白髪岳(721.8m)/松尾山(688m) 所在地:兵庫県篠山市  地図:1/25000 篠山 ルートMAP  



<イントロ>


  篠山市の南端に位置し、「丹波富士」とも呼ばれる白髪岳は、山頂から360度の雄大な展望が楽しめる山である。初めて登ったのは、昭和50年。山好きの友人に誘われて同行したものの、当時は道標も無く、山腹にある電波反射板の設置工事の踏み跡を辿ってしまって道を失い、薮こぎで下山するという惨澹たる山行だった。
  二年前の秋に再度トライすると、登山道は立派に整備され、道標もそこかしこに設けられていて、登山ブームの恩恵にあずかることができた。今回は4回目、篠山市住山から入山して、白髪岳、松尾山を経て下山する標準ルートを辿ることにする。


時 : 2010年10月5日(火)
    天候 : 晴れ

コース : 篠山市住山                     (文保寺への分岐)    

     白髪岳登山口   稜線   白髪岳山頂  →  鐘掛の辻  →   松尾山 山頂   卵塔群  → 登山口
             10:55         12:00     12:25/13:00        13:35            13:50          14:20       14:40


<アクセス>


  一昨日の夜半から昨日早朝にかけて雨。西から高気圧が張り出して天候が回復途上にあるこの日、10時20分に車で自宅を出る。県道720号(テクノパーク三田線)を北上し、三田市相野で国道176号に入って北へ。前方に白髪岳の姿が見え隠れするようになってほどなく「古市」で左折して国道372号に入り、500mほど進んだ小さな三叉路で右折、田畑に囲まれた狭い道路を北上する。前方に白髪岳(p1) が現れる。ザックを背負った10数名のシニアのハイカーグループを追い抜く。ウィーク・デイだが、今日は白髪岳の独り占めはできないようです。前回と同様に、住山集落の北端に近い登山口の手前300mあたりの道路脇にあるスペースに駐車する。

 
  登山口の手前まで歩くと、二年前には無かった「松尾山・白髪岳案内図」と表記した大きな掲示板が設置されており、登山ルートや見所が表示されている。さらに掲示板の横の道路脇には、これも二年前には無かったが、車6、7台は十分に駐車できそうな砂利を敷いたスペース(p2)
が設けられている。既に車一台が駐車しており、先行する登山者がいるらしい。



<ゴーイングアップ>


 「白髪岳方面」の道標(p3)
の矢印に従って、車一台がようやく通れそうな林道を進む。右手にクリ畑があり、収穫作業の真っ最中。左手には爽やかな瀬音の雰囲気のよい沢が現れる。ミニサイズの滝を横目に沢を跨ぐ橋を渡り、杉林の中をさらに進むと、左手に休憩所があり、その先に掲示板と「白髪岳山頂」への道標がある。いよいよ山道に入る。

  
 p1 住山地区からの白髪岳    p2 登山口近くの駐車スペース     p3 登山口の道標


  登山道は丸太を打ち込んで、よく整備されている。ほど良い勾配で高度が稼げる。山頂まで630mの標識を過ぎて、右手の山側からかなりの水量で涼しそうに流れる小さな沢を渡る。ここから急登になる。すでに杉林はなく、落葉樹と常緑樹が混在した自然林の中を進む。ロープの助けを借りて岩場を横切るポイントがあるが、それ以外は、足場はしっかりしていて不安はない。中年のカップルの姿を前方に確認し、少しペースを落とす。息があがって、大分汗をかいたところで稜線に出る。丁度、12:00。

 白髪岳山頂へは、稜線をさらに北に350mほど辿る。弁当を広げている先ほどの二人に挨拶して追い越す。ここからは、ロープや鎖のお世話になる岩場(p4)
が続く。脚で体重を支えて体勢を崩さないように注意しながら登る。二年前には、この岩場を下ってくる高齢者のグループに遭遇したが、ここを下るのは、かなりきついようだ。南側の眺望がひらけた見晴らしの良い岩場に出て、小休止。虚空蔵山が直ぐ目の前にあり、右手には西光寺山(p5)がもの凄い存在感で迫ってくる。


<トップ>

 さらに稜線を北上すると山頂に出る。誰もいない。二等三角点の後方に、少し趣のある古い山頂表示板と一緒に真新しい表示板(p6)
が立てられている。

    
p4 鎖やロープのある岩場    p5 西光寺山(後方)         p6 山頂の表示板


  少し雲が出てきたが、山頂からの眺望は雄大。南側は今田町の集落とその左側に虚空蔵山(p7)
。奥には三田市街と六甲の山並みが遠望できる。南東方向には、大船山(p8)や千丈寺山など三田市の山々が見渡せ、北東方向には篠山市街と後方に多紀連山の西ケ岳、三獄(p9)、小金ケ岳。南西方向には西光寺山の美しいシルエットが楽しめる。

    
p7 今田の集落(右)と虚空蔵山(左)    p8 大船山(中央の後方)    p9 三嶽(後方中央)、西ケ岳(後方左)
                                    小金ケ岳(後方右)、手前は篠山口の集落

  岩に腰掛けて握り飯を頬張る。先ほどのカップルとは別の中年のカップルが上がって来て、あっと言う間に昼食を摂って出発してしまう。こちらはアルコール分0.9
%未満のビールで大休止。5万分の一の地形図を広げて近くの山をひとつづつ同定する。13:00になったところで腰を上げる。


<松尾山へ>

 北側への下りは、かなりの急勾配で登山道の両脇にロープが張られている。せっかく持ってきたのだからと軍手を着ける。滑り止めのついた軍手は、素手よりも確かにグリップに安心感がある。ひとしきり下ると松尾山への道標があり、東方向への稜線をのんびり進む。時折、南と西方向の眺望がひらける。「鐘掛の辻」の表示板がある分岐に出る。文保寺方面への道標がある。松尾山へは、ここから急登になる。15分ほど登ると、松尾山の山頂(p10)
に出る。ここは、その昔、酒井氏の松尾城があったというが、城跡の面影は無い。周囲は樹木に覆われて眺望も無し。


<ゴーイングダウン>


 一息ついてから「卵塔群から住山」の真新しい道標に従って、稜線を下る。ところどころにロープが張られたかなりきつい下り。千年杉の前を抜けてさらに下る。年配の男性二人のチームに追いつく。挨拶すると「きついね。もう膝が笑ってしもた。ガハハ」と返される。20数基の石仏が並んだ「卵塔群」(p11)に着くと、山頂で会った中年カップルに再会する。休憩しているのではなく、愛宕堂方面に下るルートの標識を探している様子。標識は、卵塔群の裏側だったか?

 
 p10 松尾山頂の表示板         p11 卵塔群


 愛宕堂から不動滝を経て沢筋を下るコースは暗い杉林の中をだらだらと歩くことになるので、登山口の案内板に表示されていた「卵塔群」から尾根筋を辿って住山へ降りるコースを行ってみることにする。石仏群の横手の奥の木立に巻かれた赤いテープを目印に一人で進む。南方向に尾根を一気に下る。道標は全く無いが、道は良く踏まれており、そこかしこの木枝に赤や黄色のテープが巻かれていて不安はない。沢筋と異なり、周囲は明るい。

 大分下ったところで、テープが巻かれた木枝が周囲に見当たらないことに気が付く。しかし、道は良く踏まれているのでそのまま進むと、直ぐ下に民家の屋根が見える。民家の横の畑に降りる方向に人が踏んだ跡が多数確認できるので、その方向に下りる。民家の庭の南側にある休耕中らしい畑に出た。

 農道を少し歩くと、見覚えのある林道に出る。白髪岳への登山口の道標から50mほど山側に入ったところに出たようだ。松尾山から丁度、50分。沢筋を下るルートに比べて距離はだいぶ短い。



                                       Top Page


inserted by FC2 system