雪彦山(大天井岳[884m]、三辻山[915.2m]、鉾立山[950m])

  所在地:兵庫県姫路市    地形図:1/25000 寺前       
         ルートMAP 



< イントロ >


  今月は播磨地域中央部から西播磨の「兵庫50山」を歩いてみたいと思う。山々の位置や形を確認するため、手始めに展望に優れる雪彦山に登ることにする。ガイドブックによると雪彦山は、大天井岳/不行岳/三峰岳/地蔵岳の四つの岩峰から成る「洞ヶ岳」、915.2mの三角点がある「三辻山」、三角点から北東に延びる稜線上にある「鉾立山」の総称だと言う。今回は雪彦山キャンプ場を起点にして、洞ヶ岳を構成する4峰のうちの最高峰である大天井岳(884m)[p1]から、三辻山、鉾立山(950m)[p2]を経て、虹ヶ滝に下りてキャンプ場に戻るコースを歩くことにする。

 日時:2011年10月7日(金)    天候:晴れ

 コース:姫路市夢前町山之内 → 大天井岳     三辻山   →   鉾立山  → 峰山方面 → 虹ヶ滝 → 登山口

     雪彦山キャンプ場            (雪彦山三角点)        との分岐        駐車場

     (登山口)駐車場  12:15/12:30   13:15/13:30   13:50/14:10  14:20   15:35  16:40

       10:25  


< アクセス >

 カーナビを「雪彦山キャンプ場」に設定し、中国道を西に走る。晴れてはいるが見通しは今ひとつで、中国道の社ICの手前から眺める笠形山も霞んでいる。福崎ICで下りて、県道23号を西進し、夢前町前之荘から県道67号に入って北上し、山之内からは県道504号を北に進み、キャンプ場の手前で、道路脇左側の駐車場(p3)に車を停める。先着車輌は2台。駐車場は有料(\500)と掲示されているが、ウィークデイのためか係員は不在のようだ。

      
    p1  大天井岳の岩稜       p2  展望岩からの鉾立山      p3 雪彦山キャンプ場の駐車場                                   

< ゴーイングアップ >

■大天井岳へ

駐車場から道標(p4)に従って左手に進むと、キャンプ場の管理事務所の横に登山口(p5)がある。キャンプ場の敷地内にはトイレ(p6)も併設されている。階段道(p5)を上って山に入る。

           
       p4  登山口への道標        p5  登山口の階段道        p6 雪彦山キャンプ場のトイレ


 いきなり急登になる。岩面や木幹に派手な赤ペンキで矢印(p7)(p8)が表示されていて分かり易い。不動岩(p9)を経て、大汗をかきながら尾根筋を登り、展望岩(p10)の上で小休止。北側に大天井岳の岩肌(p1)とその右手に少し色づき始めた鉾立山(p2)が見える。雪彦山では事故が多発しているのか・・ 標識には英文字と数字を組み合わせたポイント番号が表示されていて、救急隊員に位置を簡単に知らせることができる工夫がされている。そのポイントで、どの通信会社(NTT、au・・)の携帯電話が使えるかも併せて表示されている。行者堂跡を経てネットで有名?な「ガンバレ」表示(p11)の横を抜ける。ときおり南側が開けて明神山(p12)が見える。

      
   p7  岩面の赤ペンキ矢印       p8  木幹の矢印表示       p9 不動岩のポイント表示板

      
      p10  展望岩        p11 木幹の「ガンバレ」表示     p12  明神山(最後方)


  
出雲岩(p13)を左側に回り込む(p14)と最初の鎖場(p15)がある。近在の山々の鎖場は、鎖に全面的に依存しなくても何とか登り切れるのが普通だが、この山の鎖場はチョット違うようだ。足場がしっかり確保できず、完全に鎖に頼ってしまう。この期に及んで両腕の筋力の重要さを思い知る羽目になる。

       
    p13   出雲岩           p14  矢印表示        p15 最初の鎖場(上から撮影)



 巨岩(p16)の下を回り込むと二つ目の鎖場(p17)。これを越えると「セリ岩」(p18)と呼ばれる狭い岩の割れ目を抜ける。(背負ったザックを途中で下ろす必要がありましたが、胸囲101cm、腹囲88.5cmの私でも何とか通り抜けられました) セリ岩の右側に迂回路が設けられているようだが、不思議なことに迂回路であることを示す道標が無い。

          
   p16 セリ岩の下の巨岩       p17 二つ目の鎖場     p18 セリ岩(この隙間を通り抜ける)


 見晴らし岩(p19)の上に立つと南側が展望でき明神山(p20)や県道504号沿いの集落(p21)が見える。

      
     p19  見晴らし岩        p20 見晴らし岩からの展望     p21 県道504号沿いの集落
                        (最後方が明神山)


  さらに岩場が続く。三つ目の鎖場(p22)と最初のロープ場(p23)を通過し、馬の背(p24)の狭い岩尾根を渡ると、四つ目の鎖場(p25)の試練があり、これを越えてようやく小さな祠のある大天井岳の山頂(p26)に立つ。

      

   p22  三つ目の鎖場        p23  最初のロープ場        p24  馬の背の岩場

    
    p25  四つ目の鎖場         p26 大天井岳の山頂 
  

 山頂にハイカーは無し。東側の木枝の間から笠形山(p27)が見え、南東方向に七種山(p28)、その右手に明神山(p29)が鮮やかに遠望できる。この歳になって恥ずかしながら・・ほんの少しだが、何とも言えない達成感のようなものを感じてしまう。

      
      
   p27 木枝の間から見える笠形山    p28  七種山(中央)       p29  明神山(中央右)


■三辻山へ

大天井岳からは、いったん下ってから登り返して838mピークを越える。途中、天狗岩(p30)を通過すると、右に折れて虹ヶ滝へ降りるコースへの分岐(p31)がある。ピークからは比較的なだらかな登山道を進んで「鹿ヶ壺方面への分岐」(p32)に至る。登山道にはクモの巣が散在しており、今日このルートを歩くハイカーは、私が初めてであることが分かる。

      

     p30  天狗岩         p31 虹ヶ滝への裏登山道の分岐    p32 鹿ヶ壺方面への分岐


< トップ >

 ここから植林帯の中の急登(p33)を登り切ると三角点(p34)が埋まる三辻山の山頂(p35)に到達する。標識(p36)には「三辻山」という表示は無く「三角点 雪彦山(標高915.2m)」と記載されている。展望は全く無し。そして誰もいない。ここで昼食とするが、キイロスズメバチの斥候の奇襲を受け、慌てふためいて握り飯を一つ地べたに落としてしまう。無念。


        
      p33 スギの植林帯の急登          p34  三角点
  
        
      p35  三辻山の山頂          p36 三辻山の山頂表示


< ゴーイングダウン >


■鉾立山

山頂から植林帯(p37)を少し下ると虹ヶ滝への分岐(p38)がある。さらにスギの植林帯(p39)を登り切ると西側から北側が大きく開けた鉾立山の山頂(p40)(p41)に到着する。素晴らしい展望だ。これで見通しがもっと良ければ・・・。西側に展望パネルが配置されている。その西方向に黒尾山、日名倉山、後山、植松山、三室山などの山々(p42)(p43)(p44)が並び、北側には電波塔が賑やかな暁晴山(p45)の山頂、その左手には藤無山(p46)を見ることができる。藤無山の左手に霞んで見える長い裾を引いた山は、氷ノ山のように思えるのだが・・。
 
      
   p37 スギの植林帯を抜ける登山道    p38 虹ヶ滝への分岐        p39 鉾立山への登り道


  
         
     
p40  鉾立山の山頂         p41 鉾立山の山頂表示

     
     p42  黒尾山と日名倉山             p43  後山と植松山

  

                 p44  鉾立山頂から西方向を望む         


        
         p45  暁星山         p46 藤無山(中央後方うっすら)

  

■虹ヶ滝へ

 鉾立山からの下りでは東方向に木幹の間から笠形山(p47)が見える。さらに下ると南東側が開ける。展望パネルが設置されていて、南東方向の山々が見渡せる(p48)(p49)

  

       p47   笠形山          p48  七種山方面            p49  明神山方面


  稜線を下って登り返した942mピーク(p50)に虹ヶ滝への分岐(p51)がある。道標にサインペンの書き込みで登山口まで90分とある。ピークからの下りで再び東側が開ける。ここからはスギの植林帯を抜ける道(p52)を下る。

         
      p50  942mピーク          p51 虹ヶ滝への分岐      p52 スギの植林帯を抜ける下山道


  切り倒されたスギがあちこちで道を塞いでいる(p53)。さらに進むとガレ場(p54)になるが、木幹に赤ペンキの印があり不安はない。やがて三辻山と鉾立山の間の鞍部(峠)からの下山コースと合流する(p55)

          
     p53  切り倒した木が塞ぐ登山道      p54  ガレ場             p55  分岐
  

 
  スギの植林帯を抜けると沢沿いの道(p56)になる。沢を何度かトラバースしながら、岩場を伝い、ロープ場を越えて進むと「虹ヶ滝」の表示板(p57)の横に出る。右手に鎖場(p58)があるが、これは天狗岩の北側に出る裏登山道ルートで、登山口への下山ルートは、ここで左手に進んで沢(p59)を渡り、対岸の傾斜を登り切る。南側に洞ヶ岳の岩峰(p60)が姿を現している。

        
        p56   沢沿いの登山道       p57 「虹ヶ滝」の表示板       p58 裏登山道への鎖場

      
       p59   沢を行く下山道         p60 洞ヶ岳の岩峰



ここからは「鹿賀神社」への道標(p61)に従って進む。直ぐ登山道脇に登山口への道標(p62)がある。暫く植林帯を抜ける道を下ると、「鹿賀神社」方面とキャンプ場がある「登山口」への分岐(p63)(p64)があり、右に折れる。樹林帯(p65)を抜けて、沢筋の岩道(p66)を降りると透過型の砂防ダム(雪彦川第二ダム)(p67)の横に出る。さらに5分ほど歩くと登山口(p68)の管理事務所の前に出る。

         
      p61   賀野神社への道標       p62  登山口への道標        p63  登山口への分岐

       
    p64  登山口への分岐道標      p65 スギ林を抜ける下山道      p66 沢筋の岩道の下山道  

        
        p67 雪彦川第二ダム        p68 雪彦山キャンプ場 


6時間余の山行でしたが、山中で遭遇したハイカーは無し。駐車場に戻ると、残っているのは私の車だけでした。


< エピローグ >

 
 岩場(鎖/ロープ場)、ガレ場、稜線/谷筋歩き、沢下り/沢渡り、・・と何でもありの面白いコースです。加えて鉾立山からの大展望は、岩場歩きやスズメバチの奇襲のストレスを癒やしてくれます。滑ると大事に繋がりそうな岩場が多いので、靴底のグリップ力に優れた「登山靴」を着用することをお薦めします。もちろん腕の筋力など上半身も鍛えておいた方が無難です。ウィークデイに登れば「山頂一人占め」ができるのも嬉しい山です。

 



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