なかった。今回はさらに北に入って三室山(p1)
上がってみることにする。三室山は鳥取県若桜町と兵庫県宍粟市千種町の境界に位置する兵庫県第二の高峰で、播磨地区の最高峰である。ガイド
ブックによると山頂への登山道は兵庫県側の三室高原からのルートだけの由。10/14夜半から10/15にかけて大雨となったので、一日置いた10/17
に出発する。 
(注1) 兵庫県の山(山と渓谷社)[2009年5月1日初版第2刷]
   

   
    p1  日名倉山からの三室山(後方)


 日時:2011年10月17日(月)     天候:晴れ、時々曇り

 コース: 宍粟市千種町河内  →  林道終点       山頂    →   林道終点      駐車場

      市民の森駐車場     (登山口)            (登山口)

                10:50       11:20      13:10/14:00     15:10       15:35



< アクセス >

 中国自動車道を西に走り、山崎ICで降りる。県道53号を西方向に進んで、作用町の下三河から県道72号に入って千種川沿いに北上する。千種町
河内で県道72号から分かれて(出合橋を渡らずに直進して)千種川の支流になる河内川沿いの舗装道路を北上する。燗鍋滝(かなべのたき)の
東側を通過し、スギの植林帯を抜ける舗装道路(p2)を進むと、三叉路があり正面の道路際に「三室山登山口→」の標識(p3)が設置されている。(2011/10/17現在、左折方向は通行止め) 矢印に従って右折し、狭い舗装された林道(p4) を進むと右手道路脇に20台以上は優に停められそうな
広い駐車スペース(p5)が現れる。スペースの南側の端に駐車する。先着車は3台。

 駐車スペースの東側の隅には屋根付きの休憩所(p6) も設けられている。駐車スペースの道路を挟んだ反対側(北側)は、青少年野外活動センター
の跡地で、建物が撤去された緩斜面に広葉樹の苗木が植えられている。斜面を北方向に少し登ると微かに色づいた三室山の三角錐(p7)が姿を現す。
緩斜面には標高723mの石柱の標識(p8) が立てられている。


         
 
p2  三室高原に向かう舗装道路    p3 登山口への矢印表示      p4 舗装された林道       p5 広い駐車スペース 

  
 p6  駐車スペース脇の休憩所    p7 センター跡地からの三室山  p8 標高723mと表示した石柱


< ゴーイングアップ >

 車で走ってきた林道をそのまま辿って徒歩で北上する。基本的にスギの植林帯を抜ける林道だが、自然林の一画も存在し(p9)、気持ち良く歩く
ことができる。「三室山登山口→」の矢印道標(p10)で左に折れて、さらに林道を進む。大小の岩が転がる路面(p11)は、かなり荒れていて普通車
でここまで入るのは無理なようだ。やがて右手に沢(p12)が迫る。

   
     p9  林道         p10 林道脇の道標       p11 荒れた林道の路面    p12 林道の右手の沢(河内川上流)
 

  駐車場から丁度30分で「三室山登山口」の道標(p13)が立つ林道終点(p14)に到着する。道標の足下には木板の道標(p15)が落ちている。これが
ガイドブックに記載されている「古い道標」だろうか? 赤字で「山頂まで70分」と書かれているが、その「70」が黒字で「90」と書き換えら
れている。その下側には小さく「100分」とも書かれている。


       
       p13 「登山口」の道標          p14  登山口         p15 古い木板の道標


 ここから山道に入る。スギの植林帯を抜ける登山道(p16)を沢に沿って北上する。沢を渡り(p17)、沢の右側を遡上する。一昨日まで大雨が降
ったせいか、もの凄い水量だ。岩混じりの登山道は濡れて滑りやすい。「山頂まで60分」の道標(p18)で左に沢(p19)を渡り、スギの植林帯の登
山道(p20)を進む。

岩屋のようにも見える三角形の穴がある巨岩(p21)の横を抜け、沢を右手下に見るようになると、左手登山道(p22)脇に赤いリボンが巻かれ
た小さな道標(p23)がある。ここで沢から離れて山腹を西方向に進む。

    
    p16 沢沿いの登山道       p17 沢に渡した丸太橋       p18 矢印道標         p19 増水した沢
  
   
 p20 スギの植林帯の登山道      p21 苔むした巨岩       p22 登山道脇の道標        p23 道標の表示


 スギの植林帯を抜ける登山道(p24)は木枝が散乱、堆積して踏み跡が分かりずらいが、そこかしこの木幹にテープ(p25)が巻かれていて安心で
ある。苔むした大きな岩が転がる気持ちの良い一画(p26)を抜ける。左手に自然林が現れて秋色(p27)が目立ってくる。

   
 p24  スギ植林帯を抜ける登山道    p25 木幹の赤テープ    p26 苔むした岩が転がる登山道    p27 登山道脇の秋色


 南に面した登山道(p28)は明るく、ジャノヒゲが群生する気持ちの良い一画をジグザグ(Z字状)に進む。山道は程よい傾斜で激しく息が切れ
ることはない。やがて南側が開けて、後山と船木山が姿を現し(p29)、その左手に日名倉山の一ノ丸から山頂に至る稜線が頭を出す。

スギが植林されたエリア(p30)や植林帯を自然林が侵蝕したような一画((p31)をZ字型に抜ける。木幹に掛けられた「標高1200m」の標識(p32)
を過ぎると、秋色に覆われた自然林(p33)の中に苔むした巨岩が散在する気持ちの良い場所(p34)に出て、ここで一息入れる。

       
p28 ジャノヒゲが群生する登山道    p29 登山道からの南側の展望        p30 スギの植林帯の登山道            

   
 p31 植林帯を侵蝕する自然林   p32 「標高1200m」の表示板   p33 登山道沿いの秋色     p34 苔むした岩が転がる登山道


 背丈以上の高さのササ藪を抜ける道(p35)を進んで行くと、賑やかなお喋りと、リンリン、カランカランという熊鈴の音が聞こえて前方にシニ
アの女性3人のハイカーグループが現れる。先着していた車の皆さんらしい。(結局、山中で遭遇したのはこのグループだけでした) 山頂から
北西方向に延びる尾根筋は、素晴らしい秋色(p36)。やがて東から南側が開けて、竹呂山やその後方に植松山(p37)もくっきりと見える。

       
    p35  ササ藪を抜ける登山道       p36 尾根筋の秋色         p37 植松山(後方右)


 突然、前方に鎖場(p38)が現れる。何も考えずに鎖に取り付くが、足裏を預けるポイント見つからず、上腕の筋力頼みで這い上がる羽目に
なる。ここは、いったん左手に巻いて岩の裏側に回り、ロープ場(p39)を登る方がはるかに楽だったようだ。

          
         p38  鎖場            p39  ロープ場



 山頂から南方向に延びる稜線からは南方向が開けて、秋色に染まった北東方向に延びる稜線や植松山、河内川と千種川沿いの集落を挟んで
笛石山、日名倉山、後山などが一望できる(p40)。さらに、なだらかなササ道(p41)を進むと山頂である。


       
       p40 山頂南側の尾根から南方向を望む        p41 山頂近くのササ道



< トップ >

 二等三角点(p42)が埋まるなだらかで広い山頂(p43)(p44)にはハイカーの姿は無し。雑木に隠れる南方向の一部を除いて、ほぼ360°の大展望が
開ける。薄くガスが架かって見通しは良くないが、北方には、東西方向に長い裾野を引いた氷ノ山(p45)が座り、その左手に陣鉢山が顔を出して
いるのが微かに見える(p46)。東側は藤無山、三久安山、阿舎利山、一山(p47)などが遠望できる。氷ノ山を間近に見ることができたことに満足
して昼食とする。缶ビールを開けてノンビリしていると、いつの間にか氷ノ山はガスの中(p48)。ネットでこの三室山の天候の不安定さを嘆いて
いるハイカーさんがいましたが、確かに難しい山のようです。

   
   p42  二等三角点        p43  山頂広場         p44  山頂表示       p45 氷ノ山(最後方中央)


                   p46  山頂から北西→北方向を望む


                   p47  山頂から北→東方向を望む


 p48 ガスが掛かった氷ノ山  


< ゴーイングダウン >

 下山中もハイカーには遭遇せず、駐車場には私の車だけが残されていました。静かでノンビリした山行でした。


< エピローグ >

 好い山です。前回の日名倉山の山行が散々だった反動もあるかも知れませんが、昨秋から今秋にかけて歩いた「兵庫50山」の28座のうちこの
三室山がベストのように思います。冒頭の林道歩きは何とか許容できる範囲内で、沢筋から始まって、山腹を巻き、さらに尾根筋を進むルート
も変化があって楽しいと思います。登山道は、全て山の南側斜面に設けられていて植林帯を抜ける区間でも明るく、さらに山頂から南西方向に
延びる斜度のきつい尾根筋を辿る区間では、程よい傾斜でジグザグ(Z字型)に登山道が延びていて「心臓破りの・・」と形容するような急登
もありません。自然林が豊富で秋色を十分に楽しむことができ、尾根筋から望める南側の素晴らしい展望に加えて、苔むした巨岩が散在する高
度1200mあたりからの登山道周りの穏やかな雰囲気も山歩きを一層楽しくさせてくれます。そして山頂からの大展望。生憎、今日はガスが掛かっ
ていましたが、見通しが良い日であれば、播磨、但馬のほとんどの山々を眺めることができると思います。さらには、広い駐車スペースがあり、
舗装道路でアクセスできる便利さもこの山の魅力の一つと言えるかも知れません。




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