裏六甲 清水谷道(兵庫県西宮市)       ルートMAP


 【 山行日時/ルート 】 

   日時:2023年12月13日(木)   天候:晴れ

  ルート:舟坂橋バス停 → 山王神社 →  県道51号線  → 西宮市道 山第436号線
                     清水谷道入口   清水谷道分岐
        12:00    12:05/12:08   12:10       12:14


     → 舗装道路終端 → 船坂峠
        (車止め)
        12:30    13:05


  総時間(ルート探索・休憩等の時間を含む):1時間 5分



【 プロローグ 】
 今月(2023年12月)から「裏六甲から六甲山系の主稜線に登る」と言う山行シリーズを再開することにして、一回目は12/10(日)に「船坂谷道」を歩いた。二回目になる今回は船坂谷道の東側を南北方向に延びる清水谷道を歩くことにする。

 ホームページ「西宮山口(山口町で心ごとタイムスリップ)」によると、清水谷道は、江戸時代に「船坂間道」と呼ばれ船坂から船坂峠をへて西宮の鷲林寺へ抜ける街道だった由で、昭和初期まで丹波杜氏が西宮郷や今津郷の酒蔵へ通った道であり、北摂や丹波地域の人々が西宮への買い物で通った道だったという。

 快晴の予報が出ている12/13(水)に舟坂橋バス停を起点に六甲全山縦走路上の船坂峠までこの清水谷道を歩いてみることにする。



【 舟坂橋バス停 → 清水谷道入口 】
 有馬温泉から「さくらやまなみバス」に乗り込み、舟坂橋バス停(p1)で降りる。すでに昼時だが自宅出発前に早めの昼飯を済ませているので空腹感はない。県道51号線に沿って東方向に進んでコンビニ前を横切り、信号機のある交差点(p2)の横断歩道を渡る。県道沿いを東方向に進むと左手に山王神社(p3)がある。石段を上がり今日の山行の安全を祈願する。

         
    
p1 舟阪橋バス停        p2 交差点を横断する       p3 山王神社



     
 帰宅してからネットで前述の「西宮山口(山口町で心ごとタイムスリップ)」にあたると、
     この山王神社は戦国大名であった播州三木城主別所氏の祈願所だった由で、織田信長に離
     反して毛利氏に通じ、三木城に立て籠もったことで知られる別所長治の信仰が特に厚かった
     ことから、秀吉の三木城攻めの際に焼かれてしまい、その後再建されたものらしい。

       祭神は大己貴命、少彦名命、猿田彦命の三神であり、伝承によると船坂に大岩信仰があり、
     船坂川上流にある巨岩 (船坂谷道の老ヶ岩) に六甲山の石ノ宝殿から三神が降臨し、鎮座して
     おられるのをここに招いたと言われているようだ。




 山王神社から県道51号線をさらに東方向に50mほど進むと、右手への分岐
(p4)があり "清水谷道" と表示した道標(p5)が立っている。ここが清水谷道の入口のようだ。道標の左側には大きな石柱(p6)があり、かって清水谷道が西宮へ通じる間道であったことを示す「右 西宮道」の文字が彫られている。(「左 大阪宝塚道」の文字も併せて記されていて、この船坂が大阪・宝塚と有馬温泉を結ぶ湯ノ山街道上の中継点であったことを偲ばせる)

            
  
p4 右手の分岐(清水谷道入口)へ   p5 清水谷道の道標    p6 往事を偲ばせる道標



  【 清水谷道入口 → 舗道終端(車止め) 】
 分岐で右折して舗道を南方向に進む。幅員は 5~6mしかないが、市道436号から県道51号に抜けられる道路であるためか大型トラックなどが結構なスピードで走って来るので気が抜けない。やがて正面に六甲全山縦走路上にある大平山の電波塔が見えて来る(p7)

 分岐から3分ほどで舗道は対向二車線の西宮市道山436号線に合流する
(p8)。この436号線を南方向に100mほど進むと、再び「清水谷道」と表示した道標(p9)が立つ右手方向への分岐(p10)がある。ここで右折して上り勾配の舗道(p11)を南方向に往く。突き当たった正面には船坂の歴史の重みを感じさせる風情のある茅葺き屋根の古民家(p12)がある。

           
  
p7 大平山のアンテナが見える   p8 市道山436号に合流する    p9 清水谷道の道標

         
    
p10 右手の清水谷道へ     p11 清水谷道を南へ      p12 茅葺きの古民家


 分岐から3分弱で県道82号線のガードを
(p13)潜る。 上を走る県道82号は 5年ほど前に盤滝トンネル(西宮北道路)が無料化され、裏六甲から西宮に出る格好のルートになったようだ。南方向に延びる道路[清水谷道](p14)の勾配は意外に厳しく身体は早くもポカポカだ。道路(p15)は住宅街の南端に達し、左手には沢が迫ってくる。やがてゴミ捨て禁止の看板が立つ舗装道路の終端(p16)に達する。県道51号線沿いの清水谷道入口から丁度20分である。  


p13 82号線のガードを潜る  p14 勾配は意外に厳しい  p15 住宅街の終端    p16 舗装道路の終端



【 舗道終端(車止め) → 船坂峠 】
  ここからは枯葉が堆積し、苔が生えた大小の岩が彼方此方に転がる幅広の道(p17)を往く。かっては立派だった・・と思える道だが、ここ数年の豪雨禍によるものか、かなり荒れて(p18)(p19)いる。足下の凹凸や障害物につまずいて転倒しないように慎重に歩を進める。

  舗道終端から10分ほど歩くと、右手奥から延びてきた傾斜の緩い沢の出口にあたるポイントに小さなケルンがあり、その左手にササ藪を往く明瞭な踏跡
(p20)がある。ここで左に折れてこの踏跡を往く。


 
p17 幅広の登山道を往く  p18 荒れた登山道(1)   p19 荒れた登山道(2)   p20 ケルンで左へ


 ササ藪
(p21)は膝から腰あたりの高さに達し、足下には倒木(p22)や大きな岩(p23)も転がっているので危険が一杯だ。ササ道が終わると左手眼下が沢筋の歩きやすい登山道(p24)になる。


p21 深いササ藪の登山道   p22 足下に倒木      p23 足下に岩      p24 歩き易い登山道


 やがて登山道
(p25)は右に大きく転回して(p26)西方向に延び、再びササ道(p27)になった後、今度は左に転回して東方向に進む(p28)。この辺りのササ道は良く踏まれていて歩きやすい。


p25 左手が沢筋の登山道   p26 右手に転回する  p27 西方向に進むとササ道に p28 左転回して東へ


 登山道
(p29)は再び右に転回してからササ道(p30)になり、今度は左転回する。所謂ジグザグ道なので勾配は比較的緩やかで "息が切れて一休み" となることはない。

           
       
p29 再び右に転回          p30 再びササ道に


 再び右に転回して
(p31)西方向に進むササ道(p32)になった後は、稜線に達するまで歩き易いササ道(p33)(p34)が続く。


  
p31 再び右に転回   p32 西方向に進むササ道  p33 歩き易いササ道(1)  p34 歩き易いササ道(2)


 舗道終端(車止め)から35分で船坂峠
(p35)に到着し、六甲全山縦走路に合流する(p36)。縦走路側から清水谷道を眺めるとこんな具合(p37)です。舟坂橋のバス停からは、1時間 5分である。

               
       
p35 船阪峠         p36 船坂峠の縦走路       p37 船坂峠の清水谷道入口



【 エピローグ 】
 清水谷道は、豪雨禍などで一部に荒れた区間がありますが、総じて良く踏まれていて歩きやすく通過する上で危険を伴うポイントもありません。

 裏六甲の西宮市山口町や生瀬町などから六甲の主稜線に登るルートは、いずれも急勾配で体力勝負の登山を強いられますが、清水谷道は緩やかな勾配でZ字(ジグザグ)型に延びており、登山に要する体力面での負担はかなり小さいと思います。

 従って、清水谷道は水無山以東の全山縦走路上でアクシデントが生じて、緊急の下山が必要になった場合などの下山路としても利用できると思います。



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