裏六甲 赤子谷西尾根 → 岩原山(兵庫県西宮市/宝塚市) ルートMAP |
【 山行日時/ルート 】 日時:2024年2月2日(金) 天候:曇り 時々 晴れ ルート:JR生瀬駅 → (生瀬水路道) → 赤子谷方面分岐 → 西宝橋 → 赤子谷西尾根取付き 10:07 10:28 10:41 10:48 → 322m ピーク → 不動峠 → 470m ピーク → 岩原山 → 東六甲縦走路 11:20 11:46/12:10 12:31 12:52 13:00 総時間(ルート探索・昼食・休憩時間等を含む):2時間 53分 【 プロローグ 】 昨年(2023年)の12月から再開した「裏六甲から六甲山系の主稜線に登る」山行シリーズの6回目は "赤子谷西尾根" を歩いてみることにする。 赤子谷西尾根は、昨年の12/21に歩いた赤子谷右俣の西側を南北方向に延びる山稜で、ネット情報によると尾根上には明瞭な踏跡と併せて、ルート探索の助けになる残置テープなども存在するという。ルート上には勾配が急峻な区間もあるというが、膝に爆弾を抱えた爺ハイカーでも何とか歩き切れる感触が得られたので、強い北風が吹いて冷え込むものの晴天が見込まれる2/2(金)に入山することにした。 赤子谷西尾根の北側の取付きには JR生瀬駅から "生瀬水路道" を経てタマガ谷の西側の尾根道を歩いてアクセスする。 【 JR生瀬駅 → 赤子谷方面分岐 】 JR生瀬駅(p1)の改札を出た東側の丸型椅子が置かれたエリアで出発準備をしてから、駅前道路を西方向に進む(p2)。駅前のミニコープの西側で左折(p3)して歩道がついた登り勾配の道路(p4)を南方向に歩く。 p1 JR生瀬駅 p2 駅前道路を西へ p3 コンビニの西側で左折 p4 歩道を南へ 道なりに右に折れてからU字型に反転して(p5)左手に住宅街を眺めながら今度は北方向に進む(p6)。さらに、右手に児童公園を眺めながら道なりに西方向に進み住宅街の西端に達してから道なりに南方向に進むと "生瀬水路道"に入る(p7)。 横幅が数十cm ~ 1m余のU字型の水路に綺麗な水が流れており水路に沿って歩き易い小道が西方向に延びている(p8)。これが "生瀬水路道" [生瀬水路道については "赤子谷右俣" の山行記録を参照ください] である。 p5 U字型に転回 p6 北方向に進む p7 南へ進み水路道入口へ p8 生瀬水路道 生瀬駅から20分強歩くと水路道が一旦、谷(タマガ谷)に降りるポイント(p9)があり、階段道を上り返す(p10)と直ぐ右手に昔の水道施設らしい廃屋がある(p11)。その手前に左(南)方向への分岐がある。これが赤子谷方面へのアクセス路の入口である。入口の右手の木幹にはトラテープが巻かれ、「←赤子谷」と書いた小さなプラスチック片(p12)が木幹に縛り付けられている。ここで左折すると、南方向に踏跡が延びている。 p9 谷に降りる p10 登り返す p11 廃屋の手前で左折 p12 赤子谷への私設道標 【 赤子谷方面分岐 → 赤子谷西尾根取付き 】 南方向に延びる踏跡(p13)は明瞭で、急勾配を登り切ると直ぐに歩き易い尾根道(p14)になる。入口から10分ほどで尾根道は左手(東側)のタマガ谷側に降りる(p15)。下りは急勾配だが、お助けロープが設置されている(p16)。 p13 南に延びる明瞭な踏跡 p14 歩き易い尾根道 p15 東側に降りる p16 下りは急勾配 降りると東西方向に延びる幅広の道に出る。このポイントはT字型の分岐(p17)を形成していて、左(東)方向に折れると生瀬高台住宅地の南西端まで延び、右(西)方向に進むと西宝橋に出る。ここは右に折れ、緩やかな下り道(p18)を100mほど歩いて西宝橋(p19)(p20)に出る。 p17 T字型分岐 p18 右手に下る p19 西宝橋に出る p20 橋名の表示板 西宝橋の西側で、北から延びて来ている踏跡に合流して南方向に進む(p21)と、古い材木を並べた橋(登山詳細図では "古木橋" と表示されている)(p22)に出る。脚を載せたら材木が折れそうな雰囲気で高所恐怖症のジジイにとっては少々厄介だ。古い木材の下側に敷かれた二本の橋桁は鉄骨のようなので右側の橋桁上を狙って渡りきる。 右手に結構な水量の沢を眺めてから落葉に覆われた緩い上り勾配の登山道を進むと1分強で分岐(p23)に出る。直進すると赤子谷右俣/左俣や赤子谷中尾根ルートに向かい、木枝に残置テープが確認できる右手に分岐すると赤子谷の沢に出るようだ。ここは右手に進んで沢に向かう。沢に降りる手前の木幹に派手に複数のテープ(p24)が巻かれており、対岸(左岸)の木枝にも赤テープが見える。 p21 南方向に折れる p22 古木橋を渡る p23 右に分岐し沢に出る p24 対岸に渡渉する ここが赤子谷西尾根の入口だろうと推測して対岸に渡渉する。対岸に渡りきったポイントの立木に「↑ 東六甲縦走路 岩原山 ナガモッコク尾根 (赤子谷尾根)」と表示した比較的新しい白いプラスチック板が針金で留められている(p25)。また別の木幹には「↑ 尾根道入口」と書いた少し年季の入った縦長の白い板片(p26)が留められている。ここが西尾根の取付きであることは間違いないようだ。 p25 手書きの私設道標 p26 古い私設道標 残置テープを追いながら西側の急勾配の斜面に付けられた踏跡(p27)を登る。登り切ると 落葉を被ったしっかりした尾根道(p28)が南西方向に延びている。振り返ると北東方向の木枝の向こうに宝塚すみれが丘のマンション群が見え、その後方に中山連峰 "吾孫子の峰" のピラミッドが見える(p29)。 p27 斜面を登って尾根へ p28 しっかりした尾根道 p29 吾孫子の峰が見える 【 赤子谷西尾根取付き → 322mピーク 】 西尾根の縦走は、茶褐色の落葉が厚く堆積した急勾配の尾根道(p30)から始まる。ザッザッと枯葉を蹴って飛ばし、滑らないことを確認しながら一歩一歩を繰り出して慎重に登る。直ぐに登山道は、表面が砂地で枯葉が局所的に積もった尾根道(p31)に変わり、さらに彼方此方に岩が突き出たり、浮き岩が転がる急傾斜(p32)が続く。 上り勾配は厳しく、立木を掴んで身体を支えたいところだが手が届く木枝が見つからず、思い切り身体を前傾させて、地べたを這っている木の根(p33)を掴んで前進する。西方向から冷たい風が吹き付けているが、身体はポカポカ、背中にはうっすらと汗が滲む。 p30 落葉が堆積した尾根道 p31 砂地の尾根道 p32 岩混じりの尾根道 p33 木の根を掴んで登る 4日前(1/29)に歩いた「赤子谷東尾根」も急勾配の尾根道に "お助けロープ" は設置されていなかったが、この西尾根もロープは無さそうだ。ネット情報によると、この西尾根を "下り" に使うハイカーも多いようだが、ポール(2本)無しでこの辺りを降りるのは難儀だろう。 狭くなった尾根道(p34)を登り切ると尾根の横幅が広くなる。西尾根を登り始めてから15分強だ。ルート探索が難しくなるかな?、と不安がよぎったが残置テープ(p35)がしっかり誘導してくれる。標高310m辺りの上り勾配が緩い一画(p36)を抜けると、標高322mの小ピークと思われるポイント(p37)に出る。西尾根スタートから27分である。ここで "ブラックチョコ" で一息入れる。 p34 狭い尾根道 p35 横幅が広い尾根 p36 勾配が緩い尾根道 p37 322mピークポイント 【 322mピーク → 不動峠 】 一旦僅かに下ってから再び狭い尾根道(p38)を往く。上り勾配は緩やかで一気に距離を稼ぐ。標高380m辺りに達すると尾根の横幅が一遍に広くなる(p39)。ルートを誤らないように慎重に残置テープ(p40)を追う。 p38 狭い尾根道を往く p39 尾根の横幅が広がる p40 残置テープを追う 南西方向に延びていた踏み跡は真南に向きを変えて、勾配は一旦 "下り" になる(p41)。この辺り(p42)(p43)は倒木が多く、荒れていて踏跡も見にくいため慎重にルートを探る。 p41 真南方向に一旦下る p42 荒れた登山道(1) p43 荒れた登山道(2) やがて踏跡(p44)は再び南西方向に延びて歩き易くなり、直ぐにはっきりした下り勾配になる(p45)。正面には400mピークと思われる山影が見え、やや右手には470mピーク(登山詳細図には "北峰"と表示されている)らしいお椀を伏せたような山影が見える。 p44 踏跡は歩き易くなる p45 下り勾配になる 下り切った平坦なエリア(p46)「標高360m]は十字路を思わせる雰囲気で、直進(p47)すると400mピーク、白い残置テープが木枝に巻かれた右手(北西方向)に下る(p48)と不動谷へ向かうようだ。(帰宅後ネットで "ヤマレコ" の "みんなの足跡" をチェックすると、確かにこのポイントから不動谷に降りるハイカーが少ないながらもいることが確認できた) また、左手にも踏跡らしいものが赤子谷の右俣方向に向かっている。国土地理院の地形図をチェックすると、東側に延びる西宮市/宝塚市の境界線あたりから山道が赤子谷右俣に降りており、元々はここがこの山道の起点だったようにも思える。ここが "不動峠" と呼ばれる十字路だったポイントなのだろうか。 ここから直進して、400mピークに向かう斜面を少し登ったところに太い倒木(p49)を見つけたので、これをベンチ代わりにして昼食大休止とする。 p46 不動峠? p47 直進は400mピーク p48 不動谷方向への踏跡 p49 昼食ポイントの倒木 【 不動峠 → 470mピーク 】 西や北方向から強い風が吹いて、温かくなった身体が一遍に冷えてしまったが、糖分たっぷりのデザートで気合いを入れてから出発する。 昼食ポイントから西尾根を南西方向に5分ほど登ると尾根沿いにシダが現れる。左手(南方向)に岩原山(p50)がはっきり見えてくると、400mピーク(p51)に到着する。 p50 岩原山がはっきり見える p51 標高400mピーク 400mピークを少し下ると、前方やや左手に岩原山、右手に470mピークが見えて来る(p52)。鞍部に出てから470mピークへの上りが始まり、やがて踏跡はシダで覆われたエリア(p53)を抜ける。振り返ると北方向に琴鳴山の削られた白い山肌(p54)が見え、木枝の向こうに北摂三田の秀峰大船山と羽束山、後方に三田市最高峰の三国ヶ嶽などが遠望できる(p55)。 結局、赤子谷西尾根から北側の眺望が得られたのは、このシダまみれ(p56)の急勾配を登る途中のワンポイントだけだった。 p52 岩原山と400mピークが見える p53 シダ生殖地を往く p54 北方向の眺望が開ける p55 北摂三田の山々が見える p56 シダのジャングル?を往く 登り切った470mピークは、100平米以上は優にありそうな平地(p57)で西方向に進むとナガモッコク尾根から岩原山方面に向かう踏跡に合流する。このポイントはT字型分岐(p58)を形成して右に折れるとナガモッコク尾根、左に進むと岩原山方面である。不動峠から20分強を要した。 その手前の左手の木幹に「←(赤子谷尾根) 赤子谷入口・生瀬高台住宅・JR生瀬駅」と表示した板(p59)が針金で留められており、矢印(←)は、いま歩いて来た方向を向いている。その先にもう一つ「(ナガモッコク尾根) 岩原山,東六甲縦走路 →」と表示した板(p60)も存在する。 p57 標高470mピーク p58 T字型分岐 p59 私設の道標(1) p60 私設の道標(2) 【 470mピーク → 岩原山 → 東六甲縦走路 】 T字型分岐(p58)を左に折れて少し下ると、三叉路(p61)に出る。直進すると岩原山の東側を巻いて譲葉山西峯の近くで東六甲縦走路に合流する(注)。右手に分岐して進むと岩原山である。今回の目的地は岩原山経由東六甲縦走路なので右手に進む。 (注) 2024/2/13 にナガモッコク尾根を経て東六甲縦走路に合流した際にこのルートを歩きましたが、充分なメインテがさ れていない様子で "かなり荒れている" と感じました。裏六甲の "地図に無いルート" を歩くのを愉しみにしている ハイカーにとっては「普通の道」かもしれませんが・・。 落葉に覆われたしっかりした踏跡(p62)を10分ほど登ると、急勾配のササ道(p63)になる。強烈な上り勾配で、お助けロープが設置されているポイントもある。ここを下るのは膝の弱ったジジイには厄介だろう。 三叉路分岐から心臓発作予防のための "一息立ちんぼ" を繰り返しながら15分強で宝塚市の最高峰である岩原山の山頂(p64)に到着する。岩原山の山頂に立つのは今回で4回目だ。 石積みの横に私設の山頂表示が立てられている。 p61 右手に分岐し岩原山へ p62 落葉が覆った踏跡 p63 急勾配のササ道 p64 岩原山の山頂 ここからは南東方向に緩やかに下って 7分ほどで東六甲縦走路に合流する。合流ポイントには公設の道標[#33](p65)と併せて岩原山への道標(p66)も設置されている。JR生瀬駅からは、ルート探索、昼食・休憩などの時間を含めて 2時間 53分を要した。山中で遭遇したハイカーは無し。 p66 東六甲縦走路上の公設道標 p67 岩原山への道標 【 エピローグ 】 赤子谷西尾根ルートは "北側の取付きから暫く上り勾配が厳しい" のを除けば、強烈なアップダウンや通過に特段の危険を伴うポイントは無く、歩き易いと思います。踏跡は尾根の横幅が広い一部のエリアを除いて極めて明瞭で、要所にテープなどの目印も確実に残されているのでルートを誤る危険も少ないと思います。 愉しみは北側の眺望だと思いますが、現状は「470mピークの北側斜面で、しかも木枝越しに得られる」だけであり、物足りないと感じます。 誰もいない山をのんびり歩きたいハイカーにお勧めのルートでしょうか。 Top Page |