千丈寺山[589.6m] (北浦天満宮 → 山頂 → 上青野)
   
 所在地:兵庫県三田市      地形図:1/25000 藍本                          ルートMAP


     
    日時:2012年 5月 30日(水)     天候:晴れ

    コース: 下青野公園 → 北浦天満宮 →  展望岩  →     山頂   →  北千丈寺山  →    → 県道出合 →  下青野公園

             駐車場                                                 駐車場

               11:05       11:25      12:00      13:15/13:50     14:05    14:35     15:00     15:30 

 


< イントロ >


  西宮市山口町名来付近の国道176号を北上し、中国自動車道のガードを潜ると、前方に有馬富士の秀麗な三角錐と、その後方に両肩を怒らせてデンと座っている大きな山が目に入る。有馬富士の守護神のような雰囲気で鎮座しているこの山が千丈寺湖の北側に位置する一等三角点の山「千丈寺山」(p1)である。東西方向から眺めると、山頂の北側にある北千丈寺山の穏やかな稜線が牛の臀部のように見え、角(つの)のようにも見える山頂(南千丈寺山)付近と併せて、牛の背中をイメージしてしまいそうな山容(p2)である。一昨年の秋には「てんぐの森」から遊歩道を辿って山頂まで歩いたが、今回は千丈寺山の南側に位置する三田市北浦の北浦天満宮から山に入り、前山、南千丈寺山(千丈寺山頂)、北千丈寺山と縦走し、上青野に降りることにする。
 
        
       p1 西宮市山口町名来からの千丈寺山       p2 とんがり山(篠山市)からの千丈寺山



< アクセス > 

 国道176号線を北上し、JR広野駅の南側の上井沢で県道308号に入る。千丈寺湖畔を北上して、テニスコートが並ぶ下青野公園(p3)(p4)の広い駐車場(p5)に車を停める。いつも閑古鳥が鳴いてるテニスコートからは、珍しくボールを叩く音が聞こえる。叔母さまグループのテニス会のようです。

       
    p3 下青野公園の入口の標識     p4 下青野公園の管理棟       p5 下青野公園の駐車場
     


< ゴーイングアップ >

北浦天満宮へ
 
県道308号の東側を並行して南北方向に延びる下青野集落の舗装道(p6)を南方向に歩く。初夏の陽射しが厳しい。青久寺の西側を抜けて、県道309号を東進する。プラスチック廃材の処理工場の横を通過すると、左手道路脇に北浦天満宮の石段(p7)が現れる。石段を登り、本殿(p8)下で道中の安全を祈願する。

        
   p6 下青野集落を抜ける舗装道路    p7 北浦天満宮の石段と鳥居      p8 北浦天満宮の本殿     


展望岩へ
 天満宮の本殿の東側を北方向に向かう林道(p9)が造成工事中で、左側の林道脇に踏み跡が続いている。林道の方が歩き易いので、左手の林道脇に注意しながら暫く林道を進む。左手の奥の木枝に赤リボンが巻かれているポイント(p10)から山に入る。右手の涸れた沢に沿って進むと前方にコンクリート製の堰堤(p11)が現れる。右手の斜面を登って、堰堤の右端(p12)から堰堤上に上がると、北側斜面の木枝に赤テープが巻かれ、踏み跡が続いている。ロープが付けられた急斜面の踏み跡(p13)を登り切ると、岩場(p14)が現れ、南方向が開けて、千丈寺湖や有馬富士、加茂金比羅山、末吉金比羅山が眺められる(p15)

       
   p9 工事中の林道脇の踏み跡     p10 登山口の赤リボン     p11 堰堤(正面)に向かう踏み跡     p12 堰堤の右端

   
  p13 ロープが設けられた山道      p14  岩場道          p15 岩場から南方向を望む


 自然林を抜ける明瞭な踏み跡(p16)を辿る。樹木の背丈が低く、厳しい陽射しが容赦なく降り注ぎ、額や背中から汗が噴き出す。大きな岩(p17)がある展望ポイントが現れて、南方向が大きく開ける(p18)。有馬富士や金比羅山の後方には六甲山系、千丈寺湖の後方には丹生山系や三木の雄岡・雌岡も見える。展望を楽しみながら一息つく。

      
   p16 自然林の明瞭な踏み跡        p17 大岩(展望岩)     p18 展望岩から南方向を望む


■ 前山へ

 自然林の中を抜ける気持ちの良い山道(p19)を進むと、分岐(p20)がある。左方向の木枝には、赤リボンが巻かれ、右方向には、「千丈寺山」と書かれた木板(p21)が枝木に掛けられている。左は下青野の感神社からの山道らしい。右方向に進むと前方の木枝の間から千丈寺山の山頂付近(p22)が見えてくる。
     

 p19 自然林の気持ちの良い山道      p20  分岐            p21 道標          p22 千丈寺山の山頂


 前山の東側を抜けたらしく、山道(p23)は下りになる。右手の木枝の間から大船山の山頂(p24)が見える。下りきると新緑が清々しいなだらかな稜線道(p25)になる。辺りがアカマツの低木(p26)に変わり、前方が開けて千丈寺山の山頂(p27)と、右手に大船山の山頂(p28)がはっきりと顔を出す。


           
   p23 前山から下る山道        p24 大船山の山頂      p25 新緑が清々しい稜線道      p26 アカマツの低木

  
    p27 千丈寺山の山頂       p28 大船山の山頂

 

■ プラスチック紐の残骸が・・

 本来、新緑の自然林を抜ける道(p29)は気持ちが良いはずだが、登山道脇の樹木には、白色と青色の梱包用のプラスチック紐が見るも無惨な姿で巻かれたまま(p30)(p31)残っており、これが展望岩の近辺から山頂南側の展望ポイントへの登りの取り付きまで登山道に沿って延々と続いている。折角の清々しい気分が台無しである。野外学習を目的にした児童の集団登山で引率者が「安全確保」を理由に、事前にプラスチック紐を枝木に巻いて、そのまま放置したものでしょうか・・・? おそらく当事者は、この現状を知っているはずですから、速やかに撤去して欲しいものです。

        

   p29 自然林を抜ける山道    p30 木幹に巻かれたプラスチック紐  p31 登山道脇に放置された紐


■ 山頂へ
 登山道の右脇に苔の生えた大きな岩が置かれた地点(p32)から、いよいよ山頂への登りが始まる。まずは、展望ポイントまでの標高差約100mの急登である。一頻り登って、振り返ると有馬富士の後方に三田市街や六甲の山並みが続いている(p33)。息を切らせながらロープが垂れた急登(p34)を上ると、岩場(p35)が現れる。登り切って岩場の上に立つと南東から西方向に素晴らしい展望が開ける。羽束山や有馬富士が指呼のうちで、六甲山系、丹生山系、三木の雄岡山/雌岡山まで見渡せる(p36)。西方向には、枝木の間から虚空蔵山や西光寺山も望める(p37)。大展望を楽しみながら、ここで小休止。

    
  p32 山頂への急登の始点       p33  南方向を望む      p34 ロープのある急登        p35  岩場道
 
        

                   p36   山頂の南側の展望ポイントから南方向を望む

     
        p37  展望ポイントから西方向を望む


< トップ >

 展望ポイントから気持ちの良い自然林を抜ける勾配の緩やかな山道(p38)を進む。左手の登山道沿いに、山頂直下の千丈寺大権現への道標(p39)がある。とりあえず、山頂を踏んでから大権現に参拝することにして、この分岐をパスして進むと直ぐに、一等三角点(p40)がある山頂に到着する。山頂にハイカーの姿は無い。

      
  p38 山頂へのなだらかな山道     p39 千丈寺大権現への道標       p40  一等三角点



  雑木に囲まれ南北方向に延びる山頂部分(p41)の北側の岩の上に立つと、北から東方向と、西から北西方向の展望が大きく開ける。東側は、峰ヶ畑、三国ヶ嶽、弥十郎ヶ岳、大野山、剣尾山、昼ヶ岳、猪名川三山などが見渡せ(p42)、北側の柴田ファームの後方には、多紀アルプスの西ヶ岳、三嶽、小金ヶ岳の山頂部分が頭を出している(p43)。西側には、虚空蔵山とその後方に西光寺山が望める(p44)。東西の展望を楽しみながら岩の上で弁当を広げる。
   
  p41 南北に延びる山頂広場        p43  山頂から北方向を望む            p44  山頂から西方向を望む  
 
     
                       p42  山頂から「北 → 東」方向を望む


 昼食後、山頂直下の西側の大権現(p45)の前に降りて参拝する。先程、私が弁当を広げた岩は、大権現の御神体になる巨岩の上表面だったようだ。

   
   
p45 千丈寺大権現の祠と岩壁


< ゴーイングダウン >

 山頂からは、北方向に急勾配の稜線道を下る。下り切って山道(p46)の勾配が緩やかになると、右手の東から南東方向が開けて、大船山、烏ヶ岳、羽束山などが鮮やかに見渡せる(p47)。木幹に結ばれた「北千丈寺山まで200mの道標」(p48)の先に松住権現の石造りの祠(p49)があり、祠の前に広いスペースがある。ここから右手(東側)に進むと乙原へ降りる「てんぐの森」の遊歩道である。

      
    p46 山頂からの下り             p47  南東方向を望む                      p48  松住権現の南側の道標

  

   p49 松住権現の石造りの祠


 祠の西側の稜線道(p50)を北方向に5分ほど辿ると、コナラの木幹に「北千丈寺山」の山頂を示す私製の表示板(p51)が掛けられている。辺りは雑木に囲まれて眺望は全く得られない。明るい雑木林を抜ける踏み跡(p52)をさらに5分ほど進むと、北千丈寺山の稜線の北端に達する。北側の展望が開けて、北西方向の青野川渓谷沿いを延びる県道308号の背後に奥山が屏風のように聳え、その後方に白髪岳と松尾山の山頂部分が頭を出している(p53)

        
   p50 北千丈寺山への稜線道      p51 北千丈寺山の山頂表示板    p52 雑木林を抜ける踏み跡 

     

      p53  稜線の北端から北西方向を望む


 ここからは、標高差180mを一気に下って、大根谷と上青野を結ぶ峠まで降りる。急勾配の山道(p54)を下り始めると、今月16日に歩いた大根谷渓谷、峰ヶ畑、扶養ヶ岳が前方に現れ、柴田ファームの後方には三嶽や小金ヶ岳の山頂が頭を出している(p55)。滑り落ちそうなほどの急傾斜の山道(p56)を足の爪を痛めないように慎重に下る。実働20分強で峠(p57)に到着。自然林の山道(p58)を西方向に5分ほど歩くと、苔むした岩混じりの道(p59)に変わり、さらに10分ほど歩くと、辺りはスギの植林帯(p60)になる。峠から20分ほどでコンクリート舗装の林道(p61)になり、上青野の集落(p62)に出る。

       
    p54 稜線の北端からの下り           p55  北方を望む               p56  急勾配の下り

     
    p57 峠の千丈寺山の登山口    p58 峠から上青野への山道      p59 岩混じりの山道     p60 スギ植林帯を抜ける林道

   
         p61 舗装された林道     p62 上青野集落を県道308号へ


 下青野公園に向かって県道308号を南下する。左手に、いま歩いてきた千丈寺山の全貌が眺められる(p63)

    
               p63  下青野地区の県道308号からの千丈寺山


< エピローグ >

 展望に優れた良いコースです。南北に延びる千丈寺山の全体の姿も良く理解できると思います。稜線の北端から、大根谷と上青野を結ぶ峠までは、かなり厳しい傾斜の下りになります。膝が弱い人は、松住権現から「てんぐの森」の遊歩道を下って乙原に降りることをお薦めします。

  



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