二度目のスイスアルプス          2013.6.30 〜 2013.7.7    



<イントロ>

 我が家の恒例イベントになった「年に一度の海外旅行」。昨年は自治会役員の順番が回ってきたため断念する羽目になった。二年ぶりとなる今年(2013年)は年初から、のんびりしたクルージングも楽しめる「北欧4ヶ国巡り」にしようと決めていたが、「もう一度スイスアルプスを眺めたい。今度はハイキングも・・」というN子の突然の提案に便乗するかたちで、一昨年に続いて「スイス行き」を決めた。「初心者向けのハイキング」が組み込まれ、かつ「ルフトハンザ航空の直行便」が使えるツアーを探したが、関西空港発の「ルフトハンザ航空スイス直行便」は無く、やむなくエミレーツ航空を使う阪急交通社の「憧れのスイスフラワーハイキング 9日間」にエントリーした。

 

 このツアーは、『関空からドバイ経由でチューリッヒに降り、現地初日は「マインフェルト」に移動してハイジの道を散策するミニハイキング。さらにサンモリッツまで移動して宿泊。二日目はベルニナ特急に乗ってイタリア側のティラノで昼食。午後はディアボレッツァ展望台に上がってベルニナアルプスを眺めてからサンモリッツに連泊。三日目は、氷河特急のパノラマ車両でアンデルマットへ。バスでフルカ峠を越えてサースフェーに入り、ミシャベルアルプスを眺めてから、ツェルマットで宿泊。四日目は、登山列車でゴルナーグラード展望台に上がって、マッターホルンを眺めてからローテンボーデンとリッフェルベルク間をハイキング。ツェルマットに連泊して、五日目はフランス領シャモニーに移動してエギュー・デュ・ミディ展望台からモンブラン観光。首都ベルン経由でインターラーケンに移動して宿泊。六日目はユングフラウ三山を眺めながらメンリッヒェンとクライネ・シャイデック間のハイキング。インターラーケンで連泊して、最終日はロープウェーでアルメントフーベルに上がって、ユングフラウ三山を別の角度から眺めながらのフラワーハイキングを楽しむ』という私とN子にとっては少しばかり贅沢なコースです。6月中に出発すると、何故か1万円/人割引となる由で、6/30に出発することにした。


 今夏の欧州は異常気象で、中欧のドイツ南部、オーストリア、チェコでは6月中旬まで大雨による河川の氾濫が相次いでいた。出発前に7月初旬の現地の天気予報をネットで確認すると、ほぼ全日が「雨」の予報。こうなると、自称「晴れ女」の
N子の神通力に期待するしかないようだ。さて、どんな旅行になることやら・・。


■ 関空 → ドバイ

 関空の阪急交通社の窓口で添乗員のMさんから説明を受けてEチケットの控えを渡される。317便の搭乗手続きの開始までには、まだ十分な時間があるので窓口の前に荷物を置いて食堂街の「そば屋」で遅い夕食を摂る。戻ってみると、私とN子の荷物だけが残されている。ツアー仲間の皆さんは、未だ「closed」の掲示がされているチェック・イン・カウンターの前で、すでに長蛇の列を作っている。どうやら今回のツアーも私たち「ノンビリ夫婦」が最後尾を歩くことになりそうだ。

 

 関空23:40発ドバイ行のエミレーツ航空317便(B777-300ER)は、ほぼ満席だ。チェック・イン時に強硬に「通路側座席」を希望した甲斐があったのか・・? 幸いにも3-4-3の中央4座席の通路側の2席が取れた。左隣のお二人は同じツアーのMOさんご夫妻だ。エミレーツ航空を使ってドバイ経由で欧州に旅行するのはこれが二度目だが、アラブ風の香辛料の臭いが強かった食事(p1)も、アテンダントの接客態度も、4年前に比べると日本人にフィットするように改善されているように思えた。MOさんご夫妻は食事も摂らずに就寝中。私たちは久しぶりの長期フライトで交感神経が刺激されているのか、食事後も眠くならない。英語が耳に入れば眠れるのでは・・と、スピルバーグ監督の話題の映画「リンカーン」を視るが、却って気合いが入って失敗。山田洋二監督の「東京家族」を眺めながらようやくウトウトする。

 
p1 エミレーツ航空の食事


■ ドバイ

 4年ぶりのドバイ空港は、相変わらずの大混雑(p2)。一頻り免税店街のウィドウショッピングを楽しんだ後、1杯26ディルハム(約700円)のアイスコーヒーを購入して、待合室で時間をつぶす。約5時間の乗り継ぎタイムラグでチューリッヒ行の0087便(p3)に乗り換える。

 
p2 ドバイ空港 免税店街   p3 エミレーツ0087便



[ 第2日 ]

■ チューリッヒ空港

 ドバイからは「東京家族」の残りを眺めながら二年ぶりのチューリッヒ空港に飛ぶ。入国審査は長蛇の列。N子と二人で眼鏡の女性審査官の前に立つと、いきなり "Do you speak English ?" と訊かれる。思わず、"Yes!" と言ってしまう。
立て続けに "What's the purpose of your visit ?" の質問。"For sightseeing and trekking." と答えると、 
"How long ・・・ stay ・・ ?" と訊かれたようなので、とりあえず "Ten days." と言うと、"Enjoy your stay !" で解放される。


■ マイエンフェルト(ハイジの村)

 空港ターミナル横の駐車スペースには、ニコさんが運転する大型バス(p4)が待機している。空港からは、スイスらしい長閑な景色(p5)を眺めながら高速道路(p6)を南東方向に約100km走って「アルプスの少女ハイジ」の舞台であるマイエンフェルト(p7)に到着する。添乗員のMさんによると、この辺りは昨日まで雨が降り続いていたらしいが、今日は素晴らしい晴天(p8)だ。N子のほかにも強力な「晴れ女」がツアー仲間に存在するのは間違いないようだ。

     
  p4  大型バス       p5 長閑な景色      p6  高速道路 

 
 p7 マイエンフェルトの中心部          p8  教会 



 早速、ハイキングに出発する。ぶどう畑の横を抜けて(p9)綺麗に整備されたハイキングコース(p10)を歩く。地元の子供達に占拠されたハイジの泉(p11)の周辺で休憩した後、ハイジの家(p12)を眺めて、草原の中(p13)をノンビリ歩いてバスに戻る。2時間弱のハイキングだが、コースは起伏が多く寝不足の脚には少々堪える。N子もお疲れ気味のようだ。


   
  p9 葡萄畑沿いの道    p10 ハイジの泉      p11 ハイジの道

 
  p13 ハイジの家             p14  草原の中のハイキング


■ サンモリッツへ
  マイエンフェルトからは、標高差1100mを登る絶景ドライブ(p14)(p15)で、黄昏のサンモリッツに到着。ホテルは2年間前と同じ、女子マラソンの野口みずき選手が高地トレーニングのベースに使っていたというローディネラホテル(p16)。サーモンステーキの夕食(p17)で満腹の後は、例の如く爆睡して二日目を終える。

 
  p17 絶景ドライブ(I)       p18 絶景ドライブ(II)

 

p19 ローディネラホテル   p20 サーモン料理



[ 第3日 ]

 サンモリッツ湖畔(p18)で快晴の朝を迎える。「晴れ女」の神通力に感謝だ。朝食前に教会(p19)の横を通り、絵葉書から抜け出たように美しい湖を周回する散歩道(p20)を歩く。ローディネラホテルのリッチな朝食(p21)を楽しんだあと、徒歩でサンモリッツ駅(p22)に向かう。列車の出発までの自由時間を使って、湖北の高台にあるサンモリッツ・ドルフのシュールハウス広場(p23)まで散歩する。

  
  p18  サンモリッツ湖畔           p19 ホテルの近くの教会       p20 湖畔の散歩道

  
 p21 朝食(バイキング形式)  p22 サンモリッツ駅   p23 シュールハウス広場 


■ ベルニナ特急でティラノへ
 箱根登山鉄道が寄贈した「サンモリッツ」の表示板が掛かるホーム(p24)からスイスアルプス4大特急の一つであるティラノ行き(p25)のベルニナ特急に乗り込む。標高1775mのサンモリッツから、標高差1300mを下ってイタリア領のティラノ(標高429m)まで走る。鉱物原子が溶け込んで黒色や白色、青色などの神秘な色に染まった湖の横を抜けると、ピッツ・ベルニナ(4049m)の北側の谷筋を覆うモルテラッチ氷河(p26)が圧倒的迫力で眼前に迫る。

  
 p24 ベルニナ特急    p25「ティラノ行」の表示   p26 モルテラッチ氷河


 さらに長閑な谷間の村(p27)、青々としたボスキアーボ湖(p28)と美しい車窓風景が続く。そして石造りのブルージオ橋(p29)(p30)では、毎度の如くベストショットを競う皆さんで車内は大喧噪状態。いやはや圧巻の列車の旅でした。

   
p27  長閑な谷間の村    p28 ボスキアーボ湖    p29 ブルージオ橋(I)   p30 ブルージオ橋(II)




■ ディアボレッツァ展望台へ
 ラテン的雰囲気のティラノで昼食を楽しんだあと、バスに乗り込んでベルニナアルプス観光の起点であるベルニナ・ディアボレッツァ(標高2093m)に向かう。途中、ベルニナ線のブルージオ橋で列車が通過する瞬間(p31)をもう一度、写真に収める。


 p31  ブルージオ橋(V)



 ベルニナ・ディアボレッツァ(p32)からロープウェー(p33)(p34)で標高差約900mを一気に登って、残雪に目映いばかりの陽光が降り注ぐディアボレッツァ展望台(p35)[標高2978m]に上がる。

   
p32 ディアボレッツァ駅    p33 ゴンドラ     p34 ロープウェイ    p35 ディアボレッツァ展望台



 眼前には、ピッツベルニナ(4049m)(p36)を最高峰とするベルニナアルプスの大絶景(p37)が広がる。レストラン前のベンチに寝そべったり、雪を踏みしめて感触を確かめたりと、約1時間この大展望を楽しむ。

 興奮状態のまま、バスでサンモリッツに戻る。夕食はラザーニャ(p38)でした。

 
 p36 ピッツベルニナ(中央)      p38 ラザーニャ

 
         p37  ディアボレッツァ展望台からのベルニナアルプス




[ 第4日 ]

■ 氷河特急でアンデルマットへ

 スイス3日目も晴天。朝一番、サンモリッツから国際会議で有名なダボス(p39)にバスで移動する。ダボス・プラッツ駅(p40)からアルブラ線の氷河特急(p41)ツェルマット行に乗車する。二年前と同じランドバッサー橋の狂騒が静まるのを待って、食堂車に移動して牧歌的な車窓風景(p42)を眺めながら氷河特急での昼食(p43)(p44)(p45)を楽しむ。標高2033mのオーバアルプ峠駅(p46)を通過すると、目的地のアンデルマットである。

   
  p39 ダボス      p40 ダボス・プラッツ駅     p41 氷河特急      p46 オーバアルプ峠駅 

    
   p42  車窓の牧歌的風景           p43-45  氷河特急での食事


■ フルカ峠を越えてサースフェーへ

 アンデルマットからは、標高2436mのフルカ峠を越えてフェー氷河が迫るサースフェーまで入る絶景ドライブ(p48)(p49)(p50)である。フルカ峠越えは二度目だが、前回と違って今夏は残雪が多く、ローヌ氷河(p51)も雪に覆われ、道路沿いを覆い尽くす圧巻の「お花畑」は今回は見ることができない。ローヌ氷河の展望台からは、二年前と同様にマッターホルンの先端部分(p51a)が確認できた。

  
                p48-50  フルカ峠近くからの景観

 
 p51 ローヌ氷河     p52 展望台からのマッターホルン 


 サースフェー到着は夕刻近く。南西方向にイタリアとの国境近くに鎮座するモンテローザ、リスカム、カストールなどが見えるはずだが、山頂付近が雲に隠れて同定ができない。とりあえず南側の山塊をパノラマ写真(p52)に収める。「晴れ女」の神通力もここまでが限界で、明日のマッターホルンは雨になるかも? 不吉な予感が頭をよぎる。
 
            p52  サースフェーの景観



■ ツェルマットへ

 本日の宿泊地ツェルマットは、ガソリン車では入れないため、いったんサースフェーからバスで前回の旅行で宿泊したテーシュへ向かい、テーシュ駅から電車を使ってツェルマット駅へ移動する。到着後直ぐに「日本人橋」に隣接して建つホテル・ラ・クーロン(p53)に向かう。ホテルの横に架かる日本人橋の上から眺めたマッターホルンはこの通り(p54)で、残念ながら山頂部分が雲の中だ。前回(p55)は鮮やかに見えたのだが・・。夕食はホテルでマス料理(p56)

   

p53 ホテル・ラ・クーロン  p54 日本人橋からのマッターホルン  p55 マッターホルン(2011年7月)      p56  マス料理 



[ 第5日 ]

■ 登山列車でゴルナーグラードへ

 「晴れ女」の頑張りもあってか、今日もかろうじて雨は免れたようだ。夜明け前から「日本人橋」(p57)の上は、マッターホルンの「朝焼け」見物が目的の日本人旅行客で満員。しかし、マッターホルン(p58)の山頂部分は相変わらず雲に隠れたままだ。カロリーたっぷりの朝食(p59)を早めに済ませて、二年振りのツェルマット(p60)を散策しながらゴルナーグラード行の登山列車の駅(p61)に向かう。今回もツェルマットで遭遇するアジア系の旅行者は、ほとんどが日本人だ。

   
p57 夜明け前の日本人橋  p58 雲に隠れたマッターホルン   p59 バイキング形式の朝食    

   
p60 ツェルマットのメインストリート    p61 登山列車の駅舎


 登山列車(p62)はツェルマット(標高1631m)とゴルナーグラード(標高3089m)間の距離約9km、標高差約1460mを約33分で結んでいる。列車はぐんぐん高度を上げる。残雪が多く、草原が見えたのは、ほんのつかの間だけで、午後のハイキングの起点として予定されているローテンボーデン駅(p63)の周辺も雪だらけだ。

   
   p62 登山列車     p63 残雪のローテンボーデン駅


■ ゴルナーグラード展望台
 到着したゴルナーグラード駅は、やはり曇天(p64)。晴れていれば4000m級の山々が一望できるはずだが・・・。歩いて5分ほどの展望台(p65)に着くころには、パラパラと小粒の雨まで落ちてくる。展望台の周りは雲だらけ(p66)。本来であれば、この画面(p67)の中央左寄りにマッターホルンの雄姿が眺められるはずなのだが・・・。残念無念。しかし、山が見えなくてもツアー仲間の皆さんは、ブライト・ホルン(4164m)?をバックにこのハイテンション(p68)。ブラートブルストの特大ソーセージ(p69)を頬張って、午後からのハイキングの準備も万端だ。皆さんの思いが少しばかり天に通じたのか、突然モンテ・ローザの山頂(p69a)が姿を現わす。

 
p64 駅から展望台を望む  p65 ゴルナーグラード展望台


            p66  展望台上の景観

   
 p67 雲の中のマッターホルン   p68 ハイテンションの皆さん   p69 名物のブラート・ブルスト  p69a モンテ・ローザの山頂付近


■ フラワーハイキング

  湖面に映る「逆さマッターホルン」で人気があるローテンボーデンからリュッフェルベルクまでのハイキングは、積雪のために添乗員のMさんの判断で急遽ルートが見直され、フィンデルバッハ駅(p70)(標高1770m)で下車してツェルマットまで歩く「フラワー探索ハイキング」に変更される。


 スイス在住の女性の日本人ガイドさんに案内されて、ハイキングコースを歩きながらコース沿いに咲いている花々(p71)を鑑賞する。20種類を超える花々と遭遇して写真を撮ったが、復唱しながら覚えた花の名称で帰宅後も覚えていたのは、アルペンローゼ(p72)と、瀟洒な佇まいの山荘の庭で咲いていたエーデルワイス(p73)だけだった。結局、ツェルマットの近くまで降りてもマッターホルンは、全容を現わしてはくれなかった(p74)

   
p70 フィンデルバッハ駅のホーム   p71 ハイキング道脇の花々   p72 アルペンローゼ 

 

 p73 エーデルワイス   p74 山頂が隠れたマッターホルン 


■ ツェルマット
 下山後はツェルマット駅で解散してフリータイムとなる。毎度のことながら、駅前のコープ(p75)でナッツや蜂蜜を買い込んでラ・クーロンホテルに戻る。

 
 p75 駅前のコープ




[ 第6日 ]

■ フランス領のシャモニーへ

 ツェルマット3日目の朝も日本人橋からのマッターホルンは雲の中。今日のモンブランも?・・の不安がよぎる。列車(p76)でテーシュに戻り、テーシュから専用バスで高速道路(p77)を走ってシャモニーを目指す。車窓には美しい街並み(p78)に加えて中世の古城(p79)まで登場して目を楽しませてくれる。しかし、相変わらず雲は低く(p80)、モンブランの姿は全く見えない。

     
p76 列車でテーシュへ    p77 高速でシャモニーへ   p78 美しい街並み

 
 p79 丘陵にある古城   p80 低く垂れ込める雲


 昼食はシャモニーの日本人が経営するレストラン(p81a)で私の好物のカレーライス(p81b)。レストランの女性オーナに展望台の天候を尋ねると、「上は良い天気らしいですよ」の回答で、皆さんから「よっしゃ」の声が上がる。久しぶりの日本茶を頂いた後、シャモニーの街(p82)を歩いてロープウェーの駅(p83)に移動する。ケーブルが駅舎から雲の中に延びている。標高2317mの乗り継ぎ駅でゴンドラ(p84) に乗り換えて、標高3842mのエギーユ・デュ・ミディ展望台を目指す。


     
  p81a  レストラン       p81b  昼食     p82 シャモニーの街を移動

 
 p83 ケーブルカーの駅舎     p84 ロプウェーのゴンドラ


■ エギーユ・デュ・ミディ展望台
 周り中が白一色で何も見えない数分間の憂鬱の後、ゴンドラが厚い雲を突き抜けて、突然、眼前に岩の壁が現れる。まるで岩壁に沿って垂直に登るエレベータのような雰囲気でゴンドラは上昇して、快晴の北峰駅に到着する。中央橋を渡って、尖った岩上にある頂上テラス(p85)を目指す。エレベータ(p86)で頂上にあがり、トンネルを抜けて展望台に出ると、目の前にモンブラン[4807m](p87)、その左手にグランドジョラス[4208m](p88)から Aiguille Verte[4122m]へと美しい岩稜が連なる大パノラマ(p89)(p90)が広がる。遠くモンテ・ローザやマッターホルンも確認できる。皆さんのテンションは上がりっぱなしだ。

  
  p85 頂上テラス      p86 エレベータ      p87  モンブラン

  
  p88 グランド・ジョラス


            p89  エギーユ・デュ・ミディ展望台からの眺望(I)

 
            p90  エギーユ・デュ・ミディ展望台からの眺望(II)


 気温は摂氏1℃(p91)。厚手のウィンドブレーカを脱いで、ライトダウン・ジャケットに着替える。添乗員のMさんの案内で階段や雪のトンネル(p92)を伝って展望台内を移動して見物する。展望台のテラスには、裸になって日光浴を楽しむ若者(p93)がいれば、酸素不足で気分が悪くなってうずくまる外国人女性もいる。Mさんの指示どおり、数歩毎に深呼吸を繰り返した効果があったのか・・何とか無事に標高3800m超のアルプス観光を乗り切る。

  
p91 1℃を指す温度計   p92 雪のトンネル     p93  展望テラス


■ ベルン経由でインターラーケンへ

 シャモニーからは、いったん北上し、レマン湖(p94)の東側を抜けてベルンへ向かう。いつの間にか空は晴れ渡っている。世界遺産の都市ベルンも今回で二度目。定番のバラ公園(p95)からクマ公園(p96)へと歩き、旧市街(p97)を眺めてからクラム通り(p98)を西進する。スイス連邦議会議事堂(p99))近くで専用バスにピックアップしてもらい、ユングフラウの登山基地として有名な本日の宿泊地インターラーケンへ移動する。ホテルは二年前と同じシティ・オーバーランド(p100)。野菜たっぷりの夕食(p101)(p102)でした。

   
  p94 レマン湖       p95 バラ公園      p96 公園のクマ      p97  旧市街

  
  p98 クラム通り     p99 連邦議会議事堂   p100 シティ・オーバーランドホテル

 
  p101-102 野菜たっぷりの夕食



[ 第7日 ]

■ クライネ・シャイデックへ

 「晴れ女」の神通力は未だ残っていたようで、素晴らしい快晴となる。バスでオスト駅まで移動し、登山列車(p103)で Zweilutschinen駅に向かう。駅の手前で雲に隠れていたアイガー(p104)が顔を出す。当初計画では、ロープウェーでメンリッヒェンまで入って、ここから鉄道駅のクライネ・シャイデックまでガイドの案内で約2時間のハイキングを行う予定だったが、グループの「足並み」が揃っていないとのMさんの判断で、いったんクライネ・シャイデックまで列車で移動し、ガイドの案内で周辺を散策した後、ユングフラウヨッホに上がり、その帰路にクライネ・シャイデック駅(2061m)とベンゲルンアルプ駅(1873m)の間を歩く(ハキングする)ことになった。「足並み」の乱れの責任の一端を担っていると自覚しているN子は・・と言えば、意気消沈するどころか、歩く距離が短くなったとニンマリだ。

 
  p103 登山列車        p104 アイガー


 Zweilutschinen駅で乗り換えてクライネ・シャイデック駅(p105)に向かう。クライネ・シャイデック駅の手前で雲が切れてユングフラウとシルバーホルン(p106)が鮮やかな姿を現わす。日本人の男性ガイドの案内でクライネ・シャイデック駅(p107)周辺を散策する(p108)(p109)が、肝心のユングフラウ三山は、ほとんど雲の中で時折、ユングフラウの山頂付近が顔を出す(p110)だけだ。山の天気は気まぐれ、空が晴れていても雲の動きばかりはどうしようもありません。

  
  p105  クライネ・シャイデック駅     p106  ユングフラウ /シルバーホルン    p107 クライネ・シャイデック駅周辺

  
       p108-109  散策路からの景観            p110 雲に隠れるユングフラウ


■ ユングフラウヨッホ

  散策後、赤のボディに黄色線が鮮やかな登山列車(p111)に乗って、欧州で標高が最も高い鉄道駅であるユングフラウ・ヨッホ(3454m)(p112)に向かう。ヨッホ駅に到着して、氷のトンネル(p113)を抜け、高速エレベータで日本人だらけのスフィンクス展望台のバルコニー(p114)に上がると、眼前に巨大なメンヒ(4107m)の山頂部分(p115)が現れて度肝を抜かれる。右側に回るとユングフラウの山頂部分(p116)が、手が届くような位置にある。あまりに近すぎて山と言うより、まさに「岩塊」だ。展望台の下にはアレッチ氷河(p117)の絶景が広がる。

   
p111 ヨッホへの登山列車     p112  ヨッホ行列車        p113 氷のトンネル   p114 スフィンクス展望台のバルコニー     
 
    p115 メンヒの山頂部分        p116 ユングフラウの山頂部分


      p117  アレッチ氷河


 帰路にMさんの案内で、ユウグフラウ氷河を約30m掘って作られたと言う「氷の宮殿(アイスパレス)」巡りで楽しむ。滑りやすい氷のトンネル(p118)を進むと、幻想的なイルミネーション(p119)や氷の彫刻(p120)などが現れ、白銀と岩稜の世界からおとぎの国にタイムスリップした感じだ。ご婦人の皆さんから「ウワー」の歓声が上がる。氷のトンネルには、ヨッホ駅までの登山鉄道の建設の歴史が分かる展示物(p121)も置かれており、一見する価値がある。

   
 p118 氷のトンネル    p119 幻想的イルミネーション    p120 氷の彫刻     p121 歴史展示物


■ 絶景ハイキング( クライネ・シャイデック → ベンゲルンアルプ )

  クライネ・シャイデックで昼食(p122)を済ませてから、いよいよユングフラウ三山を眺めながらの絶景ハイキング(p123)に出発する。午前中に地上近くに薄くかかっていたガスも晴れて絶好のハイキング日和(p124)になる。ハイキング道は良く整備されて歩き易く、道路脇はお花畑だ。

 
  p122 昼食     p123 絶景ハイキング


         p124  ユングフラウとハイキング道

 
ところが肝心の「三山」は、ユングフラウとメンヒ(p125)は鮮やかに展望でき、両山の間に位置するスフィンクス展望台(p125a)も確認できるが、アイガーが完全に雲の中だ。二年前はメンヒが見えなかったが、今度はアイガーがネックになった。三山の揃い踏みは「明日のお楽しみ」にせざるを得ないようだ。無事にベンゲルンアルプ(p126)に到着した皆さんの顔は満足感一杯だ。

   
 p125 メンヒ(左) と ユングフラウ(右)    p125a 両山の中間に位置するスフィンクス展望台   p126 ベンゲルンアルプ駅に到着


 興奮がさめないままインターラーケンに戻る。オスト駅前のスーパーで買い物をしたかったが、添乗員のMさんが、何故か全員を叱咤してヘーエ通りを急ぎ足で歩かせる。着いた先は免税店。理由はこれだったのか・・。N子と私の脚は、自然に近くのコープ(p126a)に向いていました。

 
p126a ホテル近くのコープ



[ 第8日 ]

いよいよスイスでの最終日。早起きしてグランド・ホテル前の広場から朝日を受けたユングフラウ(p127)を眺める。今日も快晴の下で素晴らしいハイキングが楽しめそうだ。

 
p127 早朝のユングフラウ(後方)

 

■ アルメンフーベルへ
 まず専用バスでラウターブルンネン谷の奥にあるシュテッヒェルベルク(910m)を目指す。途中、「シュタウプバッハの滝」(p128)で休憩する。シュテッヒェルベルクのロープウェー駅(p129)から大型のゴンドラ(p130)に乗り込んで、目映いばかりの陽光の下、標高1645mの高原に位置する美しい村ミューレン(1645m)[p131]に移動する(p131a)。逆光の中に昨日雲に隠れたままだったアイガー(p132)が鮮やかに姿を現わす。

   
 p128 シュタウブバッハ滝    p129 ロープウェーの駅     p130 ゴンドラ      p131 ミューレン村

 
 p131a ロープウェー    p132 アイガー
    


 お花が一杯のミューレン村(p133)を歩いて、登山ケーブルの駅(p134)に移動し、ケーブルカー(p135)を使って目的地のアルメントフーベル(1907m)まで登る。お花畑のハイキングコース(p136)を登り切ると、厳しい逆光の下、お花畑の向こう側にユングフラウ三山(p137)(p138)が指呼の中だ。N子のテンションも上がりっぱなしです(p139)

   
 p133 花一杯のミューレン村  p134 登山ケーブルの駅    p135 ケーブルカー    p136 フラワートレイルの標識   

 
  p137 お花畑とユングフラウ三山     p139 ハイテンション

 
              p133 アルメントフーベルからの眺望


■ チューリッヒへ
 アルメントフーベルの山上レストランで、お茶とケーキ(p140)で一息入れたあと、専用バスでチューリッヒ空港に向かう。現地7日間のスイスの旅は、これにて「完」です。

 
p140 お茶とケーキで一服



<エピローグ>

 美しく、長閑な風景に包まれての数日間は、まさに至福のひとときでした。この国の美しい自然が、驚異的に数が増えている新興成金国家からの傍若無人の旅行者たちによって汚されてしまわないことを切に祈ります。




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