六甲山[紅葉谷→最高峰(931.3m)] 

    所在地:兵庫県神戸市   地形図:1/25000 有馬、宝塚        ルートMAP



< イントロ >


 1980年代の初めから、秋の紅葉シーズンには「六甲紅葉谷」を歩くのがわが家の恒例行事のひとつだった。90年代の中頃まで紅葉谷は、モミジの数も多く、登山道を覆った黄色やオレンジ色の中に鮮やかに映える赤が素晴らしく、有馬から極楽茶屋までのほんの一時間余の山行で秋を満喫できた。阪神大震災以降、何かが変わってしまったのか・・、年毎にモミジの数が減り、2000年代に入って、白石谷と紅葉谷の合流点近くの沢に木枝を垂れていた紅葉谷を象徴するような大きなモミジも消えてしまった。往時の紅葉の美しさを失った紅葉谷だが、秋になると何故かしらここを歩きたくなる。

「有馬の紅葉が綺麗」という近所の奥さんたちの会話を耳にして、毎年この季節に足を運ぶ紅葉谷を今年は未だ歩いていないことに気が付く。有馬から紅葉谷に入り、極楽茶屋跡で六甲山の稜線に出て、久しぶりに最高峰を踏んでから魚屋道を有馬に降りるルートで紅葉を楽しむことにする。


時 : 2010年11月25日(木)     天候 : 晴れ

コース :ロープウェー有馬駅                                     ロープウェー有馬駅

         駐車場 →(紅葉谷)→ 極楽茶屋跡 → 最高峰 → 魚屋道 絶景ポイント  → 駐車場

              9:10           10:30  11:10/11:35   12:00/12:30       13:00



< アクセス >

 国道176号線を南下して西宮市に入り、左手に北六甲台団地を見ながら新明治橋の交差点で県道82号に入り、さらに県道98号を南下して有馬温泉へ。「かんぽの宿」の前を抜けてロープウェー有馬駅に向かう道路(p1)は、紅葉のピークを迎えつつある。車はロープウェー有馬駅の北側の駐車場(p2)停める[注]。駐車場は、紅葉シーズンの週末には常に満車になるが、ウィークデイの今日は未だ10台分ほどの空きがある。
[注]駐車場代は、600円/日。登りか下りにロープウェーを使うと無料。

    

   p1 有馬温泉の紅葉       p2 ロープウェイ有馬駅の駐車場
   


< ゴーイングアップ >

 ロープウェー駅の南側にある鼓ケ滝公園で例年に比べて格段に鮮やかな紅葉(p3)を楽しんだ後、駅の東側の大谷川に沿った林道を南に進む。右手頭上を山頂に向かって登っていく有馬発の朝一番のロープウェーが陽光を受けて光っている。湯槽谷山を右手に見ながら射場山ダムの横を抜けて、左手の魚屋道への分岐をパスすると大谷川の河原に出る。この辺りは、昔、格好のキャンプ場だったが、ここ数年は何時終わるとも知れない砂防工事?が続いている。

 年配の女性ハイカー5人組を追い抜く。ウィークデイだが、六甲には大勢のハイカーが繰り出しているようだ。湯槽谷峠方面と紅葉谷方面の分岐に出る。左手の沢を渡って紅葉谷へ向かう山道に入る。分岐から5分ほどで白石谷と紅葉谷の合流点の河原に出る。ここから道標に従って秋色の紅葉谷(p4)に入る。分岐点には立派な道標(p5)が設置されていて不安はない。
 
         
   p3 鼓ケ滝公園の紅葉        p4 秋色の紅葉谷            p5 道標         


 百間滝への分岐を過ぎて、紅葉谷を右手眼下に見ながら沢沿いを堰堤まで進む。この辺りがルート上で最も紅葉が美しいところであるが、残念ながら2週間ほど遅かったようだ。堰堤の手前で右手に折れて谷の西側を巻く。このあたりの北斜面にはブナが生育している。木枝の間から最高峰(p6)が顔を出す。

 下山途中の中年ハイカーとすれ違う。阪神大震災で水脈が動いて水が枯れてしまった右手の水場跡を抜け、稜線への急登を一頻り登ると昔の極楽茶屋の横に出る。道路を横切って展望場に出ると眼下に六甲アイランド、芦屋浜、西宮港から大阪方面が見渡せる。生憎、今日は見通しが良くない。

ここからは、ドライブウェイ沿いの六甲全山縦走路(p7)を歩いて最高峰を目指す。すれ違うハイカーの数が一気に増える。10人目までは数えたが、多すぎてカウントを諦める。「紅葉谷はこん道でええか?」「ロープウェエーの駅はこっちかいな?」すれ違った後に大声で訊かれる。最高峰手前で左手に湯槽谷山(p8)の全容が現れる。さらに100mほど上がると一軒茶屋から最高峰山頂に向かう舗装道路に出る。

 
          
  p6 紅葉谷から最高峰を望む      p7 六甲全山縦走路       p8 最高峰の南側からの湯槽谷山  


< トップ >

 
 20年以上ご無沙汰していた山頂(p9)は、周囲の草木が人の背丈を越えて伸びていて期待していた眺望は得られない。昔、山頂の東側に設置されていた米軍のアンテナ(p10)は撤去され、自衛隊のアンテナ塔(p11)に置き換わっている。辺りは、昼食を山頂で摂るつもりで登ってきたハイカーで一杯になる。50人くらいはいるようだ。山頂付近を徘徊するが、満員で、腰掛けるのに適当な場所が見つからず、有馬に降りることにする。

    
  p9 最高峰の頂上広場      p10 米軍のアンテナ     p11 アンテナ塔          

 
< ゴーイングダウン >

 一軒茶屋を右手に見て、魚屋道を有馬に下る。20代の頃、阪急線の芦屋川や御影、宝塚などから山に入ってこの魚屋道を何度も下ったが、この道を登ってくるハイカーとすれ違うことは、ほとんど無かった。今日はウィークデイのはずだが、次から次にハイカーが上がってくる。中高年が圧倒的に多いが、中には若者のグループも混じっている。昔、勤務先の山岳部やスキー部が主催した六甲縦走大会でも、これほどの人には遭遇しなかったと思うが・・。

 有馬に近づくにつれて秋色が一層鮮やかになる(p12)。有馬への路程の半分ほど降りたところに北側の展望が開ける絶景ポイントがあり、ベンチが置かれている。ここで昼食とする。丁度、12:00。左手から射場山が張り出し、遠く前方に羽束山、その左側奥に千丈寺山、右手後方に大船山が見える。写真に収めるが、私の貧弱なカメラでは、ベストショットとはいかない(p13)。30分ほどノンビリしてから腰を上げる。ここから有馬までは、秋色三昧(p14)。紅葉谷よりも、はるかに素晴らしい秋色で、ようやくこの魚屋道を登ってくるハイカーが多い理由が理解できた。

       
     p12 秋色の魚屋道            p13 羽束山(後方中央右)と大船山(後方右)    p14 有馬近くの魚屋道



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