三尾山(586m)   所在地:兵庫県丹波市   地形図:1/25000 宮田     ルートMAP 



< イントロ >


 三田市域は薄い朝靄に覆われて六甲山も、羽束山も霞んでいる。天候は明日から下り坂との予報が出ており、春日町の中山地区からピストンで入山禁止期間が解けた兵庫50山の三尾山(p1)に登ることにする。数年前までは、舞鶴・若狭自動車道を北上すると春日ICの手前で「丹波の名山 三尾山」と表示された白い看板が目についた。現在この看板の表示は木枝に隠れてしまっているが、道路脇の山が三尾山そのものであることを知ったのは、つい最近のことである。

 NHKの大河ドラマ「春日の局」が話題になった頃、明智光秀の重臣、斉藤利三の居城であった黒井城跡に家族一緒に登ったことがあるが、三尾山頂にあった三尾城がその黒井城の支城であって、両城とも元々は、赤井氏の居城で天正7年の明智光秀の丹波攻めで黒井城は落城、三尾城は焼失したことを「YORIさんのホームページ」で知る。山頂から360度の眺望が楽しめる山の由。午後には見通しも良くなると見込んで、11時過ぎに自宅を車で出発する。


時 : 2010年12月1日(水)
    天候 : 晴れ

コース :丹波市春日町中山

             登山口 →  前三尾展望地(東峰) → 三尾山頂(本峰)  →  登山口

                    11:55     12:35/12:45      13:00/13:30         14:20


< アクセス >

■ 中山登山口へ

 三田西ICから舞鶴・若狭自動車道に入って北上する。春日ICの手前で道路の左手に三尾山が迫ってくる。昼近くになっても見通しは良くない。春日ICで降りて国道175号線から県道69号に入り南下して、登山口を目指す。春日町国領で舞鶴・若狭自動車道の高架下を抜けて東進する。右手前方に三尾山(p1)が見えてくる。春日町東中で右手道路脇に「三尾山登山口」の良く目立つ看板が見えてくる。これは、佐仲峠への林道に繋がる道で、右折せずにパスして直進する。鹿場(かんば)口のバス停を抜けて、さらに進むと左手道路脇に「中山公民館→」の看板(p2)があり、道路の前方には多紀アルプスの主峰の三嶽とその右側に西が岳の雄姿が遠望できる。「中山公民館→」の看板から県道69号の道路を跨いだ反対側の白いガードレールの後ろ側に「三尾山登山口→」の看板(p3)がある。ここで右折する。

     

  p1 東中地区からの三尾山      p2「中山公民館→」の看板       p3 登山口の看板


■ 駐車スペース探し

 車1台の幅長+αの狭い舗装道路を南下する。ガイドブックやネット情報で登山口の手前に駐車スペースがあることが分かっているので、そこに停める算段だが、他の駐車スペースも調べておきたい・・と、まず道路右手の中山公民館の広い駐車場に入る。既に車3台と陸上自衛隊の隊員輸送車が2台駐車している。停めてもらえそうだが・・、とりあえずもう少し山側に入ってみることにする。

 さらに舗装道路を南下すると、前方に門扉が見え、その手前の道路右側にある盛り土の上に朱色の鳥居が並んだ神社があり、その西側にも駐車スペース(p4)がある。登山口へのアプローチが少し長いが、十分に広いスペースである。さらに道路前方の門扉(p5)を開けて車を入れて、扉を閉め、舞鶴・若狭自動車道の高架下に向かう。ネット情報にあったとおり、この高架下にも車3台くらいは置けるスペース(p6)がある。

    
 p4 神社の西側の駐車スペース      p5 門扉(開放厳禁)     p6 舞鶴道の高架下の駐車スペース


 ここから先の道路は舗装されていない。凸凹の激しい岩混じりの狭い林道を暫く上がるとコンクリートの堰堤の横に階段状の登山道があり、その手前の道路左側に車が4台ほど停められるスペースがある(p7)


p7 登山口の駐車スペース(山側から
撮影したので右側になっている)       



 既に福知山駐屯地の第七普通科連隊の隊員輸送車が2台駐車している。歩哨任務で残っている?隊員さんに、輸送車の隣りに停めてもいいかどうか訊ねると、無線で上官に連絡を取ってくれて「どうぞ停めてください」と丁寧な回答。バックで駐車しようとすると車の後ろに回ってくれて誘導の合図までしてくれる。感謝感激です。

 過去、警察官の横柄な態度に腹が立ったことは何度もあるが、第一線の自衛隊員から嫌な思いをさせられたことは記憶にない。政府のナンバー2の重責を担う人物が、この皆さんを「暴力装置」と表現したようだが、破廉恥極まりない。その当人こそが排除されるべき「暴言装置」である。


< ゴーイングアップ >

 まず植林された杉林の中を通る沢筋の道(p8)を進む。沢を渡ると壊れかけた休憩所らしい建屋があり、その横の崖の前に「山岳訓練場」の看板がある(p9)。崖の上では、さきほどの隊員輸送車で到着した第七普通科連隊のレンジャー部隊が山岳訓練中のようだ。崖の上の方から聞こえる気合の入った大きな声を背にしながら、澄んだ沢の流れのすぐ横を通るゴツゴツとした大きな露岩がころがる登山道を進む。やがて沢水が消えるが、そのまま沢筋の道を進む。登山口から25分ほどで、登山道は沢筋から外れて急登になる。周囲は杉林から自然林に変わる。

 小さな樹木には、地元の皆さんによって、その名称と、分類される「科」名を記載した表示板が掛けられていて、植物の見分け方を勉強中の素人には、とても役に立つ。堆積したオレンジ色の落葉を踏みながら進む。ここ数日、雨が無かったためか落葉が乾いて、パリパリと心地良い音がする。しかし、落葉の下には浮石も多く、何度か転がしてしまう。幸いこの時間帯の登山者は、私一人のようだが、石を落とさないように慎重に足を運ぶ。

  
p8 スギの植林帯を抜ける登山道      p9 山岳訓練場の崖


 登山者への激励を意図しているのか、 50〜100mおきに「山頂まで××m」の表示板が設けられている。振り返ると木立の間から、三尾山頂から東に延びる稜線が見える。突然、下山途中のシニアのハイカー二人と遭遇する。高架下に停めてあった車の人たちだろうか。

 日中は暖かく17℃くらいになるとの予報どおり、カッターシャツ一枚だけでもかなり汗をかいてしまう。登山口から35分ほどで前三尾(東峰)と三尾山頂(本峰)を結ぶ稜線に出る。右「前三尾展望地」と表示した道標(p10)がある。右方向に150mほど稜線を辿ると突然、展望が開けて50平米ほどの広さの前三尾(東峰)の頂上(p11)に出る。ここで小休止。

  
    p10 稜線の道標      p11 前三尾(東峰)山頂、後方に三嶽



 前三尾からの眺望は雄大で、北側は直ぐ足下を走る舞鶴・若狭自動車道から福知山方面、東側は多紀アルプスの稜線と西ケ岳、三嶽、西側は、譲葉山から向山への稜線と春日町黒井地区が鮮やかに見渡せる。ガイドブックには、見通しの良い日は、粟鹿山や千ケ峰まで遠望できるとあるが、あいにく午後になっても見通しは悪く、今日はとても無理のようです。前三尾からは、西三尾の山頂の東側を巻いて、落葉が堆積した稜線の道を15分ほど歩いて三尾山頂に到着する。登山口から山頂まで、前三尾(東峰)に寄っても僅か1時間である。
 



< トップ >

 
 百平米を越える広さの三尾山頂(p12)広場の中央には、「三尾城址」の石碑があり、山頂からは松の木枝に隠れた西側と南側の一部を除いて、ほぼ360度の素晴らしい眺望が広がる。東側には多紀アルプスの西ケ岳、三嶽、小金ケ岳が悠然と連なり(p13)、10月に西方の高見城山から眺めて、とんがり帽子のピラミッド型に見えた黒頭峰と夏栗山は、ここでは緩やかな扇型の輪郭を描いて南側に横たわり、その稜線の鞍部の後方に白髪岳と松尾山が顔を出している(p14)

    
   p12 山頂広場(三尾城址)           p13 西ケ岳、三嶽(後方中央)   p14 夏栗山(左)と黒頭峰(右、半分だけ)
                                      白髪岳(後方右側)


 南東側は、愛宕山、三国ケ岳、三国ケ嶽、大野山、弥十郎岳などがうっすらと望め、南西方向には妙見山、西側は譲葉山から向山への稜線(p15)、北西方向には黒井の街(p16)と、この三尾城の本城となる黒井城跡から千丈寺山を経て五大山へ延びる稜線や五大山から鷹取山へ至る稜線が鮮やかに望める。鷹取山の後方には先月登った五台山が姿を現している。小春日のぽかぽか陽気の誰もいない山頂でノンビリと握り飯を頬張る。大満足です。
(ドコモ携帯の電波強度表示は3本)

   
 p15 譲葉山と向山への稜線     p16 春日町黒井地区と五大山          


< ゴーイングダウン >


 来た道を引き返して50分ほどで登山口に到着する。駐車スペースにはジープが1台加わっていて(p7)留守番の自衛隊員は交代している。軽く会釈をすると、丁寧なお辞儀で返されて恐縮する。帰路、神社横などの駐車スペースを写真に収める。


< エピローグ >


 広くゆったりとした山頂広場からの全方位の素晴らしい眺望がこの山の最大の魅力と思うが、中山地区が松茸入札区域で、紅葉シーズンを含めて11/25まで三尾山への入山が禁止されているというのは、何とも残念である。




                                       Top Page


inserted by FC2 system