千ヶ峰[1005.2m] 所在地:兵庫県多可町/神河町  地形図:1/25000 丹波和田   ルートMAP 



< イントロ >


  二階の窓から眺める六甲山はかなり霞んでいて見通しは良くないが、今週末は再び雨になりそうなので、一昨日(9/27)笠形山から眺めた東播磨の最高峰、千ヶ峰に登ることにする。千ヶ峰山頂から北側に稜線を下ったところにある市原峠まで林道が延びているので、この市原峠に車を駐めて、楽々省エネ登山を楽しむことにする。

 日時:2011年9月29日(木)    天候:曇り 時々晴れ

 コース:多可町加美区 三谷登山口 → 岩座ルート →  千ヶ峰山頂  → 三谷登山口

            駐車場     との合流点

             12:10      13:05      13:50/14:30     15:55



< アクセス >

■市原峠へ

 中国自動車道の滝野・社ICで降りて、国道175号に入り、さらに国道427号で北上する。加美区「門村」を通過すると左側の道路の端から中央に向かって「千ヶ峰登山口」と「ハーモニーパーク」の標識(p2)が頭上に突き出ており、左手を眺めると千ヶ峰の山頂付近(p1)が顔を出している。この標識(p2)は、三谷渓谷に向かう登山口表示である。これをやり過ごし国道427号をもう少し進んで、「市原」にある次の「千ヶ峰登山口」標識で左折する。杉原谷小学校の北側を抜けて西方向に進むと市原峠に向かう一本道の舗装された林道になる。

   
 p1 千ヶ峰の山頂付近(中央後方)    p2 三谷登山口への道標


 林道は今でも工事が続いているらしく、あちこちでブルートーザが忙しく動いている。林道の舗装部分の幅長は、車1台+α程度であるが、そこかしこに待避スペースが設けられていて安心である。峠までの道中で工事車両(小型ダンプ)2台とハイカーが乗っているとおぼしき車1台と出くわしたが、待避スペースですれ違って事なきを得た。ガードレールやカーブミラーも数的に十分とは言えないまでも・・設置はされている。四駆でないスリーナンバーの普通車でも苦労せずに市原峠まで入れるようだ。「愛してね笠形山、守ってね千ヶ峰」がキャッチフレーズの多可町が自然破壊にもつながるこんな大げさな林道を何故、造るのだろうか・・と、またまた偏屈な根性が頭をもたげてしまう。

 この邪悪な発想が災いしたのか、市原峠に到着すると、駐車スペースは既に5台の車で満杯状態。スペース効率に配慮して駐車すれば、ガードレール側に並列駐車で5台、さらに崖側に少なくとも2台が縦列で停められ、計7台は駐車できると思うのだが・・・と、愚痴ってもしょうがない。この状態では、あと1台の駐車は無理なようだ。先程すれ違ったハイカーとおぼしき車が異様に荒っぽい運転をしていたのは、これが原因だったのかも知れない?


■三谷登山口へ

 「楽は慎め」という山の神様の思し召しかもしれない。楽々・・を狙った稜線漫歩は諦め、予定を変更して三谷渓谷から登ることにする。国道427号の先程の登山口標識(p2)まで戻って、西側に折れて三谷登山口に向かう。富士重工製の風力発電設備の派手な風車が設置された「ハーモニーパーク」の横を抜けて舗装された立派な林道をさらに進むと道路左手にかなり広い駐車スペース(p3)が現れる。先行車が2台駐車している。駐車スペースの脇には綺麗なトイレも設置されている。


  
    p3 三谷登山口の駐車場


< ゴーイングアップ >

 登山口表示(p4)の道路を挟んだ向かい側にある登山口(p5)には、左側に多可町が提供してくれた「竹製の善意の杖」(p6)が、右側に「応急医薬品BOX」(p7)が置かれている。山頂までは約2km(p8)

      
    p4 三谷登山口の表示           p5 登山口            p6 善意の杖

    
      p7 医薬品BOX         p8 道標(山頂まで2053m)

 
 涼しそうな瀬音を奏でる清流を左手にして山に入る。低気圧が近づいているせいか、西側から厚い雲が張り出してきている。ここ一週間ほど雨は降っていないが、沢の水量は豊かである。材木で組んだ橋を渡り、沢を右手下方に見ながら樹林帯(p9)に入る。右手に落差の小さい滝が現れる。これが「雌滝」(p10)だろうか。さらに進むと前方にさらに大きな滝(雄滝)が見えてくる。再び沢を渡って、今度は沢を左手にして進む。豪快な音をたてる落差20mと言われる雄滝(p11)が直ぐ左手下にある。

      
     p9 植林帯の登山道           p10 雌滝             p11 雄滝


 沢沿いをさらに一頻り登ると辺りは自然林に変わる。カエデも多く、紅葉の頃には素晴らしい渓谷漫歩が楽しめるようだ。下ってくる元気一杯の若いハイカーとすれ違う。小さな滝がある岩場(p12)で一息入れてから左方向に本流の沢を渡り、さらに小さな沢を右方向に跨いで、本流の沢音を右手下に聴きながら再び植林帯の道(p13)を進む。ここで沢とはお別れである。

    

       p12 岩場            p13 登山道


この三谷渓谷沿いの登山道はヤマビルの出没がネット上でも伝えられている。梅雨時期にはヤマビルが「上から降ってきた」と恐怖の体験談を報告しているハイカーもいるようだ。今回は市原峠から登ることにしていたため裾バンドを持参しなかったので、ズボンの裾を紐で結んでみたが・・、これが効いたのか、それともここ数日、乾燥した秋晴れが続いていることが幸いしたのか、未だ噛みつかれてはいない。

 ここからは植林帯の中の尾根筋を急登(p14)する。ドット汗が噴き出す。立ちんぼ休みを繰り返しながら木組みの階段道の急登をひたすら登ると、「岩座神コース」との合流点(p15)に出て「山頂まで約40分」の表示がある。

    

     p14 尾根筋の登山道      p15 岩座神コースとの合流点


 さらに進むと自然林の灌木の中を抜ける穏やかな登山道(p16)になる。笠形山にも設置されていた、洒落た案内板(p17)に「山頂まで約20分」とある。さらに急登(p18)が続く。東方向が開けて竜ヶ岳、大井戸山、篠ヶ峰の三山(p19)が現れる。南方向には妙見山(p20)のどっしりとした山塊が存在感を示す。残念ながら見通しは悪い。

      

  p16 灌木の自然林を抜ける登山道      p17 案内板           p18 急登の登山道

    
  p19 篠ヶ峰(右)、大井戸山(中央)、     p20 妙見山
     竜ヶ岳(左)


 一息入れていると、大きなザックを背負った20代と思える若いハイカーに抜かれる。ワンゲル屋さんのアルトレのようです。今日は定番のお爺さんハイカーには未だ遭遇していない。ロープが何本も置かれた急登(p21)を進み、木組みの階段道(p22)を上がると山頂である。

    

   p21 ロープが置かれた急登      p22 山頂間近の急登


< トップ >


 ススキの穂が揺れる広くなだらかな山頂(p23)(p24))には、さきほどの若いハイカーが一人だけ先着していて、市原峠に向かうようだ。一人だけになった山頂からは全方位の眺望が可能だが、生憎な見通し。南方向に笠形山(p25)が霞んで見え、杉原川沿いの田園地帯が薄茶色に沈む(p26)。北方向は市原峠(p27)から、粟鹿山や朝来山までは何とか見える(p28)。東方向は加美区の集落と竜ヶ岳、大井戸山、篠ヶ峰の三山(p29)。西方向は、完全に霞んで段ヶ峰も今日は見えない。キュキュと面白い音をたてるベンチに腰掛けて、握り飯を頬張る。

              
      p23 山頂             p24 山頂表示         p25 笠形山(後方中央)

      
    p26 杉原川沿いの田園地帯と      p27 市原峠方面
    妙見山(左手後方)


     
                         p28 山頂から北側を望む


 何とか雨にも遭わず、もう少しノンビリしたいところだが、明るいうちに帰宅したいので山頂滞在40分で切り上げて下山することにする。


< エピローグ >

 笠形山と同様に360°の大展望が楽しめる山です。登山道や道標もしっかり整備されていて地元の皆さんのこの山に対する愛着が伝わってきます。紅葉の季節に再び登ってみたい山です。



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