西光寺山(712.9m)  所在地:兵庫県篠山市/西脇市   地図:1/25000 谷川     ルートMAP



<イントロ>


 週末に向かって天候は下り坂との予報が出ていたので、一昨日登った白髪岳の南西方向で圧倒的な存在感を示していた西光寺山(p1)
に急遽登ってみることにした。西光寺山は、西方の笠形山と対向して東播磨平野の北辺に鎮座し、山頂からの眺望に優れた山である。今田本荘から西光寺池の脇を抜ける一番ポピュラーなルートをピストンすることにする。

 TVのニュースショー番組の司会者が、二人の日本人科学者によるノーベル化学賞受賞の朗報を歓喜の声で伝える中、自宅を車で出発する。


時 : 2010年10月7日(木)
    天候 : 晴れ

コース :  篠山市 今田本荘                        

     西光寺山登山口(本荘墓地横) →(金鶏伝説のみち)→    西光寺山 山頂  →   登山口
              11:30                        13:20/14:15        15:15


<アクセス>

 県道720号(テクノパーク三田線)を北上し、テクノパークで左折して県道90号に、さらに溝口交差点で左折して県道141号(三田黒石線)に入り、篠山市今田本荘を目指す。本荘の国道372号との交差点から150mほど直進して、左手道路脇にある本荘公民館の駐車場の手前で左折し、細い道路に入り、道路脇左手の「西光寺山2.9km」の道標を確認して左折。舗装道路が終わるまで進んで右側の本荘墓地の駐車場(p2)に車を停めさせてもらう。

 本荘墓地前の道路脇に「近畿自然歩道」の案内板が設けられている。「今田本荘バス停」から西光寺山頂を越えて西側の西脇市中畑町の「双葉小学校前バス停」に至る登山ルートは、近畿自然歩道の子午線円山川ルートの一部になっており「金鶏伝説のみち」と名づけられている由。(「金鶏伝説」については、登山ルート途中に設けられた掲示板に解説されています) 



<ゴーイングアップ>

 本荘墓地からは、車一台がやっと通れる幅の林道を歩く。道路脇の木立の葉は、ほんの少し赤らみ、ススキの穂が風に揺れて、秋の気配は確かに感じられるが、日差しは未だ厳しく、予報では、午後には28℃に達する見込みという。道路沿いには、近畿自然歩道の真新しい立派な道標(p3)が設置されている。

  
p1 白髪岳山頂からの西光寺山(後)   p2 本荘墓地の駐車場      p3 近畿自然歩道の道標


  右手の沢から心地よい瀬音が聞こえる。いつの間にか沢が左手になり、暫く進むと西光寺池(p4)の横に出る。池の前方には、西光寺山の南峰(672m)
が望める 道標に従って林道を更に進むと、左手に寺坂登山道を示す古い道標がある。寺坂道を選ぶ人は少ないのか、入り口は草で覆われている。左手に洒落た造りの休憩所(p5)が現れ、中に前述の「金鶏伝説」を説明する掲示板がある。説明文を読みながら一息つく。

 「山頂まで1.4km」の道標から山道に入る。雰囲気のよい沢を渡る。沢の水は飲めるようで、コップが何個か小枝に掛けられているが、中は塵だらけで使われた様子はない。ひんやりとした水を手ですくって首筋にかける。丹波地区の山々は、山裾から中腹にかけては杉林で、山頂付近は自然林というケースが多いが、この東側のルート沿いに杉林は無い。さらに進むと左手に、炭焼き窯(p6)が二つ現れる。未だ現役で使われているのかも知れない。

  
 p4 西光寺池と南峰(後方)    p5 金鶏伝説の掲示板がある休憩所      p6 炭焼き窯


  シダが群生している中を進む。登山道はU字型に掘り込まれ、薄く苔がついた岩が表面に露出して滑りやすく、さらに道の両脇からは小枝が張り出している。足元に気を取られていると、前方を塞いだ巨大なクモの巣に顔を突っ込んでしまう。ノンビリと歩くわけにはいかない。眺望はほとんどないが、高度を稼ぐにつれて木立の間から東側の山肌が見えるようになる。

  いつの間にか足元が、堆積した落ち葉を踏み込んだ道に変わり、歩きやすくなる。このあたりには、木炭の原料に使われるというウバメガシが群生している。樹皮が浅く裂けた独特の紋様の幹が続く。ようやく南峰と山頂を結ぶ稜線に出る。左(南方向)へ進むと寺坂登山道だが、それを示す道標は無い。とにかく道標は「金鶏伝説のみち」だけを対象に設置されているようだ。大きな露岩を越えて稜線を北に進むと眺望がひらけて山頂に出る。


<トップ>

  数十平米の広さの山頂には、小さい祠(p7)が中央に、北側に方位盤と三角点(p8)、眺望の良い東側には「山頂より東南をのぞむ」と表記された眺望の案内板が設置されている。

 
    p7 山頂の祠       p8 三角点(手前)と方位盤(奥)


 北側と西側は樹木に遮られているが、北東方向から南西方向まで、180度以上の素晴らしい眺望がひらけている。まず眼前の西寺山とその後方の白髪岳(p9)
と松尾山、和田寺山(p10)とその後方の虚空蔵山を確認する。ここから眺める白髪岳は、とても「丹波富士」と呼べる山容ではない。

 
p9 白髪岳(中央)と松尾山(右)   p10 和田寺山と虚空蔵山(後側)


 5万分の一の地形図を3枚ひろげて、大船山(p11)
や千丈寺山など三田の山々や、西ケ岳、三嶽(p12)、小金ケ岳など多紀アルプスの山々、西方の笠形山(p13)を同定する。晴れた日には、明石海峡まで見渡せるというが、私の視力では無理なようです。

  誰もいない山頂の休憩所(p14)を独占して、地形図を4枚、床にひろげて、握り飯を頬張りながら同定作業を繰り返す。五万分の一の「園部」と「北条」を自宅に置き忘れたため東側と南西方向の遠方が同定できないのが残念。キイロスズメバチの斥候の奇襲を受け、我に返って時間を確認すると既に山頂で一時間近くが経過している。南西方向も写真に収めて下山の準備を始める。今日の登山者は私だけのようです。

     
p11 大船山(後方中央の三角形)と  p12 三嶽(後方中央右)、西ケ岳(後方     p13 笠形山(後方)
   その手前に千丈寺山         中央左)、小金ケ岳(後方右)

  

   p14 山頂の休憩所

(山頂での携帯電話
[ドコモ]の電波強度表示は「1本」)




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