小野アルプス(紅山[182.8m]、惣山[198.9m]) 
  
 所在地:兵庫県小野市    地図:1/25000 三木、社       
ルートMAP  



<イントロ>


 
米国メディアがスーパータイフーンと形容している台風19号(ヴォンフォン)が南西諸島に近づきつつあり、週明けの近畿地方は大荒れになるとの予報が出ている。昨晩、東播磨から北摂地域には俄雨が降ったが、今朝は一転して爽やかな秋晴れである。今日一日は、この天気が続きそうなので、購入したばかりの「vibramソール」を使った新しいトレッキングシューズのグリップ性能の確認を兼ねて、傾斜角が最大35度の岩盤(p1a)上を歩けるという小野アルプスの「紅山(べにやま)」(p1b)に登ってみることにする。

                     
         p1a  紅山の岩盤           p1b 惣山から眺めた紅山


  岩倉入口から東方向に歩いて小野アルプス縦走路上の「総山(そうやま)」と「アンテナ山」の間の鞍部を目指し、ここから「アンテナ山」、「惣山[そうやま](小野富士)」、「紅山」の三山を縦走することにする。


 日射しが強いので、午後になれば登山道もそこそこ乾くだろうと見込んで、昼過ぎに小野市の鴨池公園駐車場に到着する算段で出発する。



日時 : 2014年10月10日(金)    天候 : 晴れ

コース : 鴨池公園 → 岩倉入口 → アンテナ山 → 小野富士→小野見山 → 紅山 → 鴨池公園 

      駐車場         山頂         (惣山)山頂       山頂    駐車場

      13:10    13:35  14:20/14:30   14:45/15:00    15:30     16:10 


<アクセス>

 
カーナビの目的地を小野市の男池湖畔にある小野ゴルフ場の南側の鴨池公園に設定して、県道17号から20号を西に走る。県道353号で小野市域に入り、12:40に鴨池公園の広い駐車場(p2)に到着する。駐車場の東端には、休憩所(p3)と水洗トイレが設置されている。車内で腹ごしらえをしてから、休憩所の入口横のパンフレット置き場で「小野アルプス ハイキングマップ」(p100)を入手(無料)して出発する。ネットでも紹介されているこのパンフレットは「優れもの」です。

           
    p2 鴨池公園の駐車場     p3 鴨池公園の休憩所      p100 ハイキングマップ



<ゴーイングアップ>

【 小野アルプス縦走路へ 】

 
駐車場の南側の舗装道路(p4)を西方向に進み、男池(鴨池)(p5)沿いを歩いてから右折して女池の北側を東方向に進む。右手に惣山(小野富士)、紅山、岩山が見えてくる(p6)。右手道路脇に「紅山登山コース」と表示した道標(p7)があり、右折して女池(p8)の東側を南下する。女池は、シベリアから渡ってくるコハクチョウが観察できる池として有名らしく、「そっと見守りましょう」の看板が立てられている。

        
  p4 駐車場の南側の道路     p5 男池(鴨池)沿いに歩く      p7  道標

     
   p6  女池(鴨池)と紅山、惣山(小野富士)          p8  女池(鴨池)


 舗装道路が左にカーブして、曲がりきった右手道路脇に「きすみの見晴らしの森」と書かれた道標(p9)がある。ここで右折(p10)して紅山への地道のアクセス道(p11)を南方向に進む。

           
     p9  道標         p10 紅山へ向かう      p11 紅山へのアクセス道


 雑木林を抜けて(p12)、コンクリートのU字型の溝を越え(p13)、さらに左手に刈入れ間近の稲穂が揺れる田んぼを見下ろせる小道(p14)を進む。左手前方に惣山(小野富士)が迫り、直ぐに今日のターゲットのアンテナ山、惣山(小野富士)、紅山の三山(p15)が前方に現れる。

       
   p12 雑木林を抜ける      p13 U字溝を越える      p14 田んぼ沿いの小道

  
   p15 目標の三山(アンテナ山、惣山[小野富士]、紅山)


 右手に小池を見ながら直進して山道(p16)に入る。ここが岩倉入口である。自然林の中の雰囲気の良い小道(p17)を進むと、北側から紅山に登るルートの分岐(p18)があり、その少し先の左手に中央林間広場への分岐の道標(p19)がある。ここでV字型に左手の登山道に入り(p20)、中央林間広場経由で小野アルプス縦走路の総山とアンテナ山の間の鞍部を目指す。

        
    p16 岩倉入口        p17 雰囲気の良い小道      p18  道標

     
  p19 中央林間広場への道標    p20 V字型に左折する




【 アンテナ山へ 】

  登山道(p21)は良く整備され、地元の自然保護団体が設置した道標(p22)がそこかしこに置かれている。自然林の中を抜ける雰囲気の良い登山道(p23)を東方向に10分ほど歩くと、中央入口(展望デッキを経て惣山[小野富士]への直登ルート)への分岐(p24)に達し、さらに10分ほど歩いて縦走路への分岐(p25)に至る。自然林の中の比較的穏やかな上り勾配(p26)を5〜6分で登り切ると、総山とアンテナ山を結ぶ稜線の鞍部に達する。

        
   p21 木組みの階段道      p22 詳しい表記の道標    p23 雰囲気の良い山道  


        
   p24 惣山への分岐       p25 縦走路への分岐      p26 縦走路への上り坂


 ここから稜線(p28)を西方向に辿る。直ぐに南側が開けて、登ってきた登山道の後方に総山(p29)、前方にはアンテナ山と惣山[小野富士](p30)が見える。南方向には眼下の山陽自動車道と稲穂で黄色に染まった田んぼの背後に加古川の市街地と工場群が見渡せる(p31)

        
  p28 アンテナ山への稜線道    p29 稜線道からの総山      p31 南側の展望


  
   p30 稜線道からの惣山(小野富士)とアンテナ山


 さらに小さなアンテナが建つアンテナ山の山頂(p32)の手前からは東側も大きく開けて、小野市街の後方に遠く羽束山や大船山(p33)などの三田市の山々、その右手には篠山の白髪岳とその後方の三嶽が重なったような大きな山塊(p34)、さらに総山への縦走路の背後には、神戸市の六甲山系(p35)も眺められる。大展望を楽しみながらここで小休止とする。ウィークデイのためか、ここまでハイカーとの遭遇は無し。

      
 
  p32 アンテナ山の山頂を望む     p33 三田市方面の展望       p34 篠山市方面の展望

  
   p35 小野アルプス縦走路を望む(後方に六甲山系)



【 惣山(小野富士)へ 】

  山歩き団体が設置した山頂表示板(p36)が木枝に掛かるアンテナ山の山頂を踏んでから、いったん下って惣山[小野富士](p37)に向かう。岩盤道(p38)を降りる途中で木立の間から北方向に笠形山(p39)が見える。南側は大きく開けて淡路島まで見通せる(p40)

        
    p36 山頂表示板      p37 惣山(小野富士)を望む    p38 惣山への岩盤道

        
   p39 笠形山方面を望む    p40 淡路島まで遠望できる


 ロープが設置された急坂(p41)を登り返すと、惣山[小野富士]の山頂(p42)である。山頂から「展望デッキ」の表記がある道標に従って北方向に進むと、前方に大きな岩場(p43)が現れる。この岩場は、小野市街が見渡せることから地元では「小野見山」と呼ばれているらしい。左手には本日のターゲットである紅山の赤茶色の岩肌(p44)が一望でき、右手には小野市街から三田方面、小野アルプスの後方に三木の雄岡山や丹生山系、六甲山系まで見渡せる(p45) 。持参した缶ビールを空けて暫し、素晴らしい展望を楽しむ。

   
 p41 惣山への上り坂   p42 惣山(小野富士)の山頂   p43 小野見山    p44 小野見山からの紅山

  
            p45  小野見山からの南東側の眺望


 マップによると、この岩場の北側に、360°の展望が楽しめる「展望デッキ」が有るらしいが、「小野見山」の表示板の近くで、バカでかいキイロスズメバチ(p46)の攻撃を受けて「デッキ」の存在を完璧に失念してしまう。残念無念。

   
       
p46 恐怖のスズメバチ



【 岩倉峠へ 】

  惣山(小野富士)からは稜線(p47)を辿って、さらに岩倉峠までの標高差約120mの激下りとなる。ヒノキの植林帯の中に良く整備された急勾配の木組みの階段道(p48)が続く。木陰になっているためかこの辺りの登山道は昨晩の雨がまだ乾いていない。滑らないように慎重に降りる。

              
    p47 惣山から稜線道を行く       p48 岩倉峠へ下る


 10分余でベンチ(p49)が二つ置かれた岩倉峠の分岐(p50)まで下る。道標(p51)に従って左折して「紅山」を目指す。直ぐ右手に「紅山頂上 南コース0.4km」の道標(p52)があり、ここで右折(p53) して紅山登山コースに入る。


        
  p49 岩倉峠に置かれたベンチ  p50 岩倉峠の分岐の道標     p51 分岐を左折する       

        
  p52 紅山への分岐の道標    p53 道標に従って右折する



【 紅山へ 】

  シダが茂る雰囲気の良い急勾配の山道を登ると、前方に肌色に赤茶色が混じった紅山の岩盤(p54)が現れ、ここから標高差 90 〜100mの岩盤登りが始まる。岩盤の上に乗ると、表面(p55)はザラザラでしかも凹凸だらけで滑りにくく、危険は感じない。この岩肌であれば、わざわざ「vibramソール」を使うまでもなく、市販の街歩き用のスニーカのゴム底でも十分に対応できそうだ。

       
     p54 紅山と岩盤         p55 岩盤の表面


 登山者を岩壁の左側に誘導するように白ペンキの矢印マーク(←)が岩肌に付けられている(p56)が、その意味が理解できない。とりあえず岩壁の中央に付けられた白い○印に従って岩盤を直登する。一頻り登って、下を眺めるとこんな感じ(p57)で、高所恐怖症の私にとっては十分なスリルです。[登る途中で、岩盤の左側の端に沿ってロープが張られているのが見えました。白ペンキの矢印マークはこのロープが張られたエスケープルートに誘導する意図のように思えます。極度の高所恐怖症の方や体力に自信の無い方、あるいは四つん這いの姿など他人には絶対に見られたくないという美意識をお持ちの方は、こちら(左手)のルートがお薦めです]

       
   p56 ○印に従って直登する      p57 下を眺める


 岩盤を半分ほど登ると、「岩盤に横方向に50〜80cm幅の切り溝が設けられている箇所」があり、岩盤の傾斜は、ここから一層厳しくなる。手に持っていたデジカメをザックにしまい込んで、今度は四つん這いになって岩肌を登る。岩壁の右手方向に岩の間から草や木枝が顔を出しているエリアが見えたので、右手に進むと、狭いが平坦なエリアに出る。時ならぬサツキによく似た花(p58)の歓迎を受ける。ここで小休止して呼吸を整える。ここからは、この岩肌(p59)をよじ登る。

       
   p58 艶やかな花々の歓迎      p59 さらに岩盤が続く 



< トップ >

  岩盤を 登り切ると、秋の日射しが眩しい南方向に絶景(p60)が広がる。不思議にもほんの少しではあるが「達成感」を感じてしまう。山頂(p61)の木幹には、地元のハイカー団体が設置した山頂表示板(p62)が掛けられている。

  
                p60   南側の展望

       
    p61 紅山の山頂          p62 山頂表示板


< ゴーイングダウン >

  ここからは、鴨池やゴルフ場が眺められる北方向(p63)に尾根筋を下る。露岩の道(p64)やロープが張られた急傾斜の階段道(p65)を慎重に降りる。岩倉古墳への分岐(p66)を左手にパスすると、昼一番に歩いてきた岩倉入口への登山道(p60)と合流する。結局、山中でのハイカーとの遭遇は無し。

         
   p63 北方向が開けた下山路   p64 岩が露出した登山道     p65 激下りの階段道

         
    p66 岩倉古墳への分岐    p67 岩が露出した登山道


< エピローグ >

  登山道は良く整備されており道標も親切です。「アンテナ山」の稜線や惣山(小野富士)の北側の「小野見山」からの眺望は格別で、さらに「紅山」の岩壁登りでは、若干のスリルも味わえます。広い駐車場が有り、小野アルプス全山の縦走が時間的に無理な場合でも、時間的余裕に応じて登山ルートを選択できるところもこの山の魅力の一つと思います。ウィークデイであれば、山頂の独り占めも可能なようで、人嫌いのハイカーにもお薦めです。そして鴨池公園の休憩所に置かれている小野市観光協会の「ハイキングマップ」。これは本当に良く出来ています。


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