< イントロ >
NHKテレビの番組紹介ニュースで、来年放送予定の大河ドラマ「平清盛」の映像収録の模様が伝えられている。中井貴一が演じる清盛の父「平
忠盛」と中村敦夫が扮する祖父「平正盛」が邂逅するシーンの撮影は、兵庫県にある砥峰高原の一面のススキ野で行われたと言う。兵庫県に移住し
て37年にもなるが「砥峰高原」という名称を耳にするのは初めてだ。早速、地形図を取り出して位置を確認すると、50,000分の一「山崎」の右上隅
に位置する砥峰(972.2m)の南側の山裾に広がるのが砥峰高原であることが分かる。さらに50,000分の一「大屋市場」とつなぎ合わせて地形図を眺め
ると、砥峰高原の北側を東西方向に流れる福知川沿いの林道が、10月10日の山行で歩いた千町峠まで延びていることに気がつく。段ヶ峰の西側で圧
倒的存在感を示していた「千町ヶ峰」(p1)にも、この砥峰高原を経由してアクセスできるのでは・・? と考えてネット情報にあたってみる。確か
に県道39号で砥峰高原を経由して上記の福知川沿いの林道に出れば、オール舗装道路で千町峠の近くにある「千町ヶ峰の登山口」に到達できるよう
だ。「晴れ」の予報が出ている10/20にこのアクセスルートで千町ヶ峰に登ることにする。
p1 段ヶ峰山頂からの千町ヶ峰
日時:2011年10月20日(木) 天候:晴れ
コース: 林道(森林基幹道)
千町・段ヶ峰線沿い → 無線小屋 → 千町ヶ峰 山頂 → 登山口
千町ヶ峰登山口 13:25
13:35/14:45
15:10
12:50
< アクセス >
カーナビを「一宮町川上」に設定して 8:40AM
に自宅を出発、中国自動車道を西に走る。社ICの手前で前方に笠形山の姿が鮮やかに眼に入る。
10/18頃から一遍に見通しが良くなったが、今日もかなり遠くまで見通せるようだ。福崎ICで降りて、国道312号、県道404号を経て長谷から県道
39号
に入る。道幅の狭い川上地区を抜けて第一目標の砥峰高原に到着。ところが、広大なススキ原を見下ろせる休憩所の手前で舗装道路は通行止めになっ
ている。やむなく駐車場(p2)に車を停めて、休憩所の売店のお母さんに訊ねると、休憩所の手前で右手の未舗装の狭い林道を行けば福知渓谷に入れ
るとのこと。台風9号による土砂崩れで道路が崩落し、未だに復旧の目途がたっていない由)時刻は既に11:00近い。出発前に調べておくべきだった
と後悔しても後の祭り。しかし、ここまで走って諦める訳にはいかないと、千町ヶ峰の北側に回ることにする。こぶし村のキャンプ場から登るには時
間不足なので、上千町から林道を走って当初予定の登山口を目指すことに計画を変更する。
p2 砥峰高原駐車場と一面のススキ野
■
上千町から林道を走る
カーナビを「一宮町百千家満」に再設定して来た道を引き返す。長谷から県道39号を北上して生野に出て、さらに国道312号を北に走って新井の
手前から国道429号を西進する。一宮町百千家満の公民館の手前で左手の狭い舗装道路に入る。対向車よ来てくれるな・・と念じながら暫く走ると、
草木川沿いの長閑な舗装道路になる。「こぶし村」の道標を右手に見てから、上千町に入り、右手の道路脇に注意しながら車を走らせると「悠友
山荘→」の表示板(p3)が右手に現れる。ここから千町峠への林道に入る。
p3 林道入り口の標識
林道は、完成して日が浅いためか・・路面の舗装状態はかなり良いが、道幅は車1台+α分しかなく、待避スペースの設置ポイント(p4)も少ない。
対向車よ来るな・・! と祈りつつ走るも、突然、前方に小型ダンプが現れてしまう。待避スペースまで戻るしかないと、ギアをバックに入れてい
ると、プッ、プッと警笛が鳴って前方のダンプを運転しているオジさんが手招きをしている。ダンプを左手の山肌一杯に寄せたから、右側を通れと
いう仕草である。これは、擦るかもかも知れない・・と思いながら、サイドミラーを畳んで狭いスペースに突っ込むと、何とかかすり傷も負わずに
通過できる。さすがベテランドライバーさんです。こうやって毎日のように対向車とすれ違っているのでしょうか。
千町峠近くまで上がると道路脇には秋色(p5)が現れて、ほっとする。左手の道路端に「悠友山荘」の表示板(p6)
が置かれた三叉路で右手に入り、
「森林基幹道 千町・段ヶ峰線」と表示された木柱(p7)のある道路を西方向に進む。右手道路脇に「千町ヶ峰登山口」と表示された未だ新しい木柱
(p8)がある。少し先で方向転換をしてから、登山口近くにある山側に少し膨らんだ道路スペース(p9)
に車を停める。このスペースには、縦列で少な
くとも2台は停められそうだ。時刻は既に12:45。砥峰高原から2時間近く掛かってしまった。
p4 林道と待避スペース p5 林道沿いの秋色 p6
三叉路の標識
p7 登山口への林道の標識 p8 登山口の道標
p9 登山口横のスペース
< ゴーイングアップ >
■ 山ダニ・・?に遭遇して
登山口から林道脇を西方向に延びるススキが繁る幅広の登山道(p10)を進む。登山道の右側は植林帯が続いている。一頻り歩いたところで足下を
見ると、ズボンの裾に黄褐色の花粉のようなものが無数に付着しているのに気がつく、さらによく見るとこれが動いている。山ダニかも知れない。
ネットで、「須留ヶ峰でヤマビルを目撃して、目的地を千町ヶ峰に変更して千町峠側から登ったら今度は山ダニに遭遇した」という山行情報を見た
ことがあるが、これがその山ダニなのか・・? プラスチック袋に入れたタオルで裾を叩くと、何とか取れたようだが、何とも運の悪い日に出掛け
てしまったようだ。
p10 登山口からの幅広の登山道
■
展望抜群の尾根筋を歩く
植林帯の上り坂(p11)を抜けると周囲は気持ちの良い自然林(p12)に変わる。
登山道(p13)は良く踏まれており、木幹や木枝には赤テープやリボンが
巻かれていて不安は感じない。振り返ると、10/10のフトウヶ峰から段ヶ峰への縦走時には全く見えなかった千ヶ峰(p14)が鮮やかに姿を現している。
p11 植林帯の上り坂 p12 自然林を抜ける登山道
p13 木幹や木枝のテープ/リボン
p14 千ヶ峰(後方)
コナラやアカマツなどが植生した雰囲気の良い自然林(p15)を抜けると南側も開けて、夜鷹山の三角錐やアンテナが林立する焼晴山(p16)の山頂が
望める。さらに南東方向には10/10に歩いた達磨ヶ峰からフトウヶ峰への稜線と千ヶ峰(p17)をツーショットで眺めることができ、東側には段ヶ峰と
フトウヶ峰がどっしりと並んでいる(p18)。
p15 雰囲気の良い登山道 p16 夜鷹山、砥峰、焼晴山 p17 達磨ヶ峰、千ヶ峰
p18 段ヶ峰(左)とフトウヶ峰(右)
眺望を楽しみながら尾根筋を進むとアンテナ小屋(p19)が見えてくる。登ってきた道を振り返ると笠形山(p20)も鮮やかに望める。アンテナ小屋の
横を抜けて雰囲気の良い稜線道(p21)を登ると、北西方向も開けて深緑の藤無山と、その後方にひときわ高い氷ノ山(p22)が見える。
p19 アンテナ小屋
p20 笠形山(後方) p21 雰囲気の良い稜線道
p22 藤無山(中央)、氷ノ山(後方)
< トップ >
僅か35分程であっけなく到達した山頂(p23)は、平坦部が数十平米の広さで、西から南西方向が樹木に隠れるが、北から、東、南方向が大きく開
ける。山頂にもハイカーの姿は無し。握り飯を頬張りながら、地形図を広げて久しぶりの大展望(p24)(p25)(p26)(p27)を楽しむ。
p23 千町ヶ峰山頂
p24 山頂から北西方向/北方向を望む
p25
山頂から北方向/東方向を望む
p26 山頂から東方向/南東方向を望む
p27
山頂から南方向を望む
< ゴーイングダウン >
下山は同じルートを 25分ほどで降りてしまう。登山口近くで再び山ダニ?に纏わり付かれるが、はたき落として難を逃れる。山中で遭遇した
ハイカーは無し。
< エピローグ >
結局、自宅から往復7時間も車を走らせて、山行の実動時間は、登山口から山頂まで往復僅か1時間でした。体力面での刺激としては、物足りま
せんが、素晴らしい眺望を手軽に楽しみたい人にはお薦めできるコースです。
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